異世界での目覚め
僕は月明かりが眩しくて目を覚ます。月の光は木々の隙間から僕のめに...
(やばい、なんで外で寝ているんだ?)
寝るときはベットの上だったはずなのに、何故か僕は屋外で寝ていた。僕はポケットに手を突っ込み中を探るが、寝る前にポケットに携帯を入れる訳がなく、中にはなにも入っていない。
現状を確認するために辺りを見渡す。
(森...、だね)
そこは森と言うのに相応しい場所だった。木々が生い茂りその葉が月明かりを遮り、奥を見通すができない。しかし、自分の周囲は、少しひらけた木々のお陰で月明かりが差し込み、そこで本が読めてしまえそうなほど明るい。さて、ここは何処なのだろうか?僕はとても大きい森の奥深くに来てしまったのだろうか、とても心配になる。しかし、慌ててはいけない。ここから動きたかったが下手に動く訳には行かない。周囲を見渡しても闇が広がっているし、ここは明るいから僕はここで待つことにした。僕はやることもなかったためか、自然とさっきの夢を思い出していた。
(ごめんね、ハルト。か...)
僕は最後にあの少女が言ったを思い出す。はたしてあれは夢だったのだろうか?それにしてはとてもリアルな感覚であった。僕の事を知っているようすだったが、あの少女は誰だったのだろうか?そんなことを考えてた僕は周りから何かが近づく音に気づいて我に帰る。
この森には野性動物でも居るのだろうか?
僕は慌てて周りに転がっていた木の棒を手に取り構える。何かが音をたてながらこちらに近づき、その姿を現す。それは少女だった。少女が一糸まとわぬ姿で出てきたのだった。
「......!」
少女は僕の姿を見て凄く驚き、僕が持っている棒を見てとても怯える。僕も少女の姿を見てすごく驚き、一歩も動けず、また一言もしゃべれなかった。少女はすぐさま僕に背を向けて走り去ってしまった。あの少女は何だったのだろうか。僕はそんなことを考えていたせいか、その間にもうひとつの影が近付いていることに気付かなかった。そしてやっとその気配を察知して振り向く。
振り向くと銀色の毛の狼がいた。実際に狼を見たこともないためそれが狼でのか正確にはわからないが、それが僕は害をなすだろうということはわかる。僕はそれに対抗するために、持っていた棒を再び握りしめかまえる。
「シューッ」
突然狼が淡く発光しながら怪しげな音をあげた。
(これはヤバイな。)
僕は直感でそう思った。そして、狼は僕を喉を切り裂こうと飛び付いてくる。僕はそれに向かって持っている棒を力任せに振り回しその狼に叩きつける。それに当たった狼は飛ばされて地面に転がる。確かに僕が振り回した棒が狼に当たったが、想像していたより手に衝撃はかった。僕は少しハイになっているのかも知れない、そう思いながら何度も何度も襲ってくる狼に向かって棒を降り下ろし続けた。やがて狼はアキラメテか身の危険を感じてか逃げようとしたが、僕はそれを追いかけ、踏みつけ、棒の先で思いきり突き刺す。何度も何度も。やがて狼は動かなくなる。しかし、ぼくはそんなことはお構い無しに僕が力尽きて倒れるまでそれを続けたのだった。
───女子寮2階の一室────
私は部屋からすることもなく窓の外を眺めていた。私はそこで森のなかで何かが発光していることに気づく。誰かが魔法を使っているようだだ。よく目を凝らしてみると誰かが光る棒を振り回し、魔獣と戦っているのが確認できた。こんな夜中に魔獣と戦って何をしているのだろうか?
「様子をを見に行ってやろう。」
私は何故かそれがとても気になり、そんな独り言を言い、窓から飛び出す。
現場まではそう遠く、歩いていてもすぐたどり着くことが出来るだろう。しかし、私は何故かとても気になったため走ってそこへ向かった。
現場に着いた私は魔獣に向かって魔力の籠った棒を力任せに魔獣に向けて降り下ろす少年の姿を確認する。魔獣が力尽きたのにも関わらず、ずっと魔獣に棒を降り下ろし続ける少年に私は恐怖心を覚えた。やがて突然その少年は突然地面に倒れる。それを確認し彼に駆け寄る。私はその少年が使っていた魔法を思い出す。まるで、自身の魔力をそのままぶつけるような魔法で、私はそんな魔法を見たことがない。私は彼が使う魔法に興味が沸いた。 そこで私はその少年を担いで自分の部屋に戻ることにしたのだった。