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アドファト・オンライン  作者: 三疾修介
リーラへの旅
12/12

ベスにて

サン達のパーティーは、リーラに到着すると1週間の活動停止をすることにした。


その理由は3つまずは、装備の点検である。装備には耐久度があり、耐久度が無くなると、壊れる事はないが装備不可能になる。ヘルタランチュラの後一切バトルがなかった為、全て装備可能だがこのままダンジョンに入れば耐久度が無くなるのは目に見えている。特にサンの装備・無垢なる刀はヘルタランチュラとの戦いでかなり消耗しており、一度でも切れば装備不可能間違いなしだった。


なので点検が必要である。そして鍛冶屋には二種類あり、NPC(ノンプレイヤーキャラクター)の鍛冶屋とプレイヤーの鍛冶屋だ。NPCの鍛冶屋はかなり高額料金で腕も悪い。それに比べ、プレイヤーの鍛冶屋は料金は交渉次第で安くなるし、腕もピンからキリまでさまざまだ。

ここは消耗の激しいので腕のいいプレイヤーの鍛冶屋に頼みたいのだが、しかし、リーラにはNPCの鍛冶屋しか無く、プレイヤーの鍛冶屋がない。何しろ、リーラに着いたプレイヤーはサン達だけであるからプレイヤーの鍛冶屋があるわけがない。

なので、リーラの長距離移動装置・テレポーターを使ってベスに戻る事になった。ベスならばまだたくさんのプレイヤーがいる可能性が高い為、戦いが怖いプレイヤーが生産をしているのは簡単に想像が出来る。そのプレイヤー達に点検してもらおうという考えである。

ちなみにテレポーターとは、一度立ち寄った町にある別のテレポーターに移動することの出来る。移動装置である。これにより、リーラとベスの移動は自由になっている。


次に素材での装備作りになる。これは、サンとアイなら防具が揃っているからいいが、ユリとミナはまだ初期防具だ。このままダンジョンに行けば自殺行為になってしまう。という訳で、ユリとミナの防具を変えなければならない。そこで点検をしてもらう鍛冶屋についでに作ってもらう事で解決させるということで話がまとまった。


そして最後に休憩である。デスゲームからまだ4日目だ。こんなにも早く次の町に来ているのがおかしいのだ。しばらく様子を見た方がいい。

というのが建前で、実は4人とも精神的に疲弊しており、休まなければぶっ倒れてもおかしくない。特にサンはヘルタランチュラとの戦いでフラフラになっていた。


「それにしても転送か~。どんな感じなんでしょう師匠!」


サン達はすでにテレポーターの前に来ており、アイが、心ときめかせている。


「そんなの知るわけないな~。リアルでもしたこと無いからな~。僕としては早く寝たいな~。」


そんな、アイのときめきをぶち壊すに投げやりにサンは言い返す。アイは頬を膨らませて怒りを表すが、サンとヘルタランチュラの接戦を見ている為疲れているサンを気遣い話を変える。


「私先入るから、皆早く来てね。」


そういうとユリは驚く3人を、よそ目に颯爽とテレポーターに入る。しかし不思議な事など一切無く、さしずめトンネルを抜けたような感じだった。


「なんか拍子抜けだな~。」


「そうですね。派手に登場したかったのに。」


「アイちゃんアニメの見すぎ。」


サン、アイ、ミナの順で、出てくる。どうやら全員ユリと同じ感想を持ったようだ。


「で、腕のいい鍛冶屋なんて宛あるのかな~。」


そう、今回問題となるのは、腕のいい鍛冶屋である。見つからなければ点検も、装備も作る事が出来ない。しかしその問題にユリは


「そ、こ、は、私に宛があるの!」


と言って、ユリに連れて行かされた場所は(スレイヤー)と書かれた看板を掲げたオンボロ店だった。


「ここが鍛冶屋?」


ミナの言葉それがサンとアイの本心だった。あまりの汚さに名前を告げただけで、アイとミナが卒中しそうなGが出そうな店構え、毒々しい植物が絡まった看板、漆黒と言えるほど黒いドア、こんな店誰が腕のいい鍛冶屋だと思うだろうか?


「別の店行かないかな~?」


変な雰囲気にサンでさえも後退りする。


「なあに、人の店にけちつけるの?」


その声はユリでもアイでもミナでもない女性の声だった。そこには店長と思わしき、妖しげな空気をかもし出す女性が立っていた。


「いや、けちつけるのではなくてだな~。あまり近づきた・・・」


「あらー、ユリじゃないの。久しぶり、どう?元気でやってるの?」


サンの弁解になってない弁解に止めたのは他でもない店長だった。


「こんにちはチスさんβ(ベータ)ぶりね。」


「そうだね、所で今回は点検?それとも装備作ってほしいの?」


「両方で!」


「あらー、楽しみなの。」


そんな会話を楽しむユリとチス。その背中を呆然と眺める3人、通常に意識が戻る頃には2人はすでに店内に入っていた。


店内に入ってみれば、そこには沢山の武具が揃っていた。武器は刀から、ヌンチャクマニアックな武器も、かなり置いてある。

そして防具は鉄鎧から、普段着まで、さらにはドレスまで置いてあった。3人が再び呆然と眺める中、ユリとチスはどんどん話を進める。


「ちょっと待って欲しいんだな!」


話から無視されているサンは心からそう言った。


「何よ。」


ユリが不満そうに顔を歪める。チスも何処と無く不満そうだ。


「いくつか確認事項があるんだな~。

まず、ユリとチスはβテスターなのかな~?」


「そうよ。言わなかったけ?」


ユリの勘違いにサンは驚き、そして呆れた。


「言ってなかったな~。次に、チスは本当に腕のいい鍛冶屋なんだよな~?」


「そうだよ。ちょっと、コスプレ好きだけどね。」


コスプレ好きという所でユリの笑顔が引きつる。


「そうなの。私が仕事受ける時、料金と共に皆には色々着てもらわないと引き受けないの。」


チスの顔がうす気味悪い微笑を浮かべる。瞬間全員の背筋に悪寒が走った。


「かなり怖いが、まあ今回は特別に仕方なく許してやるな~。最後に今回かなりの高ランク素材を用意した。加工できるのかな~?」


「安心してほしいの。βから引き継いだ高ランク鍛冶装備があるから何でも加工出来るの。」


「もう1つ質問だな~。」


「さっき最後って言ったの。」


「次はチスにじゃなくてユリにだな~。何でユリはβのデータを引き継がなかったのかな~。」

しばらく別の連載小説を、書きます。


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