第9話:妹が巨乳を揺らして「おにいちゃん、したい」とせまってきます
「おにいちゃん、したいの。いいよね?」
ミーナがすがるような目で僕を見る。涙ぐんですらいるようだ。
そんなにしたいのなら……。
いやいや、ちょっと待て!!!
前世でいうなら小学一年の女の子が成長ホルモンの異常とかで十八の体になって「したい」と言われて「そうだね」とはならないだろう!
完全に犯罪,いや、人として終わってる!
「ダメだよ、そんなの許されない! それに、今は朝だし、ここ河原だし……」
「ミーナ、構いません。おにいちゃん、お願い……したいの」
僕の手を取り涙をためた目で見つめ、体をくねらせるので白いシャツの下で、大きなオッパイが右に左に揺れている。
ガンバレ、僕の理性!
……でも、ここは現代日本じゃないんだっけ。
幼児婚だってある異世界だ。ホントの『夫婦生活』があるのかは知らないけど……。
ミーナが草が茂って外から見えないような草むらを指差す。
「もう、ガマンできない。あそこでいいから……」
なにより、本人がその気だ。しかも巨乳だ。
アラフォーの理性もふくらむ欲望に頭から押し出されていく。
「おねがい、一緒に行って!」
「う、うん……」
手を引っ張られてついていってしまうが、ミーナの歩き方が内股で変だ。
なに? もう感じちゃってるとか?
「漏れそう……、もうダメ、早く……」
えっ、早く漏れてダメなのは男の方だろ。
「おしっこ……」
ミーナは真っ赤になってうつむいた。
草むらに入ったミーナに背を向けて、つながれた右腕をできるだけ伸ばして立つ。
「おにいちゃん、耳ふさいでてくださいね」
「大丈夫だよ、なんにも聞こえないよ」
「ホントですね……?」
「きのうは見られても平気だって、あれほど言ってたのに。どうしたんだ?」
「あ、あれは六歳のミーナの思うところで、今は十八なので当然別の感情、乙女の恥じらいがありますので」
「だけどさあ、今はチョロチョロとかわいい音ぐらいですんでるけど『大』だったらお互いに大変……」
「イヤァァァァァ――ッ!!! 聞こえてるじゃないですかあ――!!!」
ミーナが悲痛な叫び声と共にズボンを引っ張り上げて草むらから飛び出してきた。
右手で魔道具を握って呪文を唱え始める。
「両頭のヘビよ役目を終え黒き縛りより二人を解き放ち、元の姿に戻りなさい」
やれやれ、十八歳のミーナはまともでよかった。
シーン……。
魔道具はなんの変化も起こさない。
「両頭のヘビよ役目を終え……」
魔道具の二つの蛇の頭の口が開き、それぞれから男と女の声が聞こえてきた。
「「解除者トシテ登録シタ人物ト照合デキマセン」」
ミーナは必死に何度も呪文を唱えるがそのたびに「照合デキマセン」と回答され続ける。
「……父さまか母さまじゃないと外せないみたいです」
なるほど、子供や他人が勝手に操作できない安全設計か。
よくできた育児魔道具だ。
「大丈夫、モルティスの街に大きい魔道具屋があるから、きっと外してもらえるよ」
ションボリと涙目でうなだれるミーナの頭をなでてあげたら、ムッとしてその手をつかまれた。
「おにいちゃん、ミーナもう子供じゃないんですよ」
僕の手をそのまま自分の胸に導いた。
「こんなオッパイボーンの六歳児がいますか? いませんよね。ミーナはもうオ・ト・ナ、なんですよ。わかりますか?」
「わ、わかりました。子供扱いしてゴメン」
ミーナににらまれてたじろいでしまい、手をオッパイから離そうとするが、両手で上から押さえつけられて動かせない。
「わかればいいです。じゃあ、始めましょう」
「……始めるってなにを?」
「もちろん、シンコンショヤ、です」
新婚初夜?
「”お嫁さんになったらまずはシンコンショヤがとても大切なのよ”って母さまが言ってました」
「い、いや、だけど、新婚初夜は文字通り夜の話でこんな朝っぱらにやることじゃないんだけど……」
「えー、そういうものなんですか? じゃあ、夜までガマンですね」
ニッコリ笑って僕の両手を握るけど、いったい何をどこまでわかってるんだろう……。
◆
平原の道を並んで歩き南に向かう。
「おにいちゃん! 体が大きいと風がとっても気持ちいいです!」
ミーナが全身で風を受けるように腕を大きく広げ、右に左に体をひねるとオッパイが大きくゆれる。
ブルン、ブルンと音が聞こえてきそうだ。
さすがにブラジャーは持ってないからなあ。
「おにいちゃん、歩きにくいから手をつないでいいですか?」
ミーナが僕の右手を握ってくる。
手も大人の手だ。柔らかくて暖かい。
「おーにいちゃんとーてをつないでー みちをあるいてーさんぽですー」
歌はまだ子供だな。
でも、とっても楽しそうだ。
来た道を逆戻りだけけど急ぐ旅でもないし、のんびり行こう。
さわやかな風に黒い髪をなびかせて楽しそうに歩いていたミーナが突然、ピタッと歌うのをやめて立ち止まった。
周囲を見渡し、険しい顔で僕を見る。
「おにいちゃんの腰の剣、使えますよね?」
「ああ。泥棒も盗まないぐらいボロいけどね。いきなり、どうしたんだ?」
「魔獣に囲まれました」
「えっ?」
ミーナが周囲を警戒するように見渡す。
「それも、百匹以上います」
僕らを取り囲んで遠くから近寄ってくる魔獣の姿がボンヤリと見えてきた。
今いるのはモルティスの街の北。
魔獣や魔物の生息地はモルティスからかなり離れた南の地域だ。
これだけの魔獣が街を迂回してここまで来たのか?
姿を確認できるほどに魔獣たちが近づいた。
長く鋭い牙と爪を持った高さ数メートルの巨大なクマ、サーベルベアーが十数匹。
銀の毛で長い牙、全長約三メートルのシルバーウルフが数十匹。
グルリと囲まれており、逃げ道がない。
僕らは自然に背中合わせになり、二人で周囲を警戒するような態勢になった。
魔道具で結ばれた手は握り合っているが、じっとりと汗ばんできた。
次回、『第10話:妹と愛を確かめ合ったらスキルが発動しました』に続きます。
大ピンチのサトルとミーナ。死を覚悟したとき二人の愛が奇跡を……。
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