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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

スライム浪士達の戦いは仇討ち後も終わらなかった

作者: 雪月花VS花鳥風月
掲載日:2023/08/11

新作を投稿します。

時代劇パロディが書きたくなって、勢いのまま投稿しました。

読んでもらえたら大変嬉しいです。

クラノスケ・オオイシ。

チカラ・オオイシ。

ソウエモン・ハラ。

ゲンゴエモン・カタオカ。

ヤヘエ・ホリベ。

ヤスベエ・ホリベ。

チュウザエモン・ヨシダ。

サワエモン・ヨシザワ。

カンロク・チカマツ。

キュウダユウ・マセ。

マゴクロウ・マセ。

ゲンゾウ・アカバネ。

マタノジョウ・ウシオ。

スケエモン・トミノモリ。

カズエモン・フワ。

キンエモン・オカノ。

ジュウナイ・オノデラ。

コウエモン・オノデラ。

オカエモン・キムラ。

マゴダユウ・オクダ。

サダエモン・オクダ。

トウザエモン・ハヤミ。

ゴロウエモン・ヤダ。

セザエモン・オオイシ。

ジュウロウザエモン・イソガイ。

キヘエ・ハザマ。

ジュウジロウ・ハザマ。

シンロクロウ・ハザマ。

カンスケ・ナカムラ。

サブロベエ・センバ。

ハンノジョウ・スガヤ。

キへエ・ムラマツ。

サンダユウ・ムラマツ。

デンスケ・クラハシ。

ヤソエモン・オカジマ。

ゲンゴ・オオタカ。

エモシチ・ヤトウ。

シンザエモン・カツタ。

タダシチ・タケバヤシ。

イスケ・マエバラ。

ヤザエモン・カガ。

ジュウヘイジ・スギノ。

ヨゴロウ・カンザキ。

ジロウザエモン・ミムラ。

カンベイ・ヨコカワ。

ワスケ・カヤノ。

キチエモン・テラサカ。

人族の身体に変異したスライムのアコウ浪士四十七人が師走の深夜に集結して、キラ邸を包囲した。


「オオイシ筆頭家令、全員が配置に付きました」

「そうか。遂に今は亡きアサノ辺境伯様の仇を討つ時が来たか。ホリベ戦士長、全員に伝えろ。陣太鼓の音が鳴り響いたら、キラ邸に突入しろとな」

「はい、全員に伝えます」

憎きコウヅケノスケ・キラを討ち果たし、必ずアサノ辺境伯様の無念を晴らす。


「積年の恨みを思い知れ」

去年の弥生にナガノリ・アサノ辺境伯が傷害事件を起こした。

相手はコウヅケノスケ・キラ公爵。

最大貴族派閥の長だ。

アサノ辺境伯は衛兵に取り押さえられて、その日の内に処刑された。


「王宮の松の廊下でアサノ辺境伯様がキラ公爵に対して傷害事件を起こしてしまっただと」

領地のアコウに傷害事件の詳細が報告された。

「殉死すべきだ」

「何を言う。籠城に決まっている」

「駄目だ。アサノ家再興の為には開城しかない」

会議が揉めに揉めてしまい、未だ結論に至っていない、

「このままでは埒が明かない。アサノ家再興の為に開城とする」

クラノスケの鶴の一声で開城に決定した。


「開城に賛同する者は私の執務室に来い」

約二百五十名が執務室を訪れた。

「良く集まってくれた。皆に私の真意を打ち明けよう。但し他言無用だ。遵守出来ない者は退室しろ」

三十名程が退室した。

「一応アサノ家再興を目指すが、果たせなかった場合は仇討ちを決行する。不満な者は退室しろ。但し絶対に他言無用だ」

クラノスケが真意を打ち明けたら、半数に近い者が退室した。


「此処に居る者にとある御方に授けられたスキルを複写する」

【スキル複写】

全員にスキル『身体変異』を複写した。

「全員、『身体変異』と唱えよ」

【【【【【身体変異】】】】】

「何だ」

「身体が変異した」

「人族の身体になった」

「あり得ない」

「どうしてだ」

