現在も残る太閤の制度
次は、首相公選制の導入だ。
俺は、議院内閣制の首相としては、
最後の総理大臣になろうと思っている。
最初の首相公選制の首相は…
どうか解らない。
ただ、現行制度のまま、
つまり議院内閣制の体制のまま
首相公選制を導入しても意味がない。
周辺制度の改革も、
並行して実施する必要がある。
俺は、議院内閣制だけでなく、
内閣が主体の行政体制も改めようと考えている。
作業はかなり大がかりだ。
それに首相を直接公選するならば、
総理大臣に代わる新しい称号を与えるべきだ。
議会で選ばれていた首相の称号である
総理大臣とは一線を画して、
国民が選んだ首相としての新しい称号が、
俺は必要だと考えている。
そこで俺は考えた。
新しい首相の称号として相応しいものを。
それが「太閤」である。
多くの日本人は、太閤というと
豊臣秀吉の事を思い出す。
そして、豊臣秀吉が関白を辞して太閤を名乗ったために、
関白をやめた人が名乗る称号が
太閤であるとの認識が定着している。
そして歴史的な称号・制度であり、
過去のものと思っている人も多いだろう。
しかし太閤は、現代の日本においても、
残っている制度である事は知っているだろうか?
太閤と言うのは、本来、
摂政又は太政大臣の敬称であり、
この内、摂政の制度は、
現行憲法にも明示されて残っている。
日本国憲法 第5条
皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。(以下省略)
皇室典範 第16条
①天皇が成年に達しないときは、摂政を置く。
②天皇が、精神若しくは身体の重患又は重大な事故により、国事に関する行為を自らすることができないときは、皇室会議の議により、摂政を置く。
摂政の制度は、現行でも残っており、
太閤は、摂政の敬称なのだから、
つまりは、太閤の制度が
現在も残っているというわけである。
さて、少し余談になるが、
摂政になれるのは皇族だけだが、
皇位のように
皇統皇族に限定されるわけではないという
意外な事実を皆さんはご存じだろうか?
皇室典範 第17条
摂政は、左の順序により、成年に達した皇族が、これに就任する。
1.皇太子又は皇太孫
2.親王及び王
3.皇后
4.皇太后
5.太皇太后
6.内親王及び女王
ちなみに、皇太后とは、
一代前の天皇の皇后だった人の事で、
太皇太后とは、
二代前より以前の天皇の皇后の称号である。
皇位継承とは異なり、
摂政は、皇統皇族とは限られない
皇后や皇太后、太皇太后や、
内親王や女王などの女性皇族にまで、
その就任の権利があるわけである。
だったら…
話しは少し戻ってしまうが、
天皇の代理である摂政に女性皇族がなれるなら、
天皇に女性皇族が即位しても、
やはり問題はないのではないだろうか。
話を戻そう。
歴史、伝統、威厳などの諸々を考慮して、
その意義を変化させて、
国民に直接公選された首相の新しい称号として、
太閤は、最も相応しいと考えるのだ。
ゼロから新しいものを作っても良かったが、
軽薄なものになるよりこれが良い。
それでは、具体的な太閤制の説明を進める事にしよう。