表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/42

…25… 決戦




 ローデヴェイクが止まらない。


 凶悪な光球を王城に向けて叩きつけた後、彼は警備兵を捕まえて、移動手段である馬車を急ぎで用意させた。


 警備兵も、周囲に大勢いる者達も、明らかにローデヴェイクに怯えている。

 彼に声を掛けられた警備兵は、顔を蒼白にしながら指示通りに動いていた。


 直ぐさまローデヴェイクの希望通りの馬車が用意され、乗り込み、王城に向かって走らせる。

 人通りの多い王都の目抜き通りを疾走する馬車に、行き交う人々は大慌てで道の端に寄った。


「(ローデヴェイク、無関係な一般の人達に迷惑をかけ過ぎなんじゃないかな……)」

「そこを気にする必要はないと思うよ? ―――それより、ミィちゃん、王城に着いたらボキボキバキバキしようね?」


 そんなローデヴェイクの物騒でしかない言葉に、ミロスラヴァは素直に頷いた。

 ヘルトルーデによって可愛く結われた彼女の淡い桃色の髪が、その動きに合わせて揺れる。


「うん、パパ! ミィちゃん、いっぱい頑張る!」

「……僕もっ」


 ラディスラフが決意を示す為にか、両拳を握った。


「(えっと、私も頑張る?)」

「うんうん、皆で頑張ろうね。ヴァルは役に立たなそうだけれど」

「ほざけ」


 危険な速さで走る馬車の中で、そのような会話を五人で交わす。

 車窓から見える景色の流れが速すぎて、ヘルトルーデは居た堪れなさに猫の髭をピクリと震わせた。

 ローデヴェイクがそれに気づき、クリーム色の毛並みを撫でる。


「ヘルトルーデが気に病む必要は無いよ? これからの行為に対する責任は私のものだからね」

「(……ローデヴェイク、でも)」

「ヘルトルーデは解呪の事だけを考えて。頑張ろう。呪いを解くよ」

「(うん。それはもう絶対に。頑張ろうね)」

「解呪が楽しみで仕方ないよ。これでやっと、互いに人として触れ合えるのだから。ようやくだよ。長かったね」

「(うん)」

「ヘルトルーデ、もう少し考えた方がよいぞ? こやつの言っている事は、手を握って解呪の喜びを分かち合う事だけでは勿論ないからな?」

「(え?)」

「ヴァル、余計な事は言わなくていいよ」

「知らず毒牙にかかっていく哀れな猫を見ていられなくてな」

「魔王であった者の言葉とは思えないね」

「我は穏健派だったのでな」

「よく言うよ」

「(あのね、此処まできて子供みたいな喧嘩は止めてね。城門が見えてきたみたいよ?)」

「そのようだね。―――さて、決戦といこうか」


 そう言ってローデヴェイクが不敵な笑みを見せ、身体強化や体力増強などのいつもの付与を展開する。

 ヘルトルーデとミロスラヴァは素直に掛かったが、ヴァルデマルとラディスラフは相性の問題か弾かれて、ローデヴェイクが片眉を上げ、ヴァルデマルが肩を竦めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