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今日から俺が総理大臣  作者: やいたもん
第三章 太閤と行政改革
26/47

行政に関する新憲法草案

日本は、戦後、一度も憲法が改正されていない

世界的に見れば、実に不思議な国である。

まるで憲法を神様に与えられた聖典のように勘違いし、

それを信奉してきたのだから、

ある意味、日本国憲法を国教とする

宗教国家であったと言ってもいい。

もちろん皮肉だ。


例えば、日本と同じ

枢軸国であったドイツとイタリアは、

戦後、イタリアは

1947年から2000年までに10回、

ドイツに至っては、

1949年から2000年までの間に、

48回も改正を行っている。


だが、これはドイツやイタリアが異常なのではない。

憲法は法律だ。

時代の変化に応じて変えるのは当たり前である。

半世紀以上も憲法が改正されなかった

日本の方が異常なのである。


日本の改革は、

全て憲法の改正から始まるのだ。



それでは、この章の最後に、

豊城内閣の行政に関する新憲法草案を発表する。



行政に関する新憲法草案

(条項数は説明便宜上のもの)


第一章 太閤


第1条・太閤


①太閤は、国紀天智天皇10年(西暦671年)正月、天智天皇が大友皇子を太政大臣に任命した事により始まる由緒ある官職なのであって、この憲法が定める手続きにより太閤に就任した者は、この歴史と伝統並びに権威を汚さず、さらに誉れ高きものにするように、この勤めを全うする責務を負う。


②太閤は、首権者による直接公選に基づき、天皇が任命する。


③太閤の任期は1期4年とし、定年は定めない。但し、太閤が死亡又は健康上の理由、若しくは、免職その他の事由により、辞職に至った時は、任期は満了前に終了する。


④太閤は、文民の首権者でなければならない。



第2条・太閤選挙


①太閤は、法律の定めるところにより、首権者による直接公選により指名される。


②太閤選挙は、原則的に4年に一度実施され、任期満了前に太閤が辞職した時は、その都度行われる。


③太閤選挙に立候補する者は、副太閤である内大臣候補も指名し、共に選挙を受けなければならない。


④太閤並びに内大臣は、この憲法に特別の定めがある場合を除いて、他の職務を兼務する事は出来ない。又、太閤選挙に立候補する太閤候補並びに内大臣候補者は、すでに任意の現職を辞していなければならない。


⑤現に逮捕を受け、拘留されている者であっても、裁判で有罪が確定していない限りは、太閤選挙に太閤又は内大臣候補として立候補する事が出来る。



第3条・太閤権限の代行


①太閤が、社会通念上やむを得ない事由により、一定期間職務を遂行出来ない時は、太閤が復帰するまでの期間、内大臣が太閤権限を代行する。


②太閤が、罷免となった場合、若しくは、死亡した時は、次期太閤が決定するまでの期間、内大臣が太閤権限を代行する。又、太閤が辞職し、次期太閤が決定するまで、太閤が職務を全う出来ない状態にある時も、同様とする。


③太閤は、法律の定めるところにより、自らが任命した国務大臣を対象として、太閤権限の代行権の継承者とその順位を予め定めておかなければならず、内大臣が太閤権限を代行出来ない時、若しくは、代行する資格がないと判断される時は、この継承順位に基づき、太閤権限を代行する。



第4条・不逮捕特権


太閤並びに内大臣は、その在任中、逮捕されず訴追されない。但し、この定めのために、訴追の権利は害されない。




第二章 行政


第5条・行政権


①行政権は、太閤に属する。


②太閤は、法律の定めるところにより、必要な行政官憲を設置する。



第6条・国務大臣


①太閤は、法律の定めるところにより、国務大臣を任免する。


②太閤は、国務大臣を閣僚とする諮問機関として内閣を組織する。


③国務大臣は、必ず、文民の首権者でなければならない。


④現に逮捕を受け、拘留されている者であっても、裁判で有罪が確定していない限りは、太閤は、その者を国務大臣に任命する事が出来る。又、国務大臣の逮捕を拒否し、若しくは、すでに逮捕を受けている国務大臣については、これを釈放させる事が出来る。但し、有罪が確定した国務大臣については、直ちに罷免しなければならない。



第7条・人事権


①国の行政官憲、及び、公団又は公社、若しくは、特殊法人その他の国費を資本とする団体の人事は、

全て太閤の承認を必要とする。但し、太閤は、法律の定めるところにより、人事権を各官憲又は団体の長に委任する事が出来る。


②前項に基づき、法律の定めるところにより、委任された人事権が行使された後でも、太閤は、委任された人事権の行使について、これを事後に覆す事が出来る。



第8条・官位


①太閤は、行政官憲における権力の上下、及び、これに比例する行政の責任の所在を明確にする事を目的として、法律の定めるところにより、官位を定める。


②官位は、一位を最高とし、その下限は法律でこれを定める。又、正を上位、従を下位とし、さらに正従各位を上下に分け、一位を除き、各位は正従上下の四階に分ける。


③太閤を正一位、内大臣を従一位とし、天皇がこれを叙任する。


④国務大臣は、法律の定めるところにより、二位から三位の間で太閤が官位を与える。


⑤その他の国家公務員は、法律の定めるところにより、四位以下で太閤が官位を与える。但し、各行政官憲の官位については、法律の定めるところにより、その叙任を各国務大臣に委任する事が出来る。


