16「開幕」
前の回の話を少しだけ追加修正しました。
読んでなくても問題は無いと思うのですが、よんでくれたら嬉しいです。
「さーて!!いい感じで盛りあがってまいりました!!!D級の皆様が終わったところで始まりますはB級ランク戦だー!!!!!」
そういい鈴谷さんが言うとパネルは切り替わり、学校を上から見た図が映される。
「今回のマップは学校!!グラウンドに校舎に体育館など、どこをどのように使うかが鍵になると思われます!!えー?なになに?怪我とか危ないんじゃないかって?それはだいじょーぶ!」
そう言われまたモニターは切り替わり、説明を鈴谷さんは続ける。
「なぜなら!C級から上のランク戦では魔力体が使用されるから!!わー!びっくり!それはなんなのか!!柊ノ木さん説明をお願いします!」
そう振られ面倒くさそうに立ち上がり、マイクを持ち説明し出す。
「あー、テステス...魔力体とは、わたくし柊ノ木家の先代様が魔女と対抗するための訓練施設として能力を駆使し、制作したシステムです。これはマップ内に入った途端、生身ではなく魔力体となり、痛みなどはあるもののどんなダメージを食らっても死ぬことはなく、魔力、気力、体力が尽き、精神が折れた時に魔力体はくだけちり生身へと戻ります。このランク戦では生身に戻るイコール死、退場とさせていただきます」
「はーい!説明ありがとうございます!!今の説明の通り!このシステムのおかげで本気でやりあえ、そして高めあえるという訳です!!」
そう言うとまたまた画面は切り替わり、内部カメラへと移り入場ゲートがモニターに移る。
「長い説明もここまでです!!皆さんお待ちかね!チーム紹介を!再度わたくしのほうからさせていただきますはい!!」
そういった瞬間、ゲートは開き中から鹿島さん達チームが姿を現す。
「Aゲートから堂々の入場を致しますは、B級5位の鹿島 咲率いる鹿島隊!!チームメンバーであるB級6位の三林夏帆さんと鹿島咲さんの超高速の攻め攻撃を崩すのはかーなーりーの苦難!そしてそれに磨きをかけるのはB級9位の早見志保さんによるバフ掛け!!前回は惜しくも負けてしまいましたが今回は技に!チームワークに!!更に磨きをかけ!個人ランクの上昇!敷いてはチームランクアップのためここに来ました!!!」
鹿島チーム
「今頃鈴谷さんが盛り上げてるんだろうねー」
「ききき緊張してきた...」
「志保さー、いい加減慣れなよー」
「緊張する事なんてないわ、相手はD級よ?相手にもならないわ。仮に60の制限を制御できてたとしても所詮は付け焼き刃、せめて準備運動くらいはさせて欲しいものね」
そう言い3人はマップ内に入り、学校の校門前で立ちどまる。
「さてさてさて!!皆さんお待ちかね!どうせこれが本命なのでしょう!!!かつて入隊して初のランク戦でB級に挑むような人がいたでしょうか!!!いや!!!いない!!!!!ダークホースもダークホース!!一体どんな戦いを見せてくれるのか予想もつきません!!!入場してもらいましょう!!ランク圏外チーム!!率いるはD級隊員岩沼燐さん!!続くは小森千春さん!!そしてそして!!怒涛の勢いで話題が尽きないこの人!!黒田一さんの登場です!!!!」
岩沼チーム
「覚悟決まったか?燐」
「緊張で一周しただけだよ...まったく、」
「...人...人...」
そうして扉が開き俺たちは門の前へと、鹿島さん達の横に並んだ。
---
『あーあー選手の皆様聞こえますでしょうかー!聞こえたのであれば隊長さんは右手をあげてください!……はい!ありがとうございます!!』
そう聞こえると床からモニターが湧き出てくる。
『はい!今出ましたモニターからスポーン位置を選択してください!両チーム出来次第強制移動され、それと同時に開始となります!』
そう言われ、俺と燐は頷き合いスポーンを選択した。
『両チーム選択終わりました!!では!!スポーン位置開示!!』
その声とともにモニターに沸き位置が表示される。
相手の位置、こちらが望んでいたのに近しいわき位置であり、思わずにやけそうになるが我慢する。
「...はじめ、頼んだよ」
「任せろ」
『では!!!!ランク戦開始!!!!!』
その合図とともに、俺たち6人は瞬間移動された。
---
僕と千春は体育館を選択し、はじめは校内の1階を選択した。
敵は、鹿島さんが校内の4階にわき、早見さんが屋上、三林さんがグラウンドを選択したようだ。
室内を選んだ理由はただ1つ、早見さんはスナイパーライフルを使ってバフ、攻撃を行う。
僕の能力と遠距離の補助がしにくい室内を選択したのだが…
「少しズレてる…」
実際にわいたのは体育館裏である。
...ここでは早見さんから撃たれるかもしれない、
「40%セット...」
出力は少しだけ抑え、僕は体育館入口まで急いだ。
最も最悪のケースはこのわずかな時間で千春がやられること、それだけは避けなければならない。
落ち着け!!今そんなこと考えても仕方ない、取りあえず今は合流を最優せ...
パァン!パァン!
体育館を開ける寸前、2回銃声が鳴り響く。
...強化したか...