「静まれ。仇討ちを成功されるにはスライムのままでは難しい。人族の身体に変異して、戦闘技術、スキルを人族から学べ」

「「「「「分かりました」」」」」

「良い返事だ。それでは人族の国に向かえ」

こうしてアコウ浪士達は己の戦闘能力向上の為に人族の国に旅立った。

「チカラよ、我等も人族の国に向かう」

「はい」

クラノスケとチカラも人族の国に向かい、ヤマシナという町に移住した。


「俺は槍の修行をするが、ヤスベエとマゴダユウはどうする」

「もちろん剣の腕を磨く」

「私はスキルを習得するつもりだ」

「それじゃ此処でお別れだな。ヤスベエ、マゴダユウ、しっかりと実力を上げろよ」

「お前こそ修行を怠るなよ」

「二人共、達者でな」


ヤスベエはチバ道場に入門した。

グンベエは宝蔵院流の槍術を学んだ。

マゴダユウは陰陽師の弟子になった。


三人は戦闘能力向上を目指して、最初の一歩を踏み出した。

しかし一人が脱盟する運命なのを三人の誰もまだ知らない。


「グンベエ、我家の養子となれ」

「お断りします。俺には思う処があります」

王宮騎士の叔父から養子になれと言われた。

叔父は人族の身体に変異した俺を単に利用したいだけだ。

誰が養子になんかなってやるもんか。

それに俺には仇討ちという悲願があるので、ハッキリと断った。

「それは仇討ちの事か。そんな暴挙は絶対に許さん。素直に養子になるのを承諾するなら、仇討ちの企ては誰にも口外しない。拒否するなら、王宮やキラ公爵家に通報する」

「叔父上、卑怯ですよ」

「いいから答えろ。承諾するのか。拒否するのか」

「・・・・分かりました。仇討ちを断念して、養子になります。その代わりに絶対に口外しないで下さい」

「約束は守る。安心しろ」

グンベエは仇討ちを断念して、叔父の養子になった。


「グンベエの奴、叔父の養子になるから、脱盟するだと。ふざけるな」

「あの裏切り者」

「まさかグンベエが脱盟するとは、見損なった」

同士達は仇討ち急進派の中心人物のだったグンベエの脱盟に激昂した。


ダイガク・アサノが親族に養子入りする為にアサノ家再興が不可能となった。

円山会議で仇討ちに方針変更すると告げたら、以下の数名が脱盟した。

サダヨシ・オクノ。

ゲンシロウ・シンドウ。

ゲンゴザエモン・コヤマ。

ジロウザエモン・オカモト。

クザエモン・タガワ。


シゲザネ・カヤノは忠孝の間で苦悩してしまい、自刃してしまった。


ショウザエモン・オヤマダが酒に溺れてしまい、同士から金五両と小袖を盗んで、逃亡した。


サダシロウ・タナカが酒と女に溺れてしまい、梅毒により身体が不調になり、クラノスケに書状を送り、脱盟を伝えた。


「コヘイタ・モウリ、探したぞ。貴様はアコウ浪士だろう。此処で死んでもらう」

「・・・・イチガク・シミズ」

イチガク・シミズはキラ家の家臣で最強の剣士だ。

それに何故か人族の身体をしている。

俺には万に一つも勝ち目は無い。

あと三日で討ち入りなのに、殺されてたまるか。

「逃がさん」

「ぎゃああああ」

コヘイタは誰にも気付かれずに殺害されてしまった。

同士達は無情にもコヘイタが討ち入り直前に怖くなり、脱盟したと判断した。


最終的に同士が四十七名に減ってしまったが、残った者だけで討ち入りをすると決めた。


師走の深夜に陣太鼓の音が鳴り響き、アコウ浪士達はキラ邸に討ち入った。


事前に緻密な作戦を立てて、吉良邸の間取りは完全に把握していた。

討ち入りの際は口々に「火事だ」と叫んでキラ邸に突入した為にキラ家の家臣は混乱し、対応に手間取っている。

またキラ邸には百名ほどの家臣が長屋に詰めていたが、討ち入った直後にその長屋の戸を鎹で開かないようにした為に実際に戦闘に加わった者は四割に満たなかった。