⑥太閤は、一定期間、若しくは、一定の権限又は機関のみに有効な特別の官位を、法律の定めるところにより、任意の公務員に付する事が出来る。



第9条・国の基準


①太閤は、内閣の助言に基づき、全ての国の基準を決定する。但し、法律の定めるところにより、国の基準を決定する権限を任意の国務大臣に委任する事が出来る。


②太閤は、全ての国の行政権の行使に関する基準について、各行政官憲ごとに差異がある時は、直ちにこれを是正して、基準をひとつに統一しなければならない。



第10条・国の公文書の保存


①行政府における全ての公文書は、原則的に可能な限り保存し、これを破棄してはならない。但し、重要度が低い文書については、法律の定めるところにより、太閤の承認を前提として、これを破棄する事が出来る。


②太閤は、同条第1項の破棄の承認の権限を、法律の定めるところにより、委任する事が出来る。


③重要度が高い公文書は、これを破棄する事が出来ない。


④破棄される公文書は、法律の定めるところにより、個人のプライバシーに関わる部分を除き、破棄される前に一定期間、これを公開しなければならない。この期間は、最低でも一か月以上とする。又、公開出来ない公文書は、これを重要な公文書として、破棄する事が出来ない。


⑤その個人のプライバシー権を持つ者が、破棄される文書の公開を求めた時は、非公開のプライバシーに関する事柄を公開した文書を、その当人に公開しなければならない。


⑥公文書の保存の義務は、内容の保存の義務であって、記録媒体については、必要に応じて変更する事が出来る。



第11条・外交権


①国の外交権は、太閤に属する。太閤は、国民並びに国の尊厳と利益を損なわないよう、正当且つ誠実に外交を果たす責務を負う。


②太閤は、全ての国々との友好関係の樹立並びに維持に、可能な限り尽力する責務を負う。


③鎖国政策は、これを認めない。


④太閤は、外交の状況について、法律の定めるところにより、この憲法に特別の定めがある場合を除いて、定期に主理院に報告する責務を負う。


⑤国交の樹立又は断絶は、主理院の承認を必要とする。又、主理院は、必要であれば、大権投票(国民投票)にかけ、この決定を首権者に委ねる事が出来る。


⑥太閤は、法律の定めるところにより、大使館、公使館、領事館その他の海外公館の設置、及び、大使、公使、領事その他の外交使節の任免を行う。


⑦天皇並びにその他の皇族は、太閤の助言並びに承認に基づき、国賓の歓迎、及び、親善交流を目的とした海外訪問、及び、外国大使並びに公使の接受、及び、我が国の大使並びに公使の信任状の認証、及び、法律の定めるところによるその他の外交上必要な行為を行う。



第12条・国家財政


①太閤は、毎会計年度の予算案を作成し、これを主理院に提出して承認を得なければならない。又、予見し難い予算の不足がある場合は、太閤は、予備費を支出して、これを補う事が出来る。但し、全ての予備費の支出について、太閤は、事後に主理院の承認を得なければならない。


②太閤は、国の財政状況について、法律の定めるところにより、定期にこれを主理院に説明する責務を負う。


③太閤は、国の収入並びに支出に関する決算を検査する独立機関としての会計検査院を設置し、決算、及び、会計検査院が行った決算の検査報告について、共に主理院に提出しなければならない。又、この会計検査院の組織並びに権限に関する事柄を定める法律の立法には、主理院の承認を必要とする。


④太閤は、法律の定めるところにより、予算に用途内訳の公開義務が付されない機密費を設ける事が出来る。但し、機密費の濫用は、これを認めない。


⑤国の徴税権は太閤に属し、法律の定めるところにより、これを行使する。又、この立法には、主理院の承認を必要とする。


⑥太閤は、予算の不足分を補うために、法律の定めるところにより、国債その他の公債を発行する事が出来る。但し、法律には予め、年度事に発行できる公債の上限、及び、総額の上限を定めて国民に公表し、この憲法に特別な定めがある場合を除いては、この上限を超えて発行する事は出来ない。又、現に公債を発行する時は、主理院の承認を必要とする。



第13条・国定自治体(※1)に対する太閤権限


①太閤は、主理院、及び、当該国定自治体の承認を前提として、法律の定めるところにより、有期又は無期に、特定の国定自治体に対して特権を付与し、若しくは、特定の地域に任意の特区を設置する事が出来る。


②任意の国定自治体の財政が事実上破綻又はその危機にある場合、若しくは、法律が定める責務を国定自治体が果たしていない場合は、主理院の承認を前提として、太閤は、当該国定自治体の自治権の制限又は停止を決定する事が出来る。


※1…国が定める自治体の事。



なお、詳細は後述の予定だが、

国会は、主理院と国務議会に分けられ、

立法作業においては、

国務議会での可決と太閤の署名で成立する法律と、

主理院の承認も必要とする法律に分けられる。

特に重要な法律については、

憲法に定めて主理院の承認も必要としている。


太閤と行政に関しては以上である。





第三章 太閤と行政改革 終












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