表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
影人  作者: レト
1/20


「今日ははじめの誕生日だからなー」


その日は俺の誕生日で、幼かった俺にとっては特別な日だった。


「急がないと、はじめの好きなハンバーグ作らないとだもんね」


「うん!!」


母親に撫でられ、嬉しそうに頷く俺。

なんてことない、どこにでもある家族の光景だ。


「鍵...鍵っと、あったあった」


「ねぇー!お父さん早く!」


「すまんすまん」


この幸せは当たり前で、明日も明後日もこれから先も続くんだと、いやそんなことすら考えてなかった。

この幸せ、そこに疑問なんて持たなかった。

だが...


「...お父さん、あれ何?」


現実ってもんは、そんな当たり前を容赦なく壊しに来る。


「ん?何を言っ...」


気がつくと、俺は真っ赤な世界の中に一人立っていた。

あたりは鉄臭く、とても鼻につく。

はっきりとしないまま、鳴り響くサイレントと誰かの声が耳に響いていた。

...

......

...あの時見たものはなんなのか。

思い出せない。オモイダサナイ。ナニモシラナイ。

そうやって俺は、ニヤリと笑いこちらを眺める何かに蓋をし、見て見ぬふりをする。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