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プロローグ
青葉中学北教棟二階、空き教室で面談が行われていた。生徒が面談を終えて、次の生徒を呼びに行った。
二年二組担任桂竜馬はクラス名簿を眺めた。面談を終えた生徒の名前の横にチェックを入れる。残るは四人。
桂は目を閉じ、ため息をついた。
五十音順で面談をしなかったのは、桂にも生徒の好き嫌いかがあるからだ。不良との面談で体力を使った後は、優等生を呼び、当たり障りのないことを言いいながら、脱力する。そうやって自分の精神がまいってしまわないようにコントロールしたつもりだった。
なのに、この四人が最後に残ったか。
自分はどちらだろうか。嫌いなものを最後に食べるタイプか。好きなものを最後に食べるタイプか。答えを教えてくれるのは、残りの四人。