プロローグ
僕は眠っている。自分のベッドの上で眠っている。ベッドのいたんだスプリングの感覚が、今自分のベッドに自分が存在していることを実感させる。ただ、こんなに意識がはっきりしているのに体は全く動かせない。
「は.....と、........んね」
とても美しい女性の声が自分の隣から聞こえてきた。すぐに自分のからだの上に人が乗る感覚があった。僕の隣にいた人物が僕の上に馬乗りになっているのだろう。僕はその人物を見ようと必死に目を動かす。その人物をを視界にとらえたが、黒いフードを被っているため顔全体はは見えない。しかし、その口元からかわいい少女の姿が想像できる。その少女は懐から短剣のような物を取りだし、そんなことを考えている僕の胸の辺りに突き立てた。あんな凶器を突き立てられたと言うのに不思議だ、痛みはない。その代わりに急に体が軽くなって何かに引き寄せられる感覚がする。それを確認する頃には僕の意識はかなり薄れていたが不思議とそれはとても心地よかった。だから、僕はそのまま意識を手放す。
「も...、ぜっ.........な...ない。」
少女が何かを呟く。
「も...........に........ないで。」
なにを言っているのかよくわからない。
「ご...んね、ハルト...。」
僕が意識を完全に失う直前にそう言った。
(ごめんね、ハルト...。)
確かにそう言った。
一回一回短くする予定です。