集落戦3決着
立て直して直ぐにスマホから配信コメントをコピペして送信
早速【炎】を出してゴブリン将軍に当てるべく飛ばすが、ここまでスキルを使いまくったせいで慣れてきたのか、ゴブリン将軍は倒れこむような動きで回避した。
回避した先のゴブリンに当たってくれたが、不味い。
なるべく【炎】と【雷】は近づいて発動したくない。
誤爆で自分まで食らうのはごめんだ。
「グギャ!」
「....!? うっとうしい!」
発動に集中していて近づいて来たゴブリンに気づかず攻撃を食らいそうになって慌ててかわす。
直ぐに走りだしながら、走った先にある死体が持っている棍棒を拾い構えると、突進してきたゴブリン将軍の動きをじっくりと観察してよけるが、間髪入れずに次の攻撃を行ってくる。
攻撃の隙が無くなってきた。
「....くっ。【身体強化】!」
スキル発動後直ぐに体が軽くなるのを感じながら、即座に背後に回ると、棍棒を頭目掛けて振り下ろす。
流石に、フルスイングだと隙が出るから威力は抑えたが、前のめりに膝を付きながら倒れこんだゴブリン将軍にチャンスと判断して、後ろに大きく飛びながら【雷】を発動。
バチッと大きな音と共に今度は直撃した。
「ギャアアアッ!!」
「まだ死なないのかよ!?」
想定より強い。
そういえば....こいつ前の人生の時は倒したのって[剣聖]だったけど、強すぎるだろ。
ゴブリン将軍は、痛みに顔を歪めながらそれでも立ち上がる。
相変わらず怒りの形相を浮かべているが、僅かに焦りも見える。
とは言え、もう少しだ。
気合を入れなおして、近くにある手頃な石を拾いあげ駆け出す。
襲ってくるゴブリンをいなしながら、石をゴブリン将軍の目に向けて投げつける。
大した攻撃で無くても隙さえ出来れば
「【炎】!」
轟々と燃える炎がゴブリン将軍に直撃する。
ここで決める。
燃えて呻き声をあげてるゴブリン将軍に向けて走ると助走をつけた状態で渾身のフルスイングを頭目掛けて振り下ろす。
「いい加減、倒れろ!!!」
渾身の一撃は確かに振り下ろされて、大きな破裂音と共についにゴブリン将軍の息の根が止まる。
ズンッと大きな音を立てながら倒れるゴブリン将軍に合わせるように
【レベルアップしました】
【体力とMPが回復しました】
【職業;配信者の固有ボーナス】
【能力上昇に補正が掛かります】
レベルアップの通知が鳴る。
それと同時に体力が回復して、当たりを見回すとゴブリン将軍が倒れたのがショックだったのか、周囲に居たゴブリン達はお互いに顔を見合わせると一目散に逃げだした。
ふぅ。
逃げ出してくれて助かった。
正直、このまま戦闘継続なんてなったら、流石に帰りがしんどい。
ただ、これで´´レベル11´´だ。
沸騰した思考が収まると同時に沸き立つ喜び。
前の人生では一度も到達しなかった領域だ。
初心者と若手と呼ばれる覚醒者の差はレベル10を超えるか超えないかで変わる。
「よし、よし!!これで...。」
これで次のステージに行ける。
後はここから出るだけだ。
その前にステータス確認とアイテム採集もするか。
腰に手を当てて息をついて、ステータス画面を確認する。
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名前 佐藤悠馬
level11
職業 配信者ユニークジョブ rank EX
スキル
・金の力 【rank】 A
・人気の力 【rank】 S
・言葉の力 【rank】 EX
・頭部破壊 【rank】 F
・逃げ足上手 【rank】 F
HP 500
ATK 140
AGI 210
DEF 132
MP 110/110
LUK 450
スキル詳細
金の力
配信を行ってる場合に限り効果発動する。
配信上の投げ銭機能により金を得た場合、金額に応じて規定時間能力値が200%増大する。
人気の力
配信を行っている場合に限り効果を発動する。
配信を見ている人間の数×1%分経験値に上昇補正が加わる。
但し上昇補正値は10000%からは上昇しない。
戦闘終了時に見ている視聴者数をカウントする。
言葉の力
配信を行っている場合に限り効果を発動する。
配信中にコメントをされた場合、そのコメントに記載の任意部分を切り取って言葉に込められた力を具現化することが出来る。
頭部破壊
頭部に対する、打撃・斬撃・魔法攻撃を行うと筋力値+20%の追加ダメージを与える。
逃げ足上手
敵と接敵した場合の敏捷(AGI)が3%上昇する
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かなり伸びてる。
「これなら次のダンジョンでもなんとかなるか?」
あ、そういえば配信画面閉じるか、スマホの充電問題もあるし。
配信に使っていたスマホを取り出して配信画面を閉じる。
【視聴者数】 231人
ゾクッと嫌な汗が流れた。
....今一瞬変な数字が見えたが気のせいか?