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今日から俺が総理大臣  作者: やいたもん
第五章 国防論
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海軍型国防軍の創設 ~専守防衛を貫くからこそ重要なシーレーンの防衛~

俺は、日本の軍事に関して、

以前から思っていたことがある。


「日本には、強力な海軍が一軍あれば良い」


それは、陸軍も空軍もいらないと言う事か?

そう聞く人のほとんどは、おそらく、

軍隊と言うものを全く理解していないと思う。

俺の主張が、歩兵や戦車、

戦闘機をいらないと言っているのと

同義のように聞こえたと思う。

しかし、そんな事は言ってない。


陸上戦力も航空戦力も、

日本の防衛には必要である。

ただそれは、強力な海軍のようにあるべきだと、

俺は言っている。

これを理解するためには、

軍隊と言うものを理解しなければならない。



まず、陸軍と言うのは陸の軍隊である。

当たり前の話だが、だからと言って、

歩兵や戦車だけが戦力なわけではない。

ヘリコプターを始めとする航空戦力も備えている。

例えば、日本の陸上自衛隊には、

ヘリコプター(回転翼機)を始めとして、

固定翼機も含めて約500機の航空機を保有している。


さらに戦前の日本陸軍には、

(はやぶさ)などの戦闘機もあった。

戦前には、独立した空軍を持つ国は少なく、

航空戦力は、陸軍と海軍の両方に存在した。


その内、陸軍航空隊が独立して誕生したのが空軍だ。


陸軍の本分は本土防衛である。

その本土の上空を守る航空戦力が陸軍航空隊であった。

空軍は、本土上空で敵戦闘機の侵攻を防ぐ事が主務であり、

だからこそ概念的には主務を共通とする

陸軍航空隊が空軍として独立したのである。


そして空軍にも、陸上戦力が存在する。

例えば日本の航空自衛隊で言えば、

地対空ミサイルとして有名なパトリオット部隊は、

航空自衛隊の所属である。

だから、陸軍だから陸だけ、

空軍だから空だけと言う事はないのだ。




海軍には、陸海空の全ての戦力が整っている。

海上の艦隊は説明するまでもないが、

例えば空母に搭載されている艦載機などは、

海軍の航空戦力である。

戦前の日本の名機として知られるゼロ戦も、

海軍の戦闘機だ。

現在の日本でも、所属こそ航空自衛隊となっているが、

例えば、F-2戦闘機は、海軍型の戦闘機であり、

F-4戦闘機は、海軍の戦闘機として誕生したものである。

そして、海軍の陸上戦力が、

海兵隊であり、戦前の日本で言えば陸戦隊である。


海兵隊と言えばアメリカの海兵隊が有名であり、

アメリカの四軍のひとつとして数えられている。

アメリカ海兵隊は、独立した軍隊のひとつとして扱われ、

F/A-18やA-10、AV8(ハリアー)などの戦闘機を持ち、

陸上戦力だけでなく、

一国の空軍並みの航空戦力も備えている。

しかし、もともとは海軍に属する陸上部隊であり、

そのため、海兵隊の最高階級は大将(海軍は元帥)であるし、

監督官庁も、海軍と同じアメリカの海軍省である。

アメリカには、陸軍省、海軍省、空軍省があり、

これを統括する官庁として国防総省がある。


日本は、全ての国境が海上にある海洋国家だ。

仮に外国が日本を侵略する場合、

船や飛行機を使って海を越えてこなければ、

日本を攻撃したり、占領したりする事は出来ない。

つまり、どんなに陸上に強力な戦力を揃えても、

海で侵略を防げなければ、日本は守れないのである。


そして、日本は、その国防理念として、

専守防衛をかかげている。

専守防衛と言うのは、日本をひとつの城に例えるならば、

籠城戦を徹底して、

決して城から打って出る事はしないというものだ。

しかし、古来より籠城戦には、糧道の確保が必須となる。

籠城する人間の食糧や生活物資、エネルギーの確保が無ければ、

籠城戦は不可能である。

それが尽きた瞬間に国は滅亡する。


全ての国境が海上にある日本にとっての糧道とは、

シーレーンである。これを確保して守るのが海軍の役目だ。

だからこそ、専守防衛を貫くためにも、

海軍の役割は重要となっている。


陸上においては本土の防衛と奪われた島々の奪還、

海上においては海防とシーレーンの確保、

空においては空と海での要撃、

これが日本に求められる防衛戦力の在り方であり、

これを総合すると、

海軍型の国防軍の創設という答えに行きつくわけである。



自衛隊は、明確な軍隊である。

憲法上の制約があるからという理由で、

それが曖昧となっているが、

これは当然改めるべきで、国防軍は必要なのだから、

名称は国防軍でも自衛軍でも何でもよいが、

この立場は明確にしておくべきである。


そして、その性質については、

陸海空全てにおいて、海軍的な要素を持つ、

海軍型の国防軍の創設を目指すべきである。


具体的には、次のようにする。




①陸海空軍の三軍体制から国防軍の一軍体制へ


現在、日本の自衛隊は陸上、海上、航空の三軍体制になっている。

これは世界の軍隊でも基本的に同じだが、

これを改めて、国防軍の一軍体制とする。

そして陸上戦力を陸戦隊(陸戦総隊)、

海上戦力を艦隊(基幹艦隊)、

航空戦力を航空隊(航空総隊)とする。


国防軍

L陸戦総隊(旧陸上自衛隊)

L基幹艦隊(旧海上自衛隊)

L航空総隊(旧航空自衛隊)



②海上自衛隊と航空自衛隊の組織の統合


海上自衛隊の航空集団を航空自衛隊の航空総隊に統合して、

国防軍航空総隊を編成し、

海上自衛隊の教育航空集団と航空自衛隊の航空教育集団を統合して、

国防軍航空教育集団を編成する。

さらに海上自衛隊の掃海隊群や補給艦、輸送艦、

情報、海洋、開発等の各業務隊(群)、

練習艦隊を統合して支援艦隊を編成、

航空自衛隊の航空支援集団などを再編成して、

支援航空隊を編成して、これを統合して支援総隊とする。

海上自衛隊の地方隊については、

鎮守府と改称して、そのまま国防軍の直属の組織とする。


国防軍

L陸戦総隊

L基幹艦隊

L航空総隊

L鎮守府

L支援総隊

 L支援艦隊

 L支援航空隊



③陸上自衛隊


陸上自衛隊については、

組織はほぼそのままで陸戦総隊に移行する。









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