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仮定と愚かな選択2

ーーーーーーーー


配信がされてから二時間後。

悠馬はスマホを見ながらため息を吐いた。

画面には「謎の配信者[Revive]を傷害・殺人・公務執行妨害の容疑で再指名手配」の見出し。


「……殺人ねぇ。ゴブリンを倒して殺人って言うなら、自衛隊は銃持って突っ込んでどう説明するんだよ」


皮肉混じりの独り言。

だが、ニュースを漁っても肝心の「自衛隊突入」の一報はまだ出てこない。

――前回の人生では、このタイミングでとっくに突入していたはずなのに。

未来が、変わり始めている?そんな予感に、胸の奥がざわめいた。


そしてもう一つ、前回には無かった展開。

「……まさか、警察のトップが配信で会見だなんてな」

同じプラットフォームを利用して警察が生配信を告知した。画面の待機人数はすでに一万人を突破。


やがて、会見が始まる。

簡素な壇上、眩しい照明に照らされたスーツ姿の男。

その後ろには国旗と警察の紋章。記者席からはカメラのフラッシュが次々と光り、ざわめきが絶えない。


[現在、新宿に出現した謎の“渦”について判明している事実をお伝えします]

[渦はゲート、門の役割で別世界へ通じており、すでに自衛隊が調査に入っております]


「やっぱ突入してたのか」

悠馬はモニター越しに眉をひそめる。


[そして、この渦を発生させたのは“個人”であると断定しました。]

[犯人は、既に指名手配済みです。]


会場がざわつく。コメント欄にも怒号が流れる。

悠馬は苦々しく唇を噛んだ。

「俺をスケープゴートにする気か……」


[モンスター?超能力?そんなものは一切存在しません。断言します。]


その言葉に、悠馬の拳が無意識に震えた。


会場にいる記者の一人が手を上げて質問する。

[先ほどReviveと名乗る配信者が中にはモンスターが居て自分の様な覚醒者しか中のモンスターを倒せないと発信してましたが、指名手配犯とはRevive氏の事でしょうか?また、Revive氏の発言は嘘であると言う事ですか?]


[質問にお答えしますと真っ赤な嘘です。中にモンスターなどいません。また指名手配犯はそのReviveで合っています。]


ざわざわと記者が騒ぎ始める。


[では、あの出回っている動画の中にいるモンスターと思われる存在との戦闘についてはどうお考えですか?それと、渦を発生させたのがRevive氏が発生させた根拠が明確に存在するのでしょうか?]


[モンスターとの戦闘動画?あれは、ゲートの中に住んでいる先住民の方であり、人間であると断定しています。また、Reviveが発生させた明確な根拠に付きましては捜査上の観点から黙秘させて頂きます]


「はぁ?」

悠馬は椅子を蹴飛ばしそうになるのを必死で抑えた。


コメント欄も荒れていた。

【いやどう見ても人間じゃねぇ】

【ゴブリンに先住民てwww】

【これもう隠蔽じゃん】


爪が食い込んだ掌に汗が滲む。

「超能力は存在しないって断言したばかりだろ……。もう忘れたのか、あのオッサンは」


記者の人たちの中からも多数の批判が集まり出す。

流石に言っている内容がおかしいと判断した人が増えてきた。


[では、中の先住民は皆友好的であると?動画を見る限りではそんな風には思えませんが?]


[ええ友好的であると断言します。とはいえ、かのReviveが中の住人を一方的に虐殺しているので、一先ずは、自衛隊の方に協力頂いて、然るべき対応をさせて頂くと国の方でも調整していると伺っています。]


俺をゴブリン共に差し出して代わりに友好関係を構築する?

怒りを通り越して笑えて来る。


だけど、笑った事で少し冷静になれた。

だからこそ気づくこともある。


これは知ってる。

知ってたと言うよりは、気付いたんだろう。

ダンジョンの有用性について


だけど、だとしたら、お前ら悪手だな。


[では、もし万が一Revive氏の発言が´全て´真実で中のモンスターが新宿のゲート?から出て来て民間人を虐殺する様な事が起きたらどうするのですか?]


核心に迫った記者の質問だったが警察のおっさんは鼻でそれを笑った。


[皆さんのご懸念は最もですが、どうぞご安心ください。我が国を守るために自衛隊はいるのですし、我々警察も全力で市民を守ります。そんな夢物語の様な事は絶対に起きませんし、起こさせません。]






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