私はキラ家最強の剣士イチガク・シミズ。

遂にアコウ浪士達が討ち入りを実行した。

愚か者の身の程知らずが。

全員返り討ちにしてやる。

「アコウ浪士。私はキラ家最強の剣士イチガク・シミズだ。全員返り討ちにしてやるから掛かってこい」

「キラ家最強の剣士だと」

「面白いじゃないか」

「雑魚の相手には飽きていたんだ」

ヤスベエ、マゴダユウ、カズエモンがイチガクと対峙した。

「コヘイタ・モウリのようにあっさりと殺してやる」

「何だと」

「コヘイタを殺しただと」

「コヘイタは脱盟したんじゃなかったのか」

「惨めな最後だったよ」

「「「貴様」」」

三人が一斉に斬り掛かった。

「ぎゃああああああ」

そしてイチガクをあっさりと斬り捨てた。

「シミズ殿が殺られた」

「もう駄目だ」

最強の剣士が敗北してしまい、キラ家の家臣達の士気は大幅に低下した。

弱気になった家臣達は投降した。

隠れていたコウヅケノスケを発見して、無事に討ち取った。

こうしてキラ邸討ち入りは成功した。


「アサノ辺境伯様、キラ公爵を討ち取りました。どうか安らかにお眠り下さい」

二時間の激闘を制したアコウ浪士達はナガノリ・アサノが眠る泉岳寺まで行進し、コウヅケノスケ・キラの首を墓前に手向けた。


「脱盟者が何の用だ」

「貴様の顔など見たくも無い」

「さっさと帰れ」

討ち入り後に泉岳寺に集まった浪士一行の元に祝いの酒を持って訪れたグンベエは罵声を浴びて追い返された。

「グンベエ、貴様を追放する」

しかもアコウ浪士達が英雄視される一方でグンベエの評価は下がってしまい、養子先からも追放された。

挙句の果てにアコウ浪士達の処刑後に自害した。


翌年の如月に王宮は討ち入りに参加したアコウ浪士達の処刑を命じます。

クラノスケは身柄を預けられていたホソカワ家下屋敷で処刑された。

亡骸は他の浪士達と一緒にナガノリ・アサノと同じ泉岳寺に葬られた。

クラノスケが討ち入りの際に所持していた脇差には以下のように刻まれていた。

『万山重からず君恩重し、一髪軽からず我命軽し』

領主への恩は幾山よりも重く、私の命は一本の髪の毛よりも軽いという意味だ。

どこまでも忠義に厚い人物だった。




「クラノスケ、久し振りですね」

「・・・・カグヤ様?」

私は処刑された筈なのに何故か生きている。

そして目の前に女神カグヤ様が居る。

カグヤ様はスキルをオオイシ家に授けてくれた恩人だ。

これは夢なのかと思った。

「夢ではありません。貴方達アコウ浪士に頼みがあるのです。

その為に私の神殿に転移させて、蘇生させたのです」

「頼みですか。カグヤ様の頼みなら何でも引き受けます」

「ありがとうございます。キラ家の家臣イチガク・シミズが人族の身体をしていたのを覚えていますか」

「はい」

「あれは邪神ヒミコが仇討ちを阻止する為に行ったのです」

「邪神ヒミコが仇討ちを阻止?」

「ヒミコは過去の歴史を改竄して、スライムの国ジパングの支配を企てているのです。その為に役に立ちそうな者達に人族の身体を与えています。厄介な事にヒミコは時空を渡るスキルを有しています。今度は慶安の変を改竄しようとしています。貴方達アコウ浪士にヒミコの企てを阻止して欲しいのです」

「分かりました」

クラノスケはカグヤの頼みを快諾した。


「あれ、此処は何処だ」

「確か処刑された筈」

「それなのに生きている」

「不思議だ」

「もしかして死後の世界か」

「皆、落ち着いて聞いてくれ。我々は確かに処刑された。しかし女神カグヤ様の御力により、生き返ったのだ。実は邪神ヒミコが過去の歴史を改竄して、この国を支配しようとしている。カグヤ様から我々にその企てを阻止して欲しいと頼まれた。もちろん強制はしない。拒否する者は挙手してくれ」

