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男装女子は竜を飼いならす。  作者: 月嶋のん
男装女子と竜騎士の日常。

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油断も隙もない男装女子。


レイノル様に「うちの別荘にいらっしゃい!」て言われた途端、帰ってきたベルキスさんに抱きかかえられた私。


‥庇おうとしてくれるのは嬉しいけど、ちょっとこの体勢は恥ずかしい。

ベルキスさんをチラッと見て、



「‥ベルキスさん、おかえりなさい。でも、ちょーっとこの体勢は恥ずかしいので降ろして下さい」

「もう少し待ってくれ」



いや、待ちたくないかな?

なにせイケメンなんですよ?好きなんですよ?心臓、ぶち破れますって。

私とベルキスさんの会話を聞いてレイノル様はブスッとした顔で、ベルキスさんを見上げる。



「もう!私が心配して迎えに来たのに!なんでベルキスってばこんな時に帰ってくるの?」

「ミヒロは大事なパートナーですから、仕事を終えて帰って来ました。苦情はパティに戻られたアーデル殿にお願いします」


「え?アーデルったら、もうパティに行ったの?」

「はい。一通り仕事を終えられたようです」



レイノル様はちょっと考え込んで、


「ベルキス、貴方明日仕事へ行くの?」

「はい」

「じゃあ、私今日はここへ泊まって明日パティまで行くわ」


後ろで竜騎士さん達が驚いた顔をするけど、横のフィクトルさんも驚いている‥。ロアン君だけ、目が据わっている‥。



「アーデルに一言いってやらないと気が済まないんですもの!これは絶対譲らないからね!ベルキス!!」


「承知致しました。それでは先に行ってアーデル殿の足止めを確実にしておきます」

「よろしい!フィクトル団長、部屋はありますよね?」



急に話を振られて驚くフィクトルさんに、ロアン君が横でにっこり笑って「ご案内致します」って言うので、なんていうかもうロアン君の右に出る人はいないと思う‥。


レイノル様は私を振り返って、



「ミヒロ、今回は本当に申し訳なかったわ。今日はしっかり休んで明日は1日よろしくね!」



にっこり笑って明日の約束された‥。

遠い目で「承りました」と言うと、満足そうに頷き、案内するロアン君と竜騎士さん達を連れて、さっさと行ってしまったけど‥。心配は嬉しいけど、なんていうか私、すでにあの兄妹に常に振り回されているよね?



抱きかかえているベルキスさんを見ると、同じように思っていたらしい。なんか渋い顔をしてる。ぶっと吹き出すと、ベルキスさんが私を見て、



「‥ここなら安心かと思ったが、油断も隙もないな」

「あはは、確かに‥。ベルキスさんが帰って来てくれて助かりました」



そういうとベルキスさんが嬉しそうに微笑む。

ううう、イケメンよ、そんな笑顔を見せると心臓が破れます!!

赤い顔を誤魔化すべく、ベルキスさんからちょっと視線をずらして、



「‥えーと、改めてお帰りなさい」

「ああ、ただいま‥」

「パティに、アーデルさん戻って来たんですね‥」

「今日は流石にミヒロの元へ帰れと戻って来てくれた」

「‥それなのに、明日はレイノル様の為に足止めをするんですか?」

「ああは言ったが、多分俺が着く頃に逃げると思う」



え?そうなの??

それ分かっててレイノル様に言ったの?

ちょっと目を丸くしてベルキスさんを見ると、ニヤッと笑う。



「大事なパートナーを明日1日拘束するんだ。これくらいいいだろ」

「‥‥ベルキスさん、不敬に当たりません?」

「文句はアーデル殿に言って貰えばいい」



クスクスと面白そうに笑うベルキスさんに私も笑ってしまう。

まぁ、それならいいかな?


「ところでベルキスさん、もうレイノル様はいないんで降ろして下さい」

「家に着いたらな」

「いやいや、疲れているでしょうに!」

「‥‥捕まえていないと、また拐われる」


ちょっとジトッと私を見て話すベルキスさんに、言葉が詰まる。

だ、だから、そういうトキメキを簡単に撒き散らさないでくれ。思わずキュンとしてしまったではないか!!



と、キノが私の首元に巻きついて、じとっとベルキスさんをまるで睨むように見上げる。



「‥ここにも番犬ならぬ竜がいたな」



ベルキスさんが可笑しそうに笑って、キノに構う事なく家まで結局私を抱えて帰っていったけど‥。あ〜〜!!これ、本当にどうしたらいいの?好きばっかりが大きくなるではないか!!ベルキスさんから出来る限り顔を逸らして、赤い顔を見られないようにするのに必死だった‥。


家に着いたら着いたで、ベルキスさんは私をじっと見て、



「1人で寝られるか?」

「え?」

「‥怖いなら、そばにいるが」



真剣な顔をして私を見つめるベルキスさん‥。

純粋に心配してくれる気持ちが嬉しいのと、それは流石に恥ずかしいというか‥。私は首からペンダントを出して、



「‥鍵を握って寝ますから、大丈夫です」



少しでも心配かけまいとニッと笑ってみせると、ベルキスさんはちょっと目を見開いてから、無言で私の頭をわしゃわしゃ撫でた。



「‥いつでも、すぐに呼んでくれ」



ベルキスさんは小さく呟くように言うと、「鍵のタイミング間違った‥」って呟いたけど、タイミングに何か問題あったっけ?





レイノル様はどこへ行くにも一応竜騎士に知らせるけど、

アーデルさんは何も言わないので竜騎士さんが毎回

本当にやめて欲しいってフィクトルさんに泣きついてます。

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