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第39話 はいあたしの勝ち

・登場人物・

ヤマト……主人公。勇者で憲兵団団長。

アメリア……女魔法使い。二発かましてちょっとスッキリした。

カレンテ……駐在部隊の女性隊長。趣味は人間観察。

サイナリア……妖精。自称二十三歳。

ボーラン……悪徳商人(確信)。準貴族。

クードク……飼育員の男性。感情が見えない。

 髪が首筋に張りいて、めっちゃく気持ち悪い……。


 やっぱりこの妖精のおしっこは甘ったるい匂いがして髪と背中がベタベタだ。


((ゴメンって、悪かったわよ))


 サイナリアが念話で謝って来るけど口先だけにしか聞こえない。

 ちなみにこの念話はあたしたちが密着しているから可能な事だ。


((あたしもうこの服以外持って来てねんだよ。最悪だよ))


 あのゲロ染みの着いた服は出来れば着たくない。

 あの染み、クリーニングで取れるだろうか……。


 あたしの目の前にはクードクとかいうジジイ。

 そしてその前にはヤマトがずんずんと地下道を進んでいる。


 あの一回で道を覚えるとはなかなかやるではないか。


((ねえアメリア。アメリアはあたちの体にきょうみはないの?))


 こいつなんかスッキリしたとたん良くしゃべるじゃねーか。


((ずっと思ってたんだけどレズなんかあんた?))


 あたしは思っていたがあえて聞かなかったことをサイナリアに聞いてみた。


((いいえ、あたちはうつくしいとおもったものすべてを愛するだけだわ))


 つまりバイということでよろしいか?


((でもあのデカ猿はいけないわ。らんぼうでぶこつなやつは苦手なの。お顔は()()()()なだけにもったいないわ))


 あの男はやたら女にモテるがその理由をあたしは理解できない。

 いつも他人を弄んでゲロ吐かせたり小便を垂らさせたりしている下品な男なのに。

 顔もなんか面長で目つきが悪いしみんなのいうようなイケメンには見えない。


((でもアメリア。あたちあなたになら少しらんぼうにされてもいいかもなのよ?))


 あたしだって少しは男にもてたいという気持ちはある。

 ただ人と付き合うということが苦手なのでそれが態度に出ているのがいけないという自覚もあるのだ。

 そして()()クレイジーサイコ聖女といい変な奴ばかりにモテるのか……。


((ねえ、ちょっとおててを出してくれる?))


 今度はなんだ?


 あたしは嫌な予感がしつつもとりあえず手のひらを自分の前に広げて見せる。


((それっ!))


 ビチョッ。


 アルメリアがあたしの手のひらに飛び乗り彼女のおしっこを吸った下着と股間の感触がダイレクトに伝わる。


「うわっ!! くそ絶対やると思った!!」


「うるさいぞアメリア! 生き物が騒ぐから静かにしてろ!」


 ああクソ何であたしが怒られなきゃいけないんだよ!


((おねがいよアメリア! おねがいだからあたちのここをちょくせつ――))


 あーもう聞きたくない聞きたくない!

 妖精って普通はもっと()()()()()なもんだろ!

 あたしのなかの妖精像がどんどん64ゼル〇方面に塗り替えられていく!


「あ! ヤマト団長! こちらです!」


 通路の先の部屋から聞き覚えのある声が聞こえてくる。


「えーっと、バラボンだっけ?」


 ヤマトがその声に答える。


 その部屋に居たのはバラボンとンゴ……ンゴ何とかだった。


「カレンテ隊長が探してましたよヤマト団長」


 バラボンは手帳を片手にヤマトにそう伝える。


「ああ、俺も今戻る所だ」


 そう言ってヤマトは周りを見回す。


「自分達は今一部屋一部屋生き物を検めようとしていたところです。ヤマトさん、この先には何がありましたか?」


「それが厄介なことに、この一番奥にエルフとかの別人種が計十八(じゅうはち)人居た」


 その事にバラボンは目を丸くしてびっくりする。


「エルフ!? 本当ですか? それは面倒ですね……」


 なんか嫌そうな顔をしている。


「人種と人数は全部メモってある。それとついでに大まかな生き物の数も数えて来た」


「おお! 流石ヤマト団長です。早速報告に戻りましょう」


 そう言ってバラボンは戻ろうとして、


「ンゴニーお前は分かる範囲でいいから生き物の種類を書き留めておけ、この部屋だけでいい」


 そう伝えていた。


「……一応すべての檻に封印が施してありますが、ここにいるのは全て危険な生物ですからあまり近づかない方が良いでしょう」


 クードクがボソリと言うと、


「えっと、そちらの方はどなたで?」


 バラボンが質問する。


「その辺は歩きながら話そう」


 ヤマトがそう言って先を急かす。


「わかりました、あと、ここの魔力のソースなんですが――」


 私は奴らが去っていくのをここで見守っていた。


「おいアメリア! 何突っ立ってるんだ!」


 ヤマトが振り返ってあたしに言う。


「あたしここでこいつら見てたい」


「駄目に決まってんだろバカ! 早くこっちに来い!」


 あーもうバカバカ言いやがって!


「いいだろ別に! 見てるだけだから!」


 あたしは諦めずに言い返す。


「お前のそれに何度泣かされたと思ってるんだ! わがまま言ってないでこっちに来い!」


 ムキーーーー!!


「まあまあヤマトさん、流石に大丈夫でしょう。それに一応、ンゴニーもいますし」


 ナイスブルボン!!


「…………いや駄目だ。あいつは絶対何かやらかす」


 この男どんだけ人の事を信用できないんだ!

 本当に性格がひねくれている!


「うーん、そうですかぁ……」


 おいブルボン!

 そうですかぁじゃねえんだよもっとなんとかしろよ!


「大丈夫ですよヤマト団ちょ。オイラが彼女をみときますから」


 突然ンゴが口を開いた。


「…………」


 よし!

 ヤマトが悩んでいる!


「……はあ。まあいいだろう。いいかアメリア! 絶対に檻には近づくな! ンゴニーはコイツが変なことをしそうだったら全力で止めろ! いいな?」


 はいあたしの勝ちー!

 ナイスンゴ!


「了解! お任せください!」


 ンゴがヤマトに敬礼する。


「いいな! 絶対だぞ! 絶対だからな!!」


 どんだけしつこいんだよあの男。


 どっかの芸人張りに念押ししたヤマトは、ようやくブルボン……あれ、ブルボンでいいんだよな?

 ブルボンと共に通路の向こうへと消えていった。

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