さん
私は愛を知らなかった。
君は愛に疎かった。
それは同じく、愛に飢えていたということで、片を付けられる事項だろうか。
私にはわからない。
なぜかって、いくら時間が過ぎて、少しは客観性を持てたのかもしれないけれど、所詮は私は当事者なのだから。
主観的な視点で、正しく写せているとは思えないの。
今更、正しさなんて……。
ああそうね、それだって、また一つの正しさよ。
なんだけど、割り切れなかったとでも言うのかしら。
私は、私は、一体何を望んでいたのだろう。
考えてみると、自分にだってわからなかった。
二人の大切な人を失って 二人で愛をも失った
失ってしまった愛では 新しい人を愛せはしない
誰もに愛された あの人をあの日失ってから
誰も何も愛することも出来なくなってしまっていた
愛がなくなってしまった世界でも 全力で
私は愛を叫び続けていたんだ
二人の大切な人を失って 二人で愛をも失った
失ってしまった愛では 新しい人を愛せはしない
誰もに愛された あの人をあの日失ってから
誰も何も愛することも出来なくなってしまっていた
愛がなくなってしまった世界でも 全力で
私は愛を叫び続けていたんだ
そうなの。そうなの。そういうことなの。
つまり? そんな言葉じゃあ要約されないけれど、とても簡単で、わかりやすくて、短い言葉で済まされるはずの長ったらしい気持ちなの。
つまり、そういうことでしかないの。
言葉をなぞって紡がれた軌跡は、私たちを縛り付けているようだった。
私じゃなくて私たち。
私たちのたちは、きっと君だけじゃなくって、誰もがそこに含まれて、巻き込まれてしまっているの。
それが今の愛の形だとでも言うようにね。
皮肉ね。
感じていて逃げられないそれであった。
感じていて逃げられないそれであった。
繰り返される愛だって、馬鹿みたい。
何度目の全力も、無駄なことくらいわかっているのでしょ?