不思議な体験
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楽しんでいただけると幸いです。
暁妃が目覚めたとき、船の上にいた。起き上がり周りを見ると見たこともないほどの広い水の上にいた。たぶん本で読んだ例の海か湖と言うところだろうと見当をつけ前を見た。1人の老人が船に乗っていた。
「起きたかな?」
「ここはどこかえ?」
老人は暁妃と同じように白い髪をして、皺だらけの顔をニコリと微笑ませて暁妃に言った。
「死の水の上ですぞ。水に触れれば死ぬのでご注意を。ーーああでもあなたは死なないかな?」
「ではそなたは死ぬのかえ?ではなぜ船に乗っておる?危険じゃろう?」
「...私は大丈夫なんですよ」
老人はそう言い、水を漕いでは先に進めた。暁妃は水が気になった。試しに手を入れてみるとやはり老人の言うとうり暁妃は死ななかった。しばらく水の感触を楽しみ、老人に尋ねた。
「妾は毒を食べたから死んだはずじゃが?」
「いいえ、生きております。もう少しで目覚めます。その時はご注意を」
「なにを?」
老人は言った。
「あなたはもうすぐ殺されますよ。予定通りに。なにか誰かに伝えたいことはありますか?伝えておきましょう」
「特にはいない」
それに自分で言う、と暁妃は言い、船の上に立った。水面をみると波打っている。死の海にしてはわりあい綺麗じゃのと暁妃は呟いた。
「ではの、ご老人。世話になった」
「いいえ」
そうして暁妃は老人に手を振ってザンブと水の中に飛び込んだ。水の中は意外と暗い。そう思っていると下から光が見えた。途中草を見つけたが、まあどうでもいいかと放って光の方に吸い込まれて行った。どうしてここまで水がたまることになったのか考えながら。
「ーーーーぷはっ」
水が無くなったと思い息を吐くと周りに癒し手と阿弓と彩也子、翠に帝釈天と毘沙門天がいた。どうやら毒は抜けたらしい。身体を見ると特に濡れてはいなかった。
そういえば老人の名を聞き忘れたと考えていると阿弓が恐る恐る話しかけてきた。
「ーーあの、暁妃様、ご加減は?」
「ああ、特に問題はない。どうした?」
「あの、その」
阿弓が驚いて言葉に出せないでいると、彩也子がすかさず手鏡を持ってきて暁妃に自分の姿を見せた。暁妃は「おや」と自分の髪に触れた。
暁妃の髪はつやつやと輝く美しい黒髪になっていた。
読んでいただきありがとうございます。
続きは明日8時に更新します。




