集落戦
集落近くの茂みで音を出さない様に静かにバックを下すと、鉈とスマホを取り出して
配信開始をクリックして直ぐにサブアカウントからコメントを入力する。
【視聴者数】 2人
【コメント欄】 test 炎
test 身体強化
test 雷
test 回復
test 身体強化
test 回復
test 身体強化
test 雷
直ぐにコメントを打ち込んで準備を終えると胸ポケットにスマホをしまって大きく息を吐くと集落の様子をじっくりと観察する。
まだ、自分がいる事は把握されていないが、数が多いから戦闘が始まってすぐに囲まれるリスクがある。
だがら、最初の一撃でなるべく多くのゴブリンを倒したい。
それに、今の自分でも、周囲にゴブリンがいる状況では、アレを倒すのは難しい。
ジッと観察する先にいる体長2m近い、筋肉質で急所を守る様にしっかりとした鎧を纏っている[ゴブリン将軍]を眺めながら作戦を練る。
さっさとゴブリンを倒さないと、ゴブリン将軍に動き回れたら厄介だ。
なら……最初は雷からか。
静かに、ゆっくりと集落の近くまで移動して、一息で接敵出来る所まで近寄ると、なるべく多くのゴブリンがいる場所に狙いを定めて[言葉の力]【雷】を作動させる。
バチッツと大きな音と共に一気に電撃が炸裂すると着弾した先に居たゴブリンが4体ほど一撃で黒焦げになり倒れる。
それを確認しながら一気に集落に入りこむと近場にいるゴブリンを素の力で鉈を振り下ろして倒し、直ぐに【身体強化】を発動。
急な襲撃に戸惑ったゴブリン達だったが、直ぐに立て直すとゴブリン将軍を筆頭に咆哮を上げて俺目掛けて一気に突進し始める。
身体強化を発動した為にゆっくりに見えるそれを冷静に分析して、まずはゴブリン将軍から離れた位置にいるゴブリンに最速で接近して攻撃する。
既に、かなり切れ味の落ちている鉈だったが、それでも身体能力を上げた自分の攻撃には耐えきれなかったようで、「グギャッ」と鳴きながら目の前のゴブリンが倒れると確認せずに直ぐにその場を離れて後ろを振り返り、【炎】を発動。
狙いは定めていなかったが、運よく纏まった敵に当たって3体ほど倒れる。
【レベルアップしました】
【体力とMPが回復しました】
【職業;配信者の固有ボーナス】
【能力上昇に補正が掛かります】
予想より少し早かったが、ここでレベルアップしたのは有難い。
身体能力が上がるのが感覚的に分かる。
直ぐ近くに来ていたゴブリンが棍棒を振り下ろしてきているのを鉈で軽々と受け止めるとわき腹を蹴り飛ばして距離を取り、即座に鉈で攻撃をして倒す。
それと同時に強烈な衝撃が背中に伝わる。
ゴッと鈍器で殴られた音と痛みに顔を顰めながら、それでも痛みを我慢して【身体強化】を発動
直ぐにその場から回避すると、先ほどまで自分が居た場所に棍棒を振り下ろしているゴブリン将軍に一瞬恐怖するが、落ち着きを取り戻すと駆け出して近くのゴブリンを殴る。
殴る ゴブリンが叫ぶ
殴る ゴブリンの血飛沫が飛ぶ
殴る 一斉に自分に向けてゴブリンが駆け出す
【身体強化】が切れるまでひたすら殴る。
既にかなりの数を倒したが、それでもまだゴブリンの数は多い。
身体強化が切れたのを感じて、直ぐに【雷】を発動
進行方向に居るゴブリン達を倒して囲まれるのを防ぐ。
「数多すぎ...」
パッと最初に見た時は20体くらいだと思ってたけどもっといる。
走りながらコメント用スマホを取り出して追加で事前に入力してコピーして置いた【身体強化】【雷】【炎】をペーストして入力
【雷】と【炎】を即時発動して、向かってきているゴブリンに向けて放つと近くまで来ているゴブリン将軍に向けて[身体強化]を発動して頭部に向けて鉈を振り下ろす。
ゴンッという音が響くが、殆ど効いていない。
怯んだ様子もないゴブリン将軍の殴りをとっさに腕でガードするが、威力が高すぎて痛みと共に吹っ飛ばされる。
体制を保てず、地面に数回バウンドして転がる。
「痛ってぇ....腕はなんとか折れてないけど、これは何度も食らえない」
前の人生で何度も死に掛けた経験がここで生きてるのは皮肉だけど、初見でこの痛みは耐えられない。
痛みと疲労で息を荒げながらチャンスとばかりに近づいて来るゴブリンに向けて[炎]を放って退ける。
スキルを回避して近づいて来たゴブリンから追撃が来るが冷静にかわして蹴り飛ばす。
力は籠められなかったが、運が良かった。
当たり所が悪かったのか、一撃で戦闘不能になったゴブリンを一瞥して今度は近づいて来たゴブリン将軍の攻撃をギリギリ交わして【雷】を放つ。
バチッと弾けて飛んだ電撃がゴブリン将軍に当たり「グギャアア!」と大きな叫び声を上げ怯んだ様に1、2歩後ろに下がる。
「魔法系の攻撃は有効か…なら!」
近寄ってきているゴブリンに急接近すると、頭部に鉈を振り、一撃で仕留めて直ぐにゴブリン将軍達から距離を取って、再度スマホにさっきと同じコメントをペーストして送信。
「さて、我慢比べだな」




