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心の雨音

作者: イプシロン

雨の音は、

静かに響く鼓動のよう。

胸の奥で、

ひとつひとつが響いては

時を刻むよう。


足元に落ちる水音が、

心の奥に届き、

そのリズムに合わせて、

ひときわ大きく、

深く響く。


風が運ぶその音は、

はるか遠くから吹きつけて

ひと息つくそのたびに、

静かな痛みを伴うよ。


心臓の鼓動が、

雨の音と重なって、

一緒に息を吸い、

そっと吐き出す。

それは、まるで

何も言わずにすべてを語るよ。


でも、雨はいつか止む、

心臓の鼓動もいつか止まる。

その時、

ここに残るのは

あなたから贈られた言葉だけ。

優しさと、切なさに満ちた詩歌だけ。


彼女は静かに微笑んで、

天国で息子の元へと歩み寄る。

雨の音が消えたその場所で、

胸の鼓動も静かに眠り、

二人は再び巡りあう。


空の向こうで降る雨は、

優しく降る愛の雨、

今、静かに二人を包み込む。


もはや、

雨は降り止まず、

鼓動の音も、

繰り返すだけ。

誰にも聞こえない

雨という名の鼓動を。

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