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邂逅3


配信画面を付けたまましばらく歩いてく。

途中何度も透明化を発動したが、不発になる事は一度も無かった。


ここが何処だか分からなくなった時丁度近くに広い公園に辿り着いた。

既に、人通りも殆ど無く、静かな街並みであるそこは、東京にしては珍しく木々が多く

まるで小さな森の中だった。


公園に入ってベンチに腰掛ける。

ここまで来れば、少しは大丈夫かと思い、慎重にカメラに自分の顔や、周囲の風景がなるべく映らない様に配信画面を確認する。


【視聴者数:8431人】


かなりの人数が俺の配信を見ていた。

当然この中には警察の人間も大勢いるだろう。


とはいえ、この中の何人か、もしくは沢山の人が俺が逃げる為に必要なコメントを打っていたのだと思うと少しだけ嬉しい気持ちになる。


コメントを確認する前に、SNSに1件だけ来ていた通知を確認する。

久遠真白からの返信だった。


ただ一言だけ、何処にいますか?

と書かれたそれは、今の自分の状況として話す事が出来ないので画面を配信画面に戻す。


「再度になりますが、コメントを打ってくださった皆さんありがとうございます。おかげで何とか逃げられました。ただ、正直自分が今何処にいるかも分からない場所に逃げたのでこの後どうしようか悩んでるんですけどね」


渇いた笑い交じりの発言だったが、コメントを見ると[辺りを移してもらえれば車で向かうので匿います]と言ったコメントがいくつか見れる。

少し遡ると、この人は自分を逃がす為に思いつくだけの逃げる為の言葉を打ち込み続けていたようだ。


「りんちゃんねるさん。色々逃がす為のコメント打って頂きありがとうございます。他の皆さんも助けて頂きありがとう。少し休憩したらまた何処か行こうかなとは思ってるので、少しだけ質問コーナーでもしますね」


そういうと、かなりの数の質問が飛び交っていく。


「能力についての限界ですか?正直良く分かっていないのが現状です。ただ例えば[即死]と打って能力を行使すれば簡単に倒せるかとも思うのですが、[身体強化]と打つと自分の力が強化されるみたいに、もし即死の力が自分に跳ね返ってきた場合の事を考えると怖いですからね」


流石に自分に対して不利になる能力は発動しないとは思うけれど、まだまだ能力について不明な点は多いのだ。


「今後はどうするのか?うーん。さっきも話したんですが、悩んでます。今の状況的にダンジョンに対する対処も出来ないですし、こうなってしまってはする気も今は無いですからね。とは言え再度忠告すると、東京から離れた方がいいですよ」


本当にどうしようか悩んでるが、一先ずは東京を出る事が重要だと思う。

ただ、もしまた警察に見つかる事を考えるとスマホの充電が心もとない。


「直ぐに移動した方がいいですよ?あぁ自分の事ですか、確かにそうですしそろそろ移動します。また暫くは画面真っ暗ですがごめんなさい」


スマホをまた風景が映らない様に胸ポケットにしまうと大きく伸びをしてベンチから立ち上がる。

さて、何処に行こうか。


「見つけた」


シンっと静まった公園にハッキリとした女性の声が後ろから響いて来た。

嫌な汗が吹き出るが、直ぐに冷静さを保って[透明化]を発動して姿を消す。


直ぐに逃げ出す為にスーツケースを抱えて走りだそうとするが、それよりも早く「待ってください!」と声が聞こえた。


「あの、えっと逃げる前にお話しをさせてくれませんか?」


この声ってまさか

そう思って振り返ると想像どおり、後ろに居たのは久遠真白だった。

思わずスーツケースを落としてしまい、尚且つ透明化が時間で切れてしまった様で、俺の姿をハッキリと認識した久遠真白は、複雑そうな表情で笑った。


「驚かせてしまってすみません。ですが、貴方の為にも少し私のお話を聞いてくれませんか?」



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