誰か助けてください。
主人公は私。
相手はあなた。
先生。大丈夫なんですか!?
大丈夫です。私が倒れてしまっては誰があの子を救うというのでしょうか?
ですが、先生!
静かにしなさい。
ほら。小鳥の声が聞こえる。
さえずり、響きわたっているだろう?
あれが誰の断末魔か知っているかい?
グレー色の空。
今は冬。
彼は小鳥の声に耳を傾けていた。
先生!?
視界が赤く警鐘を鳴らす。
存在価値とは?
先生教えて?
私の存在価値は何?
それはね。君自身が決めるものではなく、他人が決めるものだ。
悲しいです。泣きます。
私だけは君を認めている。
裏切られた天使の横顔に傷が走る。
裏切り者。
先生は倒れる。
花は枯れて、彼自身は存在価値を見失う。
ここはどこだ?花びらを一枚摘む。
薔薇の匂い。
今は冬だ。
乾燥した指がバラをくしゃくしゃにまとめる。
東風。
梅の匂いを嗅ぎ取る。
私は主人ではないが、俳句が頭を過ぎる。
捨てられたどうし、仲良くしたい。
彼女に会う。
初めての昂り。異常性。
キャンパスに塗りつぶされた、ピンク色。
私は人生を誤った。
私は嘘つきだった。私は悪い人だった。
人を騙し、人の精神を片手に、いつも真夜中を歩いていた。
開かれた手には花弁。
一枚だけを残して彼女は飛んだ。
私は泣いた。咽び泣いた。叫んだ。鬨の声を鳴らした。喉が震えた。脳が震えた。手が動き、足が連携する。加速する。私は走った。あなたを追いかけた。蹴られた。やめて?やめてってなに!?ねえ!?聞いてる!!やめてって何だっつってんだよ!!意味わかんないんだよ!!あそこまでやっておいて!!あとは無視か!!人間ってのは!!お前っていうのは!!そんなに偉い存在なのか!!?聞いてるんだよ!ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!??????爪が割れる。血が出る。命の結晶。聞こえる鎮魂歌。鎮まらぬ興奮。吐露した想い。想像の彼女。脳に住む妖精。絶唱。群衆の音色。私は指に恐怖した。
いない方がいいなら消えましょう。
いた方がいいなら残りましょう。
きっと私の存在価値も
あなたが決めるのでしょうから。
そして救いの手は