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男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

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21/246

ダンスする男装女子。


ダンスの練習をしていたら、ベルキスさんが部屋へ入ってきた。

あれ?もう訓練は終わったのかな?

時計をチラッと見ると、夕飯の時間に近いけど、早いような?とりあえずロアン君から離れて、お礼を言うとにっこり笑い返してくれた。未来の紳士だな。



ベルキスさんの方へちょっと小走りで駆け寄って顔を見上げる。


「ベルキスさん、お仕事お疲れ様です!今日、頑張りました!」


ロアン君に勉強面は褒められたんです!と、にこーっと笑ってベルキスさんに報告すると、ベルキスさんはちょっと驚いた顔をしてから、眉を下げて笑う。



「‥‥楽しかったようで、何よりだ」

「はい!ダンスもちょっとステップ踏めました!」

「なかなか飲みこみが早くて助かります」

「ありがとう、ロアン君!」



ロアン君にまたも褒めてくれて、私は嬉しくてニマニマしてしまう。

ベルキスさんはそんな私を見て、



「じゃあ、一曲踊るか」

「えっ!!今?!」

「練習しておかないと、レイノル様の足を踏むぞ?」

「ええ〜、本当にやるんですか?」

「今やっておかないでいつやるんだ‥」



問答無用でベルキスさんが私の腰に手を添えるけど、ドキドキしてしまう。

ご自分の顔の良さを自覚して欲しいなぁ〜。



「えーと、ベルキスさんつかぬ事お尋ねしますが、男性と男性ってどちらがリードをするんですか?」


「この場合誘った方だな。俺がリードする」

「了解で〜〜す‥」



うん、男性と男性ですよね。

はい、乙女心落ち着いてね。一応結婚してるけど、男性同士で友人同士という概念だからね。ロアン君はウキウキしながら私とベルキスさんを見上げる。



「じゃあ!僕、音楽掛けますね!」

「え、音楽付き?!!」

「習うより、慣れろです!!」

「ええ〜〜、で、出来るかな‥」



四角い箱をロアン君がいじると、音楽が流れてくる。

え、すごいな。それ今度見せて貰おう。

そう思っていると、ベルキスさんが足を動かすので私も慌ててステップを踏む。といっても、初歩の初歩。


ベルキスさんもそれを理解してくれていて、リードをゆっくりしてくれるので、何とか踊れてる。今更気付いたけど、ベルキスさんも踊れたんだな!流石副団長!



‥とはいえ、顔を合わせて踊らなきゃいけないんだけど、照れ臭いし、緊張してるし、ステップは気になるし、顔を上げられない!!



「‥ミヒロ、顔を上げろ」

「う、うぅ、む、難しいです」

「‥さっきはロアンと笑いながら踊ってたろ」

「だ、だって、音楽はなかったし、あとベルキスさんだと緊張する‥」



だってさ、ベルキスさん、顔がいいんだもん!

顔の良いイケメンと密着してダンスを踊っているだけで、心の臓がバクバクいってるのに、笑って踊れるか!!どんだけ鋼の心臓でも難しいからね!?


と、私の体がグルッと回転する。



「え?!」

「顔を上げないと、ずっと回転させるぞ」

「え、ちょ、待って?!なんで回転??わぁああ、ステップ分かんない!!」

「ほらこっちを見ろ」

「待って!!待って下さいってば!!」



クルクル回転させられて、もう目が回るし、ステップはめちゃくちゃになるし、何とかベルキスさんを見上げようとするけど、もはや不可能な気がする。


「無理ですってば〜〜!!」


慌ててベルキスさんの腕を掴むと、ベルキスさんは私の体をクルクル回転させて、そのまま腕の中にすっぽり包み込んだ。



え、何だ、それ。



「‥まぁまぁだな」

「いや、もうめちゃめちゃですよ‥」

「だが面白かったろ」

「お、面白いというか、踊れてたのか?みたいな‥」

「最初はそんなもんだ」



そうなのか〜〜?

私が疑いの眼差しでベルキスさんを見上げると、ニヤッと笑う。

う、顔がいい‥。


「次回は回転はやめて下さいね」

「じゃあちゃんと顔を上げろ。相手を見ないと失礼にあたる」

「頑張ります‥」


そう話すと、ベルキスさんが私の体を離してくれて、ようやく一息つけた気がする‥。



「ロアン君、ごめんね。せっかく教えてくれたのに‥」

「いえ、見せつけるには十分過ぎるくらいかと」

「見せつける??」



レイノル様にとか?

あ、そうか、そうか貴族の人に結婚したんだぞ〜って分かって貰わないとだもんね。ウンウンと頷くけれど、ロアン君は若干心配そうに私を見つめる。ん?何か違うのかな?


不思議に思っていると、ため息をついたベルキスさんが私に声を掛ける。



「‥ミヒロ、夕飯に行くぞ」

「あ、はい。ロアン君、今日はありがとうございました!」

「いえ、こちらこそ楽しかったです。あと宿題としてこちらの本を読んでおいて下さいね。女性へのマナーが書いてあります。明日までにざっくり目を通しておいて下さい」



にっこり笑って本を渡してくれたけど、これ結構な分厚さだよね‥。

ロアン君は結構なスパルタだな。





ロアン君の音楽はポップスも好きだけど、ジャズも好き。

「クラシックジャズもいいですけど、コンテンポラリーな曲調もいいですね」

って言われるけど、よくわかんなーい。

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