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男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

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子供扱いされる男装女子。


1週間も新しい竜の巣の調査をすることになって、どうなるかと思ったけどあっという間に1日が終わった。予想通り竜の巣に入ると、アーデルさんの竜への愛が爆発して長いトークを交えながらの調査になったが想定内である。



慎重に2人で奥へと進んで行くけれど、リシャフよりはやはり小さい巣で、大体2時間くらいで周りきれる大きさだった。所々から光が差し込む洞窟の穴をそっと覗くと、今まで見た事のない小さな竜も確かにいて、私はそれをベルキスさんの書いた調査書と照らし合わせておく。



「本当に小型と、中型種の竜がいる‥」

「小型は今や希少な存在だからね。これだけいるなんて大発見だ!」

「そうなんですね。あと、ここって植物も生えているんですね」

「え?」

「ほら、ここに植物が‥」



かなり奥まった所にある植物を指差すと、アーデルさんはそれをちょっと拾ってまじまじと見てから、腰の小さなポーチに入れる。


ロアン君に持っていったら、何か発見があるかな?私も植物を引っ張ってみると、すぐに抜けた。あまり日が当たらない環境だからから?なんて思いつつ、ロアン君が持たせてくれたカバンに入れておく。



私とアーデルさんは無事に最深部まで辿り着き、その一番奥に中間型の竜より少し大きめの紺色の竜が番で一緒に座っているのを見つけた。これもベルキスさんの調査書にあったな。もしかしたら、産卵するかもしれないってあったので、きっと慎重になっているだろうと思って、そっと目を合わせるだけにする。



そのお陰か嫌がる事なく受け入れてくれたので、

最深部まで入れて感動するアーデルさんを横目に元の道を戻る事にした。



「はぁ〜〜〜〜!!!これはなかなかいい発見でした!」



お昼にようやく出てくると、聖竜騎士団の竜騎士さん達もラスカさんもアーデルさんと私が出てきて、ホッとした顔をしていた。そうだよね、新米がいきなり入れるなんて思わなかったろうに。



「アーデル様、お疲れ様です!食事をこちらで用意してあります」

「ああ、ありがとう。ミヒロさんもお昼を食べてきて下さいね」

「はい、ありがとうございます」



頭を下げてから、っていうかどこに昼?って思っていると、ラスカさんが私を手招きする。


「お前はこっちで飯だ。飯まで一緒だと疲れるだろ」

「ううう、ラスカさんが優しい‥」

「俺はいつだって優しいぞ」


うんうん、優しい。

とりあえず頷いておいたら、キノがパタパタと飛んで、ラスカさんの肩にちょこっと掴まって「キュウ!」と鳴いた。私も驚いたけどラスカさんはもっと驚いた顔をする。



「え?!キノが珍しい〜〜!」

「お、おう、まぁ、俺が優しいって分かったんだな!!」



って言いつつ、めっちゃ顔がゆっるゆるになって嬉しそうなラスカさんにぶっと吹き出した。竜騎士、竜に弱いなぁ〜。



建物の前に小さなタープが張られていて、そこに竜騎士さん達が作ったお昼ご飯が並べられていて、それを自由に取ってから食べようとすると、聖竜騎士団の人達に異口同音に、



「それで足りるんですか?!」「もっと食べた方が!!」

「明日もアーデル様にずっと竜の話をされますよ?!」



って言われた。

なるほど、アーデルさんの竜好きは皆体力がいると分かっているらしい。

でも私「男」なんですよねー。っていうか、誰も「女」だと気付かない事実に今更だけどまた泣ける‥。



ラスカさんと一緒にお昼を食べて、キノは満足したのか私の首元に巻きついてぐうぐう寝てしまった。ラスカさんがそれを羨ましそうに見て、



「俺も今度、星竜に懐いてもらう為になんか持っていこうかな‥」



と、真剣に呟いていた。

竜騎士の竜への愛、マジですごい。

そう思っていると、鼻先にポツンと雫が落ちる。



「あ、雨?」

「やっぱり予報通りだったな〜。今日はとりあえず午後は待機になるかもな」

「そうなの?」

「川も近くにあるだろ?竜の巣に川の水が流れ込んでくると、まだ地形がどう変化するか分かりきってない俺たちが怪我したりする可能性もある」



へぇ!!まだまだ分からない事が沢山あるなぁと思っていると、ラスカさんの言う通り「建物の中で待機!」になった。じゃあキノと家の中で休むかぁ‥なんて思っていると、ラスカさんが私を見て、



「鍵を閉めろよ!俺以外出るなよ!ベルキスさんに殺されるからな!」

「‥なんだそれ‥」

「いいから聞いておけ!分かったな!!」

「はーい」



私がそう返事をすると、ラスカさんがホッとして「ほんと、危機感ねぇ」って言うけど、危機感くらいあるって!私はこれでも19歳の大人だぞ?!本当、いなくてもベルキスさんにすぐに子供扱いされている気分になる。そう思いつつ、ちょっと嬉しいから乙女心って複雑だよね。





ベルキスさんが留守の時は俺がミヒロ防衛担当だ!

と、思ってるラスカさん。世話焼き兄さんです。

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