20「対戦、?」
「...つまりなんだ、?燐をチームメイトにしたくて寝込みを襲った結果、途中で起きちゃってああなっていたと?」
俺が呆れながらそう言うと、燐は静かに頷き、黒服とドリルは分かればよろしいと言わんばかりに深く頷いていた。
「...その説明だと岩沼さんが上裸の説明にならないと思うんですが」
静かに圧を飛ばし、説明が足りないと鈴谷さんは黒服とドリルをみる。
今現在俺たちは医務室で鈴谷さんに説教を受けた後、これ悪いのこいつらじゃね?となり鈴谷さんと俺で3人を問いつめるという形になっていた。
「そそそそそそれは!!ほら!チームのリーダとして!汗とか吹いてあげようかなーと思ったんですわよ!けけけけけけしてあわゆくばとか考えてませんの!!!」
おいドリル何取り乱してんだ...
呆れた目で見るとすすすと黒服が近ずき、耳打ちで説明をしてきた。
「...お嬢様は岩沼様にゾッコンラブでございますゆえ、」
「...いや、そりゃ見りゃ分かりますが...」
あんなわかりやすいくらい取り乱されたら気づくなという方が難しい話である。
これ流石に燐も気づいてるだろと思い燐に視線を向けると、それはそれは気まずそうに目を逸らしていた。
「ご察しの通り、岩沼様も好意には気づいております...何度も断ってはいるのですがお嬢様もなかなか強情で」
「うわぁ...」
「ちょっと!余計なこと吹き込まないでくれないかしら澄!」
「御意」
俺が露骨に顔に出したからか、何か言われてることに気づきすぐさま耳打ちをやめろと言うドリル。
黒服は、それに応えものすごいスピードで俺の横からドリルの後ろまで行き、足元で跪いていた。
「...凛、この面白集団は何者だ」
「...あー、、うん、知り合「パートナーですわ!!!!」...知り「パートナーでございます」......」
理由なんてない、俺は静かに燐に近づき、微笑みながら肩を何度か叩き、同情の意志を伝える。
燐はと言うと、既に消えているハイライトプラスにどんどんと顔色が悪くなり、今にも倒れそうな感じだ。
「...取りあえず自己紹介をされてはいかがですか、?黒田さんは、お二人のこと何も知らないと思いますよ、?」
もう何が何だか分からないくらい混沌とした空間に助け舟を出したのは鈴谷さんだった。
それに対しドリルはそうでしたわねと言い、仁王立ちのまま胸を張り声を張り上げる。
「どうもはじめましてですわ!私は...私ですのよ!」
...やべぇ...殴りてぇ
何が腹立つって?これでもかと言わんばかりのドヤ顔に、黒服がどこからか取りだした花弁をドリルの周りに撒き散らしてるのがより苛立ちを助長している。
「...えと、彼女は光条 りりか...横にいるのは澄 那珂さんって言うよはじめ」
さすがに話が進まないため、燐が変わりに自己紹介を始める。
澄さんとやらは見た目の雰囲気こそ川崎さんよりの人ではあるのだが、先程の行動から明らかにぶっ飛んでるのは分かっている。
髪を後ろに結び、落ち着いてほうなのに...なんというかムダ美人だ...
光条とやらは...殴りたい。
嫌という程目につく赤髪に、両サイドにたずさえたドリル、なんだそれ、ガン〇ムかよ...
一際腹が立つのは、これでもかとばかりに張っている胸がまた無駄に育っているため主張がうるさい。
「あなた!!...私のチームに入りたそうな顔をしてもダメですわよ!」
「はじめ!止まって!!」
「頼む燐、止めないでくれ、あいつのドリルもがねぇと気がすまねぇ」
「お嬢様のドリルに触っていいのは私だけに決まってるだろうが痴れ者がああああ!!!」
「私をめぐって争いが...ふふ、なんて罪な女なのかしらぁ!」
「話が進まないよぉ..」
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あれから要点を聞き出すのにかなりの時間がかかったが、まとめると燐は入隊当時から光条の勧誘を受けており、それを何とかのらりくらり凌いできたらしい。
しかし、つい最近正式にチームを組んだのを光条が知り、いてもたってもいられず強行突破しようとした結果、さきほどの服剥ぎ取りに至るらしい。
どうやら燐の能力と自分たちの能力の相性がいいという理由でチームをくみたいらしいのだが...
「そういうことですの!あなた!話が早いわね!!」
「お前がなげぇんだよ...」
「お嬢様は鈍足アタッカー、私は結界などを使用しますので、お嬢様の攻撃範囲にとじこめることができます。そこでさらに岩沼様の足場を押し付けることが出来たらまず敵はいないかと」
まぁ、もっともな理由ではあるがこれが表向きの理由。
澄さんそのあとため息を吐き、先程から自慢げに笑っている主を見て呟く。
「まぁ、それは建前でぶっちゃけめちゃめっちゃお嬢様の私情でございます」
でしょうね...
