手続きが終わって
手続きを終えると服を制服に着替えさせられた。詳しく測った訳ではないのにすごくちょうどいい。その後、第一学年の教室に連れていかれる。
「空さん遅れてきましたけど一人追加してもいいですかな?」
学園長は教室に入り、目の前に浮かんでいる物体にそう言った。空さんと呼ばれているその物体ははっきりとした形がなく、少しボケて見える。それでも、目のようなものがあることははっきりと確認できた。
その後、僕は教室を見渡し、教室に11人の生徒が居ることを確認する。周りからの好奇の視線を向けられ、あまりいい気分はしないが、この状況なら仕方ないだろう。そして、学園長は僕を空いている席へ着かせる。
『初めましてみなさん。風の精霊の空さんです。空さん先生と呼んでください。』
そんな声が聞こえ、皆の視線が空さんに集まる。確かに空さんがそう言ったのがわかったが、声を発した様子はなく、頭の中に直接声がが響いてくる。
『皆さん驚いているようですが、これはテレパシーです。私は皆さんでいう声帯のあたる器官は存在しないので、このような方法を使って意志疎通をはかります。』
空さんはそう説明する。周囲がうるさい時とかはよく聞こえていいかもしれない。
『では、今日は始業式なのでやることがありません。なので、今日はこの紙を受け取ってもらって終了となります。』
空さんがそういうとすぐに、自分の机に紙が置かれる。そこには自分の寮の部屋割りと部屋にあるものといつも常備すべきものが書いてある。
『それでは解散です。』
皆が一斉に立ち上がる。僕もそれに合わせて立ち上がったとき空さんに声をかけられた。
『君にはこれを渡します。』
そういいながら空さんは僕にプラスチックで出来たカードみたいなものを渡してくる。
『これは、この学園の生徒である事を証明するためのカードです。他にも色々なことが出来て、誰かにメッセージを送ったり、誰かと会話できたりします。最初は使い方がわからなくてもすぐ慣れますよ。』
空さんはそう言い残して消える。僕は教室の誰かと話をしようと辺りを見渡すが誰もいない。きっと僕が空さんの話を聞いている間に教室から出ていってしまったのだろう。仕方がないので、ぼくはもらった生徒証明カードをポケットにしまい、寮へ行くことにした。
教室を出たときにカードが反応しているのに気付いた。僕はカードをポケットからとりだし、それが緑色に光っているのを確認する。その時急に頭の中にメッセージがながれる。
『中庭にきて。』
僕がそれを確認するとカードの発光がとまる。僕は寮に行く以外やることがなかったため、中庭に行くことにした。
中庭に行くと二人の女子生徒がいてる。
「ごめんなさい。」
彼女たちが僕を確認すると急に頭を下げて謝ってきた。僕は何の事かわからず、その場にずっと立ち尽くす。
「やっぱりまだ、怒ってますか?」
「何の事かわかりません。」
いきなりで何の事かわからなかった。彼女たちの内の一人が僕が何の話か理解していないのを察して僕に説明する。
「横に居るシンシアが、今日の朝君をベッドに縛り付けていたの。彼女は君が使う魔法の事を知りたくて、気絶した君を部屋に連れて帰ったんだけど、君の魔獣と戦う姿が少し怖かったから、ベッドに縛り付けたらしいのよ。」
「ああ、その事ですか。私はそこまで気にしてないので大丈夫ですよ。」
僕はそう反す。しかし、彼女は納得していないようで。
「本当に大丈夫?」
僕の肩にてをおいてそう言う。僕は顔が近くて少し照れた。
「だ、大丈夫です。」
僕は急いで返事をかえす。それを聞くと彼女は安心して、肩から手を離してくれた。
「私は第2学年のシンシアだ。朝はすまなかった。」
「私は第2学年のアイリーンよ。」
「ハルトです。第1学年です。」
僕達は自己紹介を済ませる。
「よろしくね。早速だけど時間んあるかな?親睦を深めるために少し出ていこうとおもうのだけれど。」
「時間ならたっぷりありますよ。」
僕はやることが無く暇なので、そう返事をする。
僕たちは校舎の外にある、石で出来た何かの装置みたいなものの前まで行く。
「これはなんですか?」
「これは、空間転移装置だ。」
僕が質問するとシンシア先輩が答えてくれた。彼女たちは生徒証明カードを横の柱にかざして装置の中に入る。僕はそれの真似をして、急いで中に入る。
装置が光ったと思ったら、僕の前の景色が一瞬で変わり、街の中に来ていた。
「こっちよ。」
アイリーン先輩は街の中を歩きあるき、少し細い道のところにある店に入る。
【魔法飲料水】
と書かれてある。彼女と一緒にその店の中に入る。
中は酒場のような雰囲気の店だった。
カウンターの中には空さんににている風の精霊がいて、こちらにおじぎをしている。
僕たちはカウンターにすわる。
「精霊さん電撃ソーダーをお願い。」
アイリーン先輩がそういうと精霊さんがコクコクと頷き、グラスを用意し始める。
「ここは魔法の飲料水のお店で、独特の味わいの飲み物を提供してくれるみせなの。」
とアイリーン先輩は言う。
しばらくするとグラスに入った飲み物が目の前に出される。そのグラスの中の液体はバチバチと音をたてながら、周囲に電流を放出する。明らかにヤバそうだが、アイリーン先輩はおいしそうにそれを飲んでいる。僕はそれを見て、ためらいがちにグラスに口をつける。僕の体に電流が流れる。なんだか少し変な気分になったが、味はとてもスッキリして良かった。
「美味しいですね。」
僕は言う。
「でしょ、おいしいでしょ。」
「アイリーンはこの店にはまっているからな。」
なんだか楽しいな。僕はこの会話を聞いてそう思った。その後も僕たちは、飲み物を飲みながら会話を楽しんだ。
「もう、無くなっちゃったし帰る?」
「そうだな。」
グラスの中がからとなり、
アイリーン先輩とシンシア先輩が立ち上がったので、僕も一緒に立ち上がる。街を歩き空間転移装置のところまで戻る。
「帰りは生徒証明カードはいらないわ。学園を頭に浮かべるだけでいいから。」
そういいながらみんなで空間転移装置を使い、学校に戻る。
「また誘ったら着いてきてくれる?」
学園に戻ったあとアイリーン先輩僕にはそう言った。
「もちろんです。」
僕はそう言い、アイリーン先輩と別れた。
僕は学園の敷地内にある寮に戻り、自分の割り当てられている部屋に入る。今日は色々なことがあって疲れたためか、そこにあったベッドに飛び込みそのまま寝てしまった。
すいません、集中力が無くて適当になってしまいました。