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17/30

初配信と警告3

突然の爆弾発言に、コメントが一気に噴き出した。

画面右上の視聴者数がみるみる増え、短時間で3,000を越える。数字の跳ね方に、配信画面越しでも手ごたえが伝わる。



流れる速度が速すぎて全てのコメントを読む事は出来なかったが、目に留まったコメントを拾っていく。

焦らした方が、こういうのは反応が良いだろうし。


「りんちゃんねるさんコメントありがとうございます。覚醒者と特定出来たのは一人だけですか?...正確に言うと複数いますが、自分が知っている、認知しているって言い方が正しいのか...簡単に言うと個人名が分かる人が現状一人だけって事ですね」


実際覚醒者の数は今後爆発的に増えるだろうとは思うけど、個人名が分かる人は限られる。

その人達を名指しすれば、今度はそれを何処で知ったのかって話になるからボカシて話すしかない。


「あほ犬さんコメントありがとうございます。その人が誰か教えてくれるんですか?これは、今どうしようか悩んでます。ただ、個人情報をここで話すと、今現時点で指名手配されてるのに余計ややこしい話になりそうではあるので」


実際は個人名は明かしても問題無いとは思うけど、考察してくれた方が助かるは助かるんだよな。

悩んでる感じの動作をしながら仮面の下では、コメントの様子を見て少しだけ笑みを浮かべている。


ここからは、賭けになる。


「うーん。やっぱり個人名は明かしません。ただ、皆さんそれだと納得しないと思うのでヒントを出すとヒント1自分は初対面ヒント2昨日現地にいた人間以上です。」


そしてこれは、警察にとってもヒントになってしまう。

俺と言う個人が誰なのか、発生時居た人間にはバレるリスクが高い。

というより、バレる。

顔を隠した状態ではあったけれど、目立つ格好をしていた人=俺に到達するのは容易ではある。


「さて、ヒントを出しておいてアレですが、自分はこの配信の後その人に直接メッセージを送りたいと思ってます。覚醒するのに必要な条件が不明ですが、自分がいる状態でダンジョンに入ればもしかしたら覚醒するかもしれませんし、そんな感じの提案を出来れば良いなと」


コメント欄は既に特定を始めている人が何人もいる。

中には正解である[久遠真白]の名前を書く人もいる。


だが、これには言及しない。


「あ、ちなみに自分の配信告知用SNSも作成したので、こちらにリンクを張っておきます。よかったらフォローしてください」


それにしても、配信ってこんなに疲れるのか?

意識的に良い人そうな演技をしているが、しんどい。


「さて、ここから少し質問タイムにしますかね。まだ言いたい事があるので何個も答えられないですけど」


「[その人の能力は?]詳しい能力までは見てないのですが、回復系だと思います。[ダンジョンの中のモンスターからアイテムがドロップしたりするんですか?]あーこれはですね」


そこで話を区切ると、足元に事前に置いてあったゴブリンの魔石を取り出す。


「こんな感じの石がモンスターの中にあって、これがどんな機能を持ってるか良く分からないですけど、研究者さんに渡せば何か分かるんじゃないですかね?今ならお手頃価格で販売しますよ!あ、後は打撲や擦り傷なんかが直ぐに治る薬なんかも置いてありましたね」


ダンジョンの中には現実では考えられない資源がある事を匂わせる。

これで、お堅い国のお偉いさん達も少し興味が出てくるだろう。

とは言え現状では唯の石ころのように見えるから、今の段階では無意味かもしれないが。

問題はダンジョンの中にある資源の所有権とダンジョンそのものの利権だが、まぁそんなものは俺からすれば関係ない。


利権だなんだと、時間を掛ければ掛ける程、ダンジョンからモンスターが溢れるリスクが高くなる。

そして、それは今の世界では´´既に知っている情報´´だ。

前の人生では知られていなかったから、[血の日曜日]に対しての責任も何とかなった。

でも、今回は、真偽不明とは言え超常の力に目覚めた人間が既にダンジョン崩壊についての可能性と危険性を伝えている。


俺や、今後覚醒する真白を監禁したり、逮捕して放置でもしたら、ダンジョン崩壊が起きる危険が上がり、そして崩壊した場合、自衛隊では対処できず何万人もの命が奪われる。

その責任は俺では無く、国に行く。

それに、そうなったら流石に俺は手を出す事はしない。

裏切りには、代償が伴うべきだから。


最後に話すべき事を話す。

先ほどとは違い、素の自分で話す。

それを感じ取った視聴者の雰囲気が変わる。


「さて、最後に忠告と言うか警告します。最初に言いましたが、ダンジョンは放置すると中のモンスターが外に出てくる可能性があります。そして、今後自分と同じような人は増えていくと思いますが、中のモンスターは強力で現時点では自分以外に対処できません。」


「最後の警告です。もしこれが守られないのであれば、協力はしません。死人が出ると思いますがそれは自分のせいでは無く、選択した人の責任です。」


「この配信の後1時間待ちます。指名手配を解除してください」


無音の室内で自分の声がやけに響く中、配信を閉じる。

どうなるか分からないけど、これで少し動きやすくなれば良いんだけどね。










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