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アイテム整理と今後の方針


世間が謎の配信者指名手配に沸き立っている中、全く気にせず、というよりも気づいていない悠馬は

スマホを充電して放置しながらアイテム整理をしていた。


今回手に入れた報酬は

ゴブリン魔石 246個

ゴブリン将軍の魔石 1個

そして、集落を漁って出てきた一番嬉しいアイテム


「まさか、アイテムバックがあるとは思わなかったな」


前回の人生でもアイテムバックは貴重なアイテムだった。

どういう原理かは不明だが、このアイテムバックの中に物を入れると異空間に収納されるようで

かなりの数のアイテムを入れておけて、尚且つ嵩張る事が一切ない。

ゲーム風に言うストレージなのだ。


入れれる限度はあるが、今回手に入れた魔石と、ゴブリンの死体から盗んできた棍棒が数本丸々入ったのでこのアイテムバックは割と優秀な部類だろう。


普通に転売したら1千万は軽く超えるが売るつもりは一切ない。

売るとしたらゴブリンの魔石関連だ。


これは電力なんかの代替エネルギーの素に今後切り替わる。

なるべく高い内に売りたいのが本音だ。


後はステータス


ステータス画面を開きながら思わず「すげぇ」と声が出てしまう。

ダンジョンの中で確認していたが、改めて見るとかなり高いステータスに笑みが出る。


成長率が高いのはやっぱり[配信者]の力のおかげかもしれない。

それに、【言葉の力】は正直チートスキルだ。

魔法職にも戦闘職にも斥侯職にも慣れるし切り替えも自由自在。

ステータスのDEF能力が低いが、これは今後ダンジョン産の防具で対応できる。

基礎能力値の高さとダンジョン産アイテムの確保は今後の生存率に直結する。


「あぁ、そういえば後これもあったな」


ふと思い出してアイテムボックスから目当ての物を取り出して眺める。

始まりのダンジョンで出るのはかなり珍しいのだが、綺麗な青いガラス瓶に透明な液体が入っているそれは[下級ポーション]だった。


「対して効果は無いけれど、打撲程度ならこれで治るから今後を考えてこれも売らない方針で行くか」


取り出したポーションはそのままアイテムバックに詰め込む。

そこまでして、急にドッと疲れが押し寄せてきた。


ベッドに横になり、充電中のスマホを起動してSNSをチェックしていく。

「相変わらず俺の事で持ち切りだし....やっぱりかぁ。」

スクロールする手が止まった先にあるのは[速報!新宿事件の重要参考人として謎の配信者指名手配]の文字だった。


こうなる予想があったから、ダンジョンが解放されるまでは配信を公開したくなかったんだが。


「どうするか、そもそも配信してるからプラットフォームから照会されて一発で俺と言う個人は特定されるか。」


それに、日本では新宿事件で持ち切りだが、実際には世界中でダンジョンは発生している。

時間差で発生しているのもあって、まだ世界で話題にはなってないが、明日には全世界でパニックになるだろう。


確か、この配信サイトの運営はアメリカだったよな。


「どうなんだ?運営元がアメリカでも、特定するのは直ぐなのか?」


ワンチャン逃げた方が良いかもしれない。

と言うか、逃げるべきなんだが....。


「そうなると、血の日曜日に対する対処が遅れるよな」


出来るなら血の日曜日は止めたい。

あれのせいで、日本が復興するまでかなりの時間を要した上に、覚醒者は強制的にダンジョンに潜らせるべきと言う風潮が広まるきっかけにもなったからだ。


「今回の俺は職業もスキルも充実しているが、そうじゃない人から見れば地獄でしかない」

あんな思いは誰もするべきではない。

だがどうする?


「俺がタイムリープした事をばらすのは論外だろう。他に何か方法があるのか、、配信か?」


配信を使って何かするのはありだけど、そもそも伝えて信用を取れるか分からないし、もし信用されても、どうして知っているのか?と言われるのが落ちだ。


「それに指名手配されてる以上下手な事も出来ないし、詰んだか?」


そういえば、最初に覚醒した人ってアナウンサーだったか。

血の日曜日の日に現地を実況中継していたのを覚えてる。


ただ、そのアナウンサーはその日に死んだ。

理由はアナウンサー自体の能力にあった。


覚醒したアナウンサーの能力はヒーラーで職業は[聖女]

突然出たステータス画面を報道しながら、近くでケガをして倒れていた子供を治療していたのが印象的だったが、現れたゴブリンの攻撃をもろに頭に食らって即死した。


そこでテレビの中継はストップして、彼女の遺体が発見されたのは数日後だった。

覚醒した彼女を皮切りに、次々と覚醒者が現れる事で事態は次第に鎮火していくが、彼女の死は衝撃をもって伝えられたのを覚えてる。

頭部に食らってあり得ない方向に首が折れて壁に吹っ飛ばされたのは今思い出しても吐き気が出てくる。


だが、今と決定的に違うのは自分が居る。

「アナウンサーを利用すればこの状況を打破できるのでは?」

「それに聖女は職業ランクがSSだった。だとすると利用できるかもしれない」


前世では裏切りの連続だったから、今回は人は信用しないと決めている。

あのアナウンサーは良い人そうではあるが、極限状態になった人は普通に裏切るのだ。

だが、覚醒者として優秀なのであれば、利用するのはありかもしれない。


一先ず次の目標は「久遠真白の死を回避する方法と現状の打開か」








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