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今日から俺が総理大臣  作者: やいたもん
第三章 太閤と行政改革
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公文書を勝手に破棄するなボケ!!!

俺は、総理大臣になって、

今まで気になっていた事の全てを検証するために、

あらゆる公文書を各省庁に求めてきた。

日本は、情報公開に関しては、

確かに後進国だ。

公開のスピードが遅ければ、

公開される情報も少ない。

けれども、総理大臣になった今なら、

国家機密とされる事柄でも知る事が出来るはず。

あの政治事件の真相はどうだったか。

あの外交交渉の真相はどうだったのか。

俺の知的好奇心がくすぐられてたまらない。


けれども、俺の認識は甘かった。

俺が知りたい事が書かれていた公文書は、

次々と破棄されていたのだ。

日本では「公文書等の管理に関する法律」で、

それぞれの行政機関の長が、

その機関の公文書の管理期間を定めて、

その期間が過ぎたら、

公文書を破棄しても良い事が定められている。



公文書等の管理に関する法律

第5条 整理

①行政機関の職員が行政文書を作成し、又は取得したときは、当該行政機関の長は、政令で定めるところにより、当該行政文書について分類し、名称を付するとともに、保存期間及び保存期間の満了する日を設定しなければならない。


第8条 移管又は廃棄

①行政機関の長は、保存期間が満了した行政文書ファイル等について、(中略)、国立公文書館等に移管し、又は廃棄しなければならない。



破棄しても良いというか、

破棄しろと命令する法律になっている。

行政機関に限らず、どこの会社や団体でも、

確かに記録文書などは、

一年もすれば本当に山積みになる。

これを永遠に管理していく事は難しいし、

不可能だという事は理解できる。


だけど、この法律は、

副作用的に、知られたくない都合の悪い事を

社会から抹消する手段として、

利用されてしまう恐れがある事も事実である。

臭いものにフタ法とも言える法律だ。

実際、俺が調べようとしたことは、

社会的に公開されれば、

歴代の総理大臣や国務大臣の何人かは、

社会的な追及を免れず、あるいは、

刑事事件として逮捕される事もあるかも知れない、

そんな事ばかりだ。


けれども公文書は、原則的には

永久保存されるべきである。

公文書と言ってもピンからキリまであるが、

少なくとも内閣の決定事項や

外交交渉に関する公文書等、

国家的に重要な内容の公文書であれば尚更だ。


そこで俺は、次の指針を基にした

公文書保存に関する法律の改定を

豊城内閣として行おうと考えている。



①国の公文書は原則的に恒久的に保存する


特に重要な内容の公文書は、

保存期間など定めず、半永久的に保存して、

絶対に破棄してはならない。

但し、記録媒体については、

文書と言う形にはこだわらない。

重要なのは、その内容だ。

ここでいう文書とは、文書そのものではなく、

その内容を差す。

電磁的記録(電子式、磁気式などによる記録)で保存すれば、

膨大な量の文書を管理できるはずである。



②国の公文書を破棄する場合は、全て太閤の許可を必要とする。


太閤の許可が無ければ破棄出来ないものとする。

保存に限界があり、あるいは、

比較的重要性が低い文書で、やむを得ず破棄する場合は、

太閤の許可を必要とする。

ただ、太閤1人で全てを処理するのは難しいので、

太閤の責任で発した命令により、

公文書破棄の許可権限を

国務大臣などに委任できるようにする。



③公文書を破棄する時は、その前に、一定期間、その文書の内容を全て公開しなければならないものとする。


国家機密に該当するような文書は、

当然、重要な公文書に該当するものなので、

それを破棄する事は許されない。

外交上の信義上、公開出来ない文書についても同じだ。

それは重要な公文書である。

破棄出来るのは、そうした内容に当たらない文書だ。

しかも、破棄する際は、

それを公開しなければならないものとする。

これは、臭いものにフタという事を許さないためだ。

但し、個人のプライバシーに関わる部分については、

その部分に限定して公開しなくて良いものとする。

しかし、個人のプライバシーであっても、

公人の公的な活動に関する事柄、

例えば、大臣や国会議員などの金銭の授受などについては、

大臣や国会議員に金銭を譲渡した団体や個人の名称も含めて、

公の事として、これを公開しなければならないものとする。

公に公開出来ないような文書は、

重要な文書であるから、破棄は認めない。



④破棄する公文書のうち、プライバシーに関する内容がある文書については、そのプライバシーを持つ個人に対して、そのプライバシーを伏せない公文書のコピーを渡さなければならない。


先の続きだが、公文書に

個人のプライバシーが書かれている場合、

公に公開する時にはその部分は伏せられるが、

そのプライバシーを持つ本人に対して、

プライバシーの部分を伏せない

その文書のコピーを渡さなければならないものとする。

それを公開するかどうかは、

その個人の自由となるわけだ。

何度も言うが、公開出来ないような文書は

破棄してはならないものとする。

プライバシーが複数に及ぶ場合は、

プライバシーを持つ本人以外の

プライバシーに関する情報は伏せて、

その複数の個人全てに文書が渡されるものとする。



俺は、これらの指針に沿って、

公文書の管理の体制を改めようと考えている。









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