日本が目指すべき道は明治維新の世界規模での再現
戦後、日本が戦争に巻き込まれなかったのは、
決して平和憲法があったからではない。
それこそ言霊主義者の幻想だ。
現実的に言えば、日本とその周辺が、
冷戦における最大の火薬庫だったからである。
日本とその周辺諸国を見て欲しい。
まずは朝鮮半島。ここには、米ソの冷戦が終わった後でも、
世界で唯一と言ってもいいほどに顕著な冷戦構造が残っており、
朝鮮半島は、ドイツとベトナムが統一されたにも関わらず、
未だに南北分断が続いている。
そして、その内の北の国、北朝鮮は、
旧共産圏においては、世界第三位の軍事力を持つ国であった。
そして、日本の隣国には、共産圏最大の国であるソ連、
二番目の軍事大国である中国もあった。
そして日本があり、日本の中にはアメリカもあった。
こんなところで戦争が起きればどうなるか。
第二次世界大戦どころの騒ぎではない。
アメリカとソ連の総力戦となる。
名前こそ、後世において第三次世界大戦と表現されていただろうが、
それこそ、世界初の核戦争が勃発し、
第二次世界大戦の荒廃など比較にならないほどの
それこそ人類滅亡と表現されるような取り返しのつかない
多大な犠牲を払う戦争が起きていただろう。
だからこそ、世界中で武力行使をいとわないアメリカですら、
東アジアにおいては、示威行動が精いっぱいで、
実質的な武力行使は避けてきたのだ。
日本が戦後平和だったのは、
平和憲法のためでも運が良かったからでもない。
米ソですら戦争を起こせないほどに
世界で一番危険な地帯だったからである。
日本人は、この認識を忘れてはならない。
いや、本能的には日本人はこれを悟っているのだろうが、
認識として確立する事に不器用な人が多い
…と言う方が正確だろうか。
日本人は、古来より「和の精神」というイデオロギーを持っており、
現在に至ってもなお、この国民性を有しているからだ。
日本人は、世界の誰よりも平和を希求する民族である。
その証拠が、現存する国家の中では、
世界最古の国家を建国したという事実だ。
平和を望むからこそ、無用な争いを避け、
世界のどの民族よりも長い国家を作る事が出来たのだ。
これを世界を舞台に実現出来れば、
世界的な平和の確立も可能であると俺は考えている。
では、具体的には、どうすれば世界平和が実現できるのか。
実は、日本の歴史がその答えを出している。
説明するのは、それくらいに簡単な事なのだ。
それは、明治維新でやった事を世界規模で実現すればいいのである。
日本が明治維新でやった事とは何か。
幕藩体制を廃止して、明治新政府を築いたという事だが、
江戸時代までは、国だけでなく、
藩と呼ばれた地方組織まで軍事力を有していたが、
これを国に統一して地方の軍事力を廃止したのが、
明治維新でやった事である。
そして、幕府に代わる新しい政府を築いた。
もちろん明治維新でやった事はそれだけではないが、
ここで言いたいのは、それを世界規模で実現すればいいと言う事だ。
ちなみに…
これは余談だが、今俺は、幕藩体制とか、
地方組織を差して藩という呼び方をさりげなく使っているが、
これは、説明便宜上のものであって、
実は、江戸時代には「藩」なんてものが存在しなかったというのは
皆さんはご存じだろうか?
歴史に詳しい人ならば常識の話だが、
時代劇などを見ていると「〇〇藩」などと言った表現が出てきたり、
そういう表札が、屋敷の門などに大きく掲げられているので、
そういう勘違いをしても仕方ないのだが、
藩という名称が誕生したのは、実は明治時代の事で、
江戸時代には、藩というものは存在していなかったのである。
例えば加賀百万石で有名な加賀藩であれば、
当時の言い方をすれば「加賀前田家」などと呼ばれていただけで、
「加賀藩」などという表現はしていなかった。
これらは全て後世の創作なのである。
さらにちなみにだが、幕府も江戸時代に初めて生まれたもので、
鎌倉幕府や室町幕府なんてものは存在していなかったのだ。
武家政権を総称して幕府と呼ぶようになった後世の人により、
説明便宜上に名付けられたのが鎌倉幕府や室町幕府と言った名称で、
本当に幕府と呼ばれていたのは江戸幕府だけで、
1192(いいくに)作ろう鎌倉幕府なんてものは存在しなかった。
全ては説明便宜上の用語に過ぎないのである。
歴史の真実を知るためには、
こうした事実も知っておいた方が良いだろう。
話を戻そう。
俺は、国連を中心とする世界秩序を幕藩体制のようなものと表現した。
国連が幕府でアメリカが将軍家で、
常任理事国が老中で、世界各国が藩のようなもの。
この体制を廃止し、地球規模で政治を統括する
世界国家あるいは世界政府を樹立して、
軍事権は、この世界政府に統括し、
現在世界各国に認められている軍事権は廃止する。
これをやればいいのだ。
やり方はいろいろあるが、
何も戊辰戦争などの過程まで真似する必要はない。
その時の世界情勢を見つつ、これを実現すればいい。
平和的に政治主導で行えれば、それに越した事は無い。
とは言え、ここまで提案しておいて、
具体的な提案もないでは、
対案無き反論をするような万年野党の政党や
それこそ幻想ばかり唱えて現実を無視するような
似非平和主義者と同じになってしまう。
なので、次に俺が考えている具体的な提案をする事としよう。