恐らく早見さんが味方二人を撃ち何らかのバフを与えた音だ。
俺は体育館の扉をあけ、その中心に立つ人を見る。
「あー、来た来た。待ってたよー?岩沼君」
「...三林...夏帆!」
周りを見る。
大丈夫、千春はまだやられてないということはどこかに隠れているか、まだ来てないかどちらかのはず。
僕は柄の長いアックスを低く構え、臨戦態勢にはいる。
それを見ると、三林さんも腰についてある2本の刀を鞘から出し、気だるげに構える。
「わたし的にはどうでもいいんだけどさー?咲がどうしてもサシがいいっていうんだよねー」
「サシ?」
言葉の真意が分からず、僕は低く構えたままどういう意味かと質問する。
それに対し、ため息を吐きながら、うんうんと頷き言葉を続ける。
「そーそー、うちのリーダーがね?黒田君としたいんだってさー?1人で十分だって言って聞かないんだなーこれが...まぁ、大丈夫とは思うんだけどさー?やっぱり心配だから早く向かいたいわけだよ私も...」
「60%せっとー」
「...っ!60%セット!」
「だからー、早めに沈んでもらうよー?岩沼燐君」
「解放〝 速鬼〟」
「解放!!〝 地穿つ者〟!!!!」
「先手ひっしょー」
そういい、脱力した状態からこちらに急接近してくるがそうはさせない、!
僕は僕のやるべきことを全うするんだ!!!
「地割れ!!!」
刹那、魔人が地面を叩き空想の地面が現れ、割れることによって三林さんに理不尽な足場を押し付ける。
結果、接近は止まりバランスを崩しながらこちらを少し睨んでくる。
「うわっ、なにこれー?動きにくいなぁ」
落ち着け落ち着け落ち着け!
大丈夫、僕ならやれる今ある手札を間違えずに切るんだ。
「いけ!!」
僕は魔人を左から、僕自身は右から三林さん向かって走り出した。
そして今の地割れのおかげで千春が体育倉庫であろう辺りに隠れていることが分かり安心する。
「動きにくいけど...このくらいでどうにかなるわけないよねー?」
そういい、割れて突き出た地面を蹴り、右へ左へ移動しながらこちらにせまりくる。
「..っ!?鉛礫!!!」
まさかこんなに早く地面に対応してくるとは思っておらず驚くが、何とか冷静をたもつ。
すぐに急停止し、三林さん目掛けて新たに覚えた技を、鉛礫を放つ。
三林さんもそれに合わせて飛び上がり、5つほどある礫を避けながら回転斬りをしかけてきた。
「っ!!...ちょっとぉ」
避けることを想定し、避けた先で礫同士が当たり反射で三林さんの足に当てることが成功し、その効果あってか俺は回転斬りを回避することに成功した。
鉛礫、それは直接的な攻撃力は無いものの、当たった相手に埋め込まれ相手に重しをつける技だ。
これにより三林さんは狙っていたいから大きく外れ、得意のスピードもかなり削れているはずだ。
「ねー、これさー、」
バックステップで距離を取り三林さんをみる。
三林さんは、足の部分に突き刺さっている半透明の石の礫を切り落とそうと攻撃をするが、相手側がこちらの能力に干渉することは出来ない。
「自慢のスピードは、半減ですよね?」
「なーに?勝ったつもりなのー?」
「そんなわけなっ..(スパンッ!)....っ!?」
喋っている途中にこめかみに衝撃を感じ思わず仰け反ってしまう。
「ごめんねー?めんどそうだから誘導しちゃってさー?うちにはほら、優秀なスナイパーがいるからさー?まぁ、初めてにしては良かったと思うよー?って聞こえてないかー、脳天一発だも......え?」
仰け反ったまま倒れると思ってたのだろう、僕はそのままゆっくりと体制を戻し、顔を上げる。
そして顔からは半透明な、砕けた岩達がポロポロと砕けていた。
「岩鎧」
「...ちょっとちょっとぉ...」
僕は主人公じゃない。
僕は敵を倒し切るパワーは無く、強化型の人に真正面から勝てるわけがない。
だけど、でも...
「僕は三林さんには勝てないと思います...」
そう言いながら、ボロボロだった鎧を再構築し、透明にする。
「ただ、負けるつもりもありません...」
舐めるなよ、勝てなくても時間は稼いでやる…
勝てなくても負けないでやる...
これが僕の戦場だ、
「このぉ...咲の馬鹿、どこがD級の付け焼き刃だよ...全然やばいじゃん」
僕の戦いが始まった。
---
「いか...ない...と、」
さっき、燐が撃たれた。
銃声的に...屋上...いや、5階...教室から、撃った。
私は、バレないように声を殺し体育倉庫の窓から脱出、校舎へと歩みをすすめた。
「たし、か……こっち、に、」
私が探しているのは非常階段だった。
はじめと、鹿島さんが中にいて、鉢会うのを避けたかったから、遠回りしてでも、時間をかけても確実に狙いに行った。
「あた...しも...」
早見さんは多分どこでも当ててくる。
それぞれ強敵を抑えてる...早見さんの援助がある状態だと勝てないかもしれない、私が抑えないと...
「いそ...げ...いそ...いで...!」
私は少しだけ肉体を強化し、非常階段に向かった。
---
「...鹿島さんは上か」
そう言いながら俺は天井を見る。
現在俺は校舎内の玄関にわき、階段を探していた。
「俺が負けたら終わるよな、」
ここまでの大事にしたのだ、このチャンスを逃したら恐らく今後、上に上がるのは厳しくなるだろう。
負けられない戦い、ミスは許されない。
今後にかかわるし、取り返しはつかない...
俺は立ち止まり、刀に手を当てる。
「65%...セット...」
全身に力が入り、わずかだ身体中の筋肉が張っている感覚を襲う。
だが、その時俺が思い出してたのは川崎さんから教えて貰った、緊急時のみ上限を10だけ解放していいというルールのことを考えていた。
「...負けられねぇんだ...行くぞ〝 風華〟」
『滾るのぉ滾るのぉ!』
「〝 風纏〟」
俺は駆け出した。




