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Don`t Read(人生観)  作者: 安川瞬
3/19

Plant Plant

地球

ゴポゴポと液体の音が聞こえる。


ノイズ混じりの声。誰の声?思い出せない。星屑のような断片的な思い出。


私は溺れているの?


何に?人に?あの日々に?


手を伸ばす。


向こう側に見える人に手を伸ばす。


届かない。ノイズが激しくなる。見えない。砂嵐が私の頭を覆い尽くす。


手を伸ばす。


向こう側に見える同類に手を伸ばす。


苦しそう。


あの子は私を見ながら苦悶に満ちた顔をしていた。


液体の中なのに、妙に響く踵の音。誰かがこちらに近づいてくる。


誰なの?あなたは誰なの?


マスクをつけた白衣の男性。情報量はそれだけ。当然私はそれだけの情報では理解できません。


上から液体が降り注ぐ。体を包み込む液体の色が変化する。


黄色になった液体の中で私は悶絶する。


絶叫する。が、向こうの人間には私はとても滑稽に映っていることでしょう。


溺れているの?私は、溺れているの?


全身から血が出る。


緑色。


緑色。


緑色。


緑色。


私の体液が黄色に混ざる。


動く。こんな苦痛から地獄から逃げ出したい。


喚く。やめて!これになんの意味があるの!?


射殺す。私の強い視線に男性は歓喜の声をあげる。


まだ続くの?何秒?何分?何時間?私はなんで?


だんだんと思考が鈍っていくのがわかる。だめ?マケナイデ?


口から泡が出る。


気泡となって天へ向かう。


その時初めて私は世界を見た。


張り付け。


チューブ。


心電図。


赤い血液。


カプセル。


私が知る世界の全貌。

私がいる世界の全貌。

私が見る世界の全貌。

私が喚く世界の全貌。

私が死ぬ世界の全貌。


液体が緑色に染まっていく。


だんだんと痛みが引く。実験はもう終わったの?


違う。ダラリとなった右手を見て悟る。


痛みの限界を超えた。


人では無い私がまた、1つ生物の部類を超越した。


ダラリとなった右腕を見る。


緑色に変色する体。


私は。


わたしは


ワタシは


ワタシハ


わtyskは?
























「実験は成功」


「ええ。このまま上手くいけば、この被験体は原初の”PH”として、世界に降臨できそうです」


「はい。それでは、このまま続けます。ええ。勿論。これを使えば、人類は更なるステップは進めます。彼女ら被験者達も報われましょう」


「……成功次第、地上に出して地球をまた……ええ。我々のミスは我々が直すべきでしょう」


「はい。では、これで……plant plantに万歳」


ツー……ツー……ツー……

地球

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