天皇に関する憲法改正案
俺が総理大臣になって一か月。
別にこればっかりやっていたわけではないが、
俺が天皇制に関する改革に触れた途端、
一気にマスコミや政界が大騒ぎになった。
財政改革とか政治改革と言うと、
税金を安くするとか消費税導入とか、
あるいは政治主導なんて、
決まり文句程度の語句が並ぶだけで、
国会もマスコミも適当な議論で終わるくせに、
天皇や軍事の事に触れると、政界やマスコミ、
国民までが大騒ぎするのはなぜだろうか。
どうやら、天皇、軍事、憲法改正は、
タブーも絡んだ日本の三大爆弾らしい。
他の事も、これくらいに関心を持ってくれるといいんだけど…
そして、この三つの事で、肯定する発言をすると、
日本では、すぐに右翼に認定される傾向がある。
本当に馬鹿らしい話だ。
俺は、左右の両翼がある自由な鳥だ!!!
…とか、適当な事叫んでいいっすか?
ちなみに、否定したら左翼になるらしい。
本当に、相手にするのも馬鹿らしい話だ。
それでも俺は、そんな馬鹿でも、
相手にしなければならない。
総理大臣には「説明責任」というのがあるからな。
論破されても、それを認めないで
食いついてくる奴はメンドクサイけど、
これも日本のためだ。
ニート内閣の俺が、日本を救ってやる!!
俺は、天皇制に関する
皇室典範改正案を国会に提出した。
憲法改正も必要だが、
憲法改正は、全ての草案が出来上がってから
提出する予定だ。
それくらいにメンドクサイ。
ただ、女帝容認などの皇室典範改正は、
憲法改正をしなくても実現可能なので、
こちらは早めに提出した。
もちろん、閣法だ。
閣法とは、内閣として提出した法律案だ。
ちなみに法律案の国会への提出権限は、
内閣と国会議員にある。
内閣の場合は、閣議決定された法律案が提出される。
天皇制に関する改正案には、
反対を口にする閣僚もいたが、
閣議決定は意外とすんなり言った。
女神が微笑んでたから、その力だろう。
法律案の提出に関しては、
議員立法という方法もあるが、
この議員立法も問題が多い。
まず、議員個人に
法案提出権が認められていないのが問題だ。
複数の議員の同意が無ければ、
日本の場合、法律案を提出する事が出来ない。
(衆議院20名、参議院10名)
これも法律案の提出権限について、
日本国憲法に定めがないためで、
この点も日本国憲法の欠陥のひとつだが、
俺は、もっと国会議員個人の権限は高めるべきと考えているから、
これは必ず俺は改正してやろうと思っている。
さて、最後に、俺が考えた天皇に関する
憲法改正案について、国会に提出する前に、
国民の皆様に披露しておこう。
補足的な説明も加えておく。
これで天皇論は終わりである。
天皇に関する憲法改正案
(条項数は説明便宜上のもの)
第1条 天皇
①我が国は、始馭天下之天皇たる神武天皇により建国されて以来、滅びる事なく現在に至り存立する国であり、その証こそ、神武天皇より絶える事なく続く皇統、及び、その皇統により絶える事なく継承されてきた我が国の元首たる皇位なのであり、同時に、この皇統並びに皇位は、我が国が如何なる大災害に見舞われようと、如何なる大改革に迫られようと、我が国の大御宝(日本国民の美称)たる歴代の日本国民が、大災難の度に国を守り抜き、国家のために必要な改革を国を滅ぼさずに理知的に成し遂げてきた証なのであって、その祖先の不断の尽力があったからこそ、現在の我々があるのであり、その子孫であり、この国の継承者である我々には、この国を守り、発展させ、さらなる子孫たちへと託す、遥か昔に至るまでの祖先、及び、定める事のできない未来に至るまでの全ての子孫に対する責務があり、その責務を果たす者の証として、現在の日本国民たる我々は、この憲法において、天皇を日本の元首として定める。
②皇位は、皇室典範の定めるところにより、皇統皇族の世襲によって、これを継承する。
③践祚(皇位に就く事)並びに即位(広義的に皇位に就く事。狭義的には皇位についた事を広く宣布する事)、及び、退位並びに譲位、及び、重祚、及び、立太子(皇太子を立てる事)並びに廃太子(皇太子を廃する事)その他の皇位継承に関する行為は、皇室典範の定めるところにより、これを行う。
第2条 天皇の無権能
天皇並びに皇族は、内覧(※1)たる太閤(※2)の助言並びに承認に従い、この憲法並びに皇室典範の定めるところによる国事行為その他の公務のみを行い、国政に関する権能はこれを有さない。又、国事行為に関する一切の責任は、内覧たる太閤が負う。
※1 摂政、関白に並ぶ官職。
※2 直接公選された総理大臣の新しい名称。あとで詳述。
第3条 皇室財産
天皇並びに皇族その他の皇室財産について、この管理権は国が有し、太閤が責任を以て行使する。又、太閤は、皇室関連予算の作成、及び、皇室財産の扱いに関する審査並びに承認を行い、皇室財産並びに関連予算に関する立法、及び、年度毎の皇室関連予算の執行については、主理院(※3)の承認を必要とする。
※3 俺の内閣の参議院の改革後の名称。あとで詳述。
第4条 摂政
摂政の任命、及び、天皇の国事行為の委任、及び、称制(※4)の実施その他の国事に空白を置かないために必要な事柄については、皇室典範の定めるところにより、これを行う。
※4 皇位が空位の時に代理の皇族が国事行為を行う事。
第5条 文王
①我が国の元首制は、如何なる権力でもなく、日本の個性にして、日本の国家国民の精神を具現化した日本文化の象徴たる天皇を元首とする文化元首制であり、文化元首制は、如何なる権力でもなく、その国家国民の精神によって国を統べ、律するための制度なのであって、この精神による国家自律を盤石とする事を目的として、一様ではない我が国の多様な文化を象徴する元首として、皇室典範の定めるところにより、各々の地域に文王を立てる。
②文王位は、皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
以上。
第二章 天皇論 終