始まりの恋
最近、僕の周りでTwitterをやめる方が多くいるので、少し悲しくなって書きました。
この物語に出てくる二人の登場人物はどちらも現実に存在する人をモデルにしています。
君たちの恋が成就しますように。
君が泣いていたから、僕も涙が止まらなかった。
「本当にどっか行っちゃうの?」
これは小さい僕のせめてもの静止。
でもわかっている、僕もわかっている。これはたかが僕一人でどうにかなる話じゃないって。
君は苦しくて、泣いていて、顔をぐしゃぐしゃにして僕に話しかけているのだから。
「ごめんね」
それはおそらく謝罪の言葉。泣いているから聞き取り辛かったけれど、彼女はきっと謝罪している。
「謝らなくていいんだよ」
――だってこれは仕方がない話なんだから。
二人の間に風が走る。
まるでカーテンのように、今まで見えなかった二人の間にあった「壁」を意識せざるを得なくするように、突如としてそれは現れた。
わかっているんだ。彼女が住んでいる世界は僕たちとは違うって。
わかっているんだ。彼女だってこんなことを望んでいないって。
わかっているんだ。
わかっているから、
涙が止まらないのだろう。
寄り添う何かをなくした雛鳥はただ絶望に声を上げることしか許されなかった。
――既に、未来は変わらないのだとすれば。
僕にできることは何なのだろうか。
涙を振り払う。
足を上げる。
強く一歩を踏みしめる。
風の壁なんて知らない。
僕はいつだって、彼女の傍にいたいのだ。
最後の瞬間まで、僕はいつだって彼女の傍にいるべきなのだ。
正面に立つ。
君の頬を伝う透明な雫を指で拭いてあげる。
潤んだ瞳で僕を見る彼女に僕は言うのだ。
「――君のことを愛しています」
これで終わりなんかじゃない。
ここが始まりになるように。
稚拙だけれど僕は契約を乞う。
「また会う日まで」
彼女の瞳に色が灯る。
「僕は君を追いかけて、君は僕を待ってくれないか?」
これは契約であり、一種の宣言。
僕が君を死ぬまで守り続ける。
そんな物語の一頁
恋に終わりはきっとない