あーだこーだそれっぽい理由をつけてはいるが、結局の所こいつは燐といたいだけなんだろう。
「...気持ちは嬉しいんだけど、光条さ「りりかって呼んでくださいまし!!!」...光「り!り!!か!!!」...りりかさんの気持ちは嬉しいんだけど...何度も言ってるけどりりかさんと同じチームに入るつもりはないんだよね、」
「え?あ、あ、あばばばばばば...」
さすがに埒があかず、このままだと話後終わらないと悟ったのだろう。
燐がはっきり断ったのだが、それと同時に光条さんが壊れた。
ん?例えとか比喩じゃねぇよ...なんか上下に揺れてるもん怖ぇ...
「お嬢様気をしっかり!!!!...おのれぇぇぇええ岩沼ぁぁぁあああ!!!!!」
「僕断っただけですよ!?」
「ふふふふ...あははははは...そうかそうですのね、」
笑いながらフラフラと光条は立ち上がり、何故か俺に向かって歩いてくる。
やだちょっと怖いんですけど...
「あなたが...あなたがいるから......勝負ですの!!!黒田一!!!!!」
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「どうしてこうなるの...」
今俺たちはトレーニングルームの待機室に移動しており、俺は戦闘の準備をしていた。
「一応言うけど明日控えてるんだよ!?なんで受けちゃったのはじめ!!」
あの後、俺は光条さんの決闘を受けタイマンをすることになった。
まぁ、明日控えてはいるが先程話の中で光条さんが力押しと言っていたのを思い出し、これは体験するチャンスなのでは?と思ったのだ。
「はじめの思ってることはわかるけど...たしかに光条さんは力押しだけど万里さんとはまた違うからね?」
「んなこと分かってるよ、でも体験しておくに超したことはないだろ?」
全ての支度がおわり、光条さんの待つ広場へと向かう。
「そうは言うけど...もぉ、ほんとに変なところで引かないよねはじめって、」
「さーせんでたーっと...ゴメンなさいね、待ちました?」
適当に燐と話しつつ、俺は目の前の敵に声をかける。
「全然大丈夫ですわ!」
そういう彼女の手には、その体には似合わずとてつもなくでかいハンマーが持たれていた。
「確認するが...光条さんが勝ったら燐は受け渡す。こちらが勝ったら何くれるんだ?」
「どうせ勝てないから考える必要も無いと思うのだけれど、そうね...別荘を1つ自由に使う権利をあげますわー!」
そう言って高らかに声を上げるが、さすがにこの歳でそんな別荘とか使わねぇし...
あったところで呼ぶような友達とかもいねぇし...
「...いらねぇ、それなら大福一年分とかくれよ、」
「え!?そんなんでいいんですの!?」
そんなんってなんだよ、めっちゃうまいだろうが大福。
「まぁ...分かりましたわ、それで行きましょう!」
「あぁ」
「澄!りりり燐様!は、お下がりあそばせ!」
2人が退室したのを確認し、始める前に俺は何度か屈伸をし軽く飛ぶ。
少しばかり体が重い気もするが...まぁ、問題ないだろう。
「上限はどうしますの?」
「あー...光条さんって何級何です?」
体を伸ばしながら聞くと、光条さんは何度目か分からないがまたもや胸を張り堂々と答える。
「A級ですわ!!」
だったら上限は80か...
「80でお願いします」
「はい?」
俺のその返しに、何を言ってんだこいつはと言いたげな表情で見られるが、俺はそれを無視して剣を前に構える。
「...正気じゃありませんわね..20%...この差がどれだけ大きいか知らないわけじゃないでしょうに....」
「60%...セット...〝風華〟」
「あーもう!!80%!〝ロケットさん〟!!」
「どうなっても知りませんからね!!ぐるぐるぐるぐるですわー!!!!!!」
そういい光条はハンマーをぐふぐるとまわし出す。
回すスピードは段々と早くなり、それに伴いハンマーの継承も少しづつ変わっていき目で追うのがやっとの時にはその形状はロケットのようなミサイルのような何かに変わっていた。
離れているのにこちらまで風圧を感じ、少しだけ引き寄せるようなかぜをうける。
「ぐるぐる乱舞ですわぁぁぁぁぁあ!!」
そしてそのままこちらにゆっくりと突撃ひてくる。
...そう、とてもゆっくりと
「おせぇな、、シニアカーかよ、」
「うるさいですのよぉぉ!!!みてなさ...うっ...」
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〈モニター前〉
「はじめ...困惑してるというか、呆れてるね」
僕がそう言うと、澄さんは当たり前だろといやんばかりの表情でお茶をすする。
「...まぁ、お嬢様は少々お頭が宜しくないので」
執事がそれ言っちゃうんだと呆れてると鈴谷さんがモニターを見ながらどんな能力なのか聞いてくる。
それに対しては僕ではなく澄さんが答えた。
「お嬢様は武装型のロケットくんを使うんですよ、武装の中でも珍しくその速度によって変形段階が変わるんです。だからあのようにぐるぐると回し最大速度で当てようとしてるのですが...唯一の弱点はお嬢様がお馬鹿なのと...」
そこで区切りモニターを指さすと、モニターには回転が止まり、キラキラとした物を口らか出す光条さんが映っていた。
「...あの人...自分の回転で酔うんですよ」
本当に...残念な子だ...




