醜い私は子
あの子はテストで100点を取ることが出来る。
あの子は運動が出来る。
あの子は人のためになることが出来る。
対する私は何が出来る?
何も出来ない私は武器を持たない。
武器がなければ戦うことは出来ず、殺されるのを待つことしか出来ない。
何が出来るわけでもない私はそんな教室の中で皮肉にも生きたいと思ってしまった。
武器を持たない私なんてこの教室には必要ないと、蔑んだ目で私を見てくる先生を好きになってしまった。
この教室では武器を持たなければ生きることは許されず、また戦うことさえ許されない。
先生に認めてもらうことが出来ない。
だったら、皆が武器を持っていなければいいんだ!
私が皆から武器を奪っちゃえばいいんだ!
それから日が経つに連れて、教室に来る人は少なくなっていった。
その度に先生は何か暗い顔で話していたが、私にとってはどうでもいい事だし、教室から消えた人のことなんて気にする暇なんてなかった。
もっと武器を増やさなきゃ、早く武器を奪わなきゃ。
早く先生に認められなきゃ。
私の中はそんな事でいっぱいだった。
放課後、特別授業。
先生と二人きりの授業。
先生、私、こんなにたくさん武器があるんだよ。
すごいでしょ、褒めて褒めて。
どうしてそんなに怖がるの?
平気だよ、先生。すぐ楽になるからね。
私のモノにしてあげる。