ドロップの確認
ヘルタランチュラが死んだのを確認するとユリはホッと息をつきサンに近づいた。
「さすが~、サンお疲れ様。規格外だけの事はある!」
「規格外って・・・いきなりそれはないな~。」
そう言いつつ、サンは獲得アイテム欄に目を移す、そして表示された文に苦笑いをした。
「どうしたの?もしかして片手剣手に入らなかったとか?」
サンが求めていたのは片手剣しかし、当然片手剣が必ずドロップするわけではなく、素材や、食料アイテムだったりする。
「確かに片手剣が手に入らなかったな~。」
その最悪な想像が現実になった。
「え、じゃあまさか、またヘルタランチュラと戦うの?」
「いや、片手剣はドロップしなかったが防具がドロップしたからな~。それでよしとするかな~。」
「なーんだ、最初からそう言ってよ。せっかくのバトルが無駄になったかと思うじゃない。それで?どんな防具だったの?見せてよ。」
そう言うとサンはアイテム詳細を開きユリに見せた。
蜘蛛の羽衣
block+25
mblock+25
speed+150
この装備は胴と脚の装備枠を使います。
「・・・多分レア装備何だろうけど使う人限られるわね。」
あまりの偏ったステータスにそうとしか言えなかった。確かに胴と脚の装備枠を使う分そこそこ防御力が高いが、その気になれば超えるぐらいの防御力しかない。
しかしその代わりスピードのステータス補整がある。150など化け物的な数字だが、スピードを重視するプレイヤーはどのゲームでも少数派となってしまっている。
「僕としてはだいぶうれしいけどな~。」
そんな少数派のサンには関係ないことではあった。そして蜘蛛の羽衣に身を包む。
白い無地の袴に胸元が網目模様で袖口が少しゆったり作られたズボンと同じく白い和服と、踵まで届く長い羽織を流すように羽織ったサンは時代劇に出てきそうな忍者のようだった。
「おおー、かなり似合ってるし、格好いいよ。」
「ありがとうな~。僕も気に入ったな~。で、そっちは何か手に入ったかな~?」
初めて見せる照れ臭そうなサンの表情を、横目に見ながらユリは獲得アイテム欄を見る。するとユリは何かにとりつかれたようにように絶句した。
「何があったのかな~?」
サンがおそるおそる聞いて見るとなにも言わずアイテム詳細を開いてみる。そしてサンも絶句したのだった。
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「で、何があったのよ?」
サンとユリはアイとミナと合流するとサンはヘルタランチュラとの戦いの話した。話終えるとアイは早速その質問をした。
「これよ。」
そう言われてアイテム詳細見る、そこには、
蜘蛛の石
スキルアイテム
これを武器に使用するとスキル・蜘蛛の糸を使う事が出来る。
蜘蛛の糸・・・蓮池に蜘蛛が糸を垂らす映像を見せ範囲内全員の視野のバットステータスを与える。
「・・・・・これ芥川龍之介さんの蜘蛛の糸だよね。」
芥川龍之介作蜘蛛の糸とは蜘蛛が命の恩人の極悪人を助けようとする有名な話である。
「だな~。で、こんな無差別攻撃スキル使いにくいからどうしようかな~。って言うことだな~。」
確かに扱いにくい。効果的にも、スキルの名前的にも
「これ、しばらくほっとけばいいと思うよ。そしてお姉ちゃんが使いたい時に使えばよくない?」
「だけど、恐れ多くて・・・本当に使う時あるのかな?」
「はい、かなり驚いたけどしばらくほっとくということで、決定!それよりも、ユリちゃん、アイちゃん、サン君見えて来たわよ。」
そしてサンのパーティーはようやく、西の町 リーラに着いたのだった。
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ちなみにムーヴフォーレストドロップ品
サン
蜘蛛の羽衣(レア)
ヘルタランチュラの甲羅×2(素材)
ヘルタランチュラの皮×5(素材)
ヘルタランチュラの長脚×3(素材)
ウッドトレントの木材×7(素材)
ウッドトレントの枝×5(素材)
リーフスラッシュの水(ノーマル)
ユリ
蜘蛛の石(レア)
ヘルタランチュラの甲羅×2(素材)
ヘルタランチュラの皮×6(素材)
ヘルタランチュラの長脚×4(素材)
ウッドトレントの木材×2(素材)
ウッドトレントの枝×3(素材)
リーフボールの水(ノーマル)
アイ
ウッドトレントの木材×4(素材)
ウッドトレントの枝×3(素材)
ローズヒールの水(ノーマル)
ミナ
ウッドトレントの木材×3(素材)
ウッドトレントの枝×5(素材)