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エピローグ 雪岡月夜の場合
「月夜さんは真面目だし、成績もいい。特に国語。学年一位だ。担任としても国語の先生としても嬉しいよ。何か心配なことはある?」
月夜は各ジャンルで出会った様々な桂を思い出していた。
「あ、大丈夫です」
「勉強することに疲れてはないか?」
「『私は皆みたいに取り得がないから、勉強ぐらいは頑張らないといけないんです』って昔の自分なら答えていたと思います。でも、今は自分を卑下しなくてもよくなりました。自分の大切さを、自分の価値をある人に教えてもらったから。だからこれからは少し不真面目になるかもしれません」
「それぐらいでちょうどいいんじゃないか。他に何か気になってることはあるか?」
月夜は迷っていたが、打ち明けることにした。
「あの、私、物語を書いてみようと思ってるんです。それで、行き詰まったりしたら、国語の先生として相談にのってもらえますか?」
「意外だな。でも月夜さんなら書けるだろう。アドバイスできることは少ないかもしれないけど、添削したり、相談にのったりするから、いつでも来なさい」
「はい」