「「「「「・・・・」」」」」

理解出来ないようで、全員が呆けてしまった。

「「「「「分かりました。引き受けます」」」」」

その後クラノスケは他の浪士達に上手く事情を説明して、何とか説得に成功した。


「それでは慶安四年に時空転移させます」

【時空転移】


「慶安の変はショウセツ・ユイが起こした乱だ。キョウとエドに向かわなければならないので、二つの班に分ける必要がある。私が片方の班を指揮してキョウに向かう。もう片方の班はホリエ戦士長に預けるからエドに向かってくれ」

「お任せ下さい」

クラノスケは浪士達を二つの班に分けて、自分が指揮する班はキョウに向かい、ヤスベエが指揮する班はエドに向かわせた。


「ショウセツ・ユイ、もう逃げられんぞ。観念して投降しろ」

「最早これまでか」

クラノスケ達はスンプでショウセツ達を追い詰めたが、捕縛前にショウセツは自害してしまった。


「今だ。チュウヤ・マルハシを捕縛しろ」

「もう少しで成功したのに捕縛されるとは無念だ」

ヤスベエ達はエドでチュウヤ達を捕縛して、役人に引き渡した。


「アコウ浪士の皆様、ご苦労様でした。ヒミコの次の企てまで神殿でゆっくりお休み下さい」

「「「「「「・・・・」」」」」」

これ以降もヒミコの企てを阻止する頼みは続くみたいだった。




「ヒミコは懲りずに本能寺の変を改竄しようとしています。おそらくミツヒデ・アケチを謀反決行前に殺害しようとするでしょう。それを阻止して下さい」

「分かりました」

【時空転移】

アコウ浪士達は本能寺の変の改竄を阻止する為に時空転移した。


「貴様達は何者だ」

「ミツヒデ・アケチ、貴様には此処で死んでもらう」

「貴様が主君のノブナガを裏切るから悪いんだ」

二人の刺客がミツヒデに斬り掛かった。

「ぐぁあああ」

「トドメを刺してやる」

「覚悟しな」

「貴様達、待ちやがれ」

「ミツヒデ・アケチは絶対に殺害させん」

「来たかアコウ浪士」

「待ちくたびれたぜ」

「き、貴様達はグンベエにコヘイタ」

「何故貴様達がミツヒデを殺害しようとするんだ」

「もちろんヒミコ様の命令だ」

「俺達は貴様らアコウ浪士に復讐する為にヒミコ様の眷属になったんだ」

「俺達に復讐だと」

「俺達には復讐される覚えは無い」

「惚けるな。俺は叔父に仇討ちの事を口外させない為に脱盟したんだ。その気持ちを理解せずに、散々に罵倒しやがって」

「俺はイチガク・シミズに殺害されたのに、討ち取り直前に怖くなり、脱盟したと判断されたからだ」

「「「「「・・・・」」」」」

アコウ浪士達は意外な真実を突き付けられて、無言になった。

「しかしミツヒデを殺害しようとする貴様達の行為は認められん」

「よりによってヒミコの眷属になるなんて、とても許される事ではない」

「貴様達と押し問答をするつもりは無い」

「邪魔をするなら実力行使するだけだ」

「望む処だ」

「ミツヒデ殺害は絶対に阻止してみせる」

アコウ浪士達と二人は睨み合い、一触即発状態になった。

「貴様達、私を無視するな。そこの刺客達、私を殺害しても無駄だぞ。ノブナガ討伐は私の命令ではなく、重臣達の暴走なのだ。だから何が起こっても、決して止まらない」

「何だと」

「嘘を付くな」

「嘘ではない。本当の事だ」

本能寺の変はミツヒデの命令ではなく、重臣達の暴走という意外な真実が明らかになった。

「「・・・・」」

『グンベエ、コヘイタ、直ちに引き上げなさい』

「分かりました」

「直ちに引き上げます」

【時空転移】

ヒミコからの念話が入り、二人は時空転移で引き上げた。


本能寺の変の改竄はあっさりと阻止された。

しかしアコウ浪士達の戦いは終わらなかった。

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