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Don`t Read(人生観)  作者: 安川瞬
11/19

幸福のサンクチュアリ

貴方に幸福が訪れますように。


貴方がこの物語を読んで、幸せを求めますように。


貴方がこの物語を読んで、生きることの意味を探しますように。



 愛されたかった。


 人から褒められたかった。


 人から感謝されたかった。


 人に頼りにされたかった。







 愛されなかった。


 人から貶された。


 人から罵倒された。


 人を不幸にしてしまった。








 努力なんてわからなかった。


 努力をしたかった。


 ただ一度だけの奇跡の幸福に


 幸福の波にのまれてしまった。


 そんな僕が悪かったのかな。








 幸せを感じたい。


 幸福になりたい。


 波に飲まれたい。


 どうすればいいのかな。


 どうすれば他人に求められるのかな。


 他人にとって、自分は必要なのかな。








 自分の体はどうして自分の体なんだろう。


 自分ってなんで生まれたんだろう。


 自分の生きる理由って何だろう。


 自分の価値って何だろう。


 自分を追い求めて、


 自分を見つめ直して、


 自分を確認した先に、


 自分はいるのかな。








 不幸って何なんだろう。


 僕は不幸なのかな。


 人を幸福にできたのかな。


 僕の存在はいるのかな。


 愛を感じたいな。







 夢を見たんだ。綺麗な夢だった。希望に満ち溢れた未来だった。僕は幸福そうだった。幸福になりたいな。僕は努力をしないといけないのかな。何の努力をするべきなのかな。努力って何だろうな。努力すれば報われるのかな。努力をしても報われなかったら、僕はいったいどうすればいいのかな。


 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ――――――。






 僕の先に僕はいるのかな。







 輪廻の輪をくぐった先にある未来は、きっと幸福の世界なのかな。


 好きな人の言うことを信じ続けて、好きな人の聞き続ければ、幸せになるのかな。


 幸せを望むことの何が悪いのかな。


 この文章に意味はあるのかな。


 こんな遺書に意味はあるのかな。


 求めるだけの人生に意味はあるのかな。


 追いかけるだけの人生は飽きたよ。


 僕を追いかける人なんているのかな。










 快晴が僕の眼前に広がっていた。


 君の顔が僕の前に広がっていた。


 君の言葉が僕の心に広がった。


 幸福が静かに僕に広がった。


 幸福の意味を静かに咀嚼した。


 幸福の先に君はいるのかな。








 綺麗な心だった。

 何度も何度も繰り返された景色を君と共有した。

 君のことが好きなのかな。

 君たちのことが好きなのかな。


 この世界が好きなのかな。

 この世界を幸せにしたいのかな。


 幸せを望むのは悪いことなのかな。



 あふれる疑問に君は答えてくれる。



 ありがとう。ありがとう。息ができるのは君のおかげだよ。

 息ができるのは君たちのおかげだよ。

 繰り返し呼吸する。

 酸素を大きく吸い込む。


 並べられた銀の食器。

 君の首にかけられたネックレスに描かれた僕の顔。

 君は今幸せなのかな。

 僕の顔を見つめる君は幸せなのかな。


 もう君に疑問をぶつけることもできないんだね。









 幸せだといいね。








 幸せって何なんだろうね。

無限の愛と守られた幸福。

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