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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

サトリ少女と百合少女

作者: ピッチョン


 (サトリ)という妖怪を知っているだろうか。

 古くから日本ではサトリは人の心を見透かすことが出来る妖怪として語り継がれてきた。現代では某STGゲームのキャラクターが有名かもしれない。少し前だとサトリの逆で自分の心が他人に読まれるというマンガ・ドラマもあった。サトリという名前を使わずとも人の心を読み当てる能力は色々な作品で目にするだろう。

 私、(かんなぎ)聡美(さとみ)はそんなサトリの能力を持つ家系に生まれた。断っておくけど私や家族は別に妖怪じゃない。妖怪という定義が何かは知らないが、心が読める以外は見た目も身体構造も普通の人間と一緒だ。

 だからこそこの能力は他人に隠したまま生活するのが常だし、不意に誰かの心を読んでしまわないよう制御する術も身につけている。

 いや、身につけていたはずだった。

「おはよー」

「おはよ~」

 朝教室に着いた私はクラスメイトに挨拶をしながら自分の席に向かう。隣の席には中学からの友達の望月(もちづき)瑠璃(るり)ちゃんがすでに座っていて、やってきた私に気付くと笑顔で挨拶をしてきた。

「聡美ちゃん、おはよ」

「おはよう、瑠璃ちゃん」

 さらりと挨拶を交わし着席する私の頭に、声ならざる声が響く。

《聡美ちゃん今日も可愛いなぁ。あぁもう好き。ホント好き》

 カバンから教科書を取り出していた私の手が一瞬止まった。しかしすぐに気を持ち直して手を動かし始める。

《あ、聡美ちゃん古文の宿題やってきたかな。もしまだだったら私の見せてあげよ》

「ねぇ聡美ちゃん、今日の古文の宿題だけど――」

 全部言い終わる前に私は笑顔で返答する。

「ちゃんとやってきたから大丈夫」

「あ、うん、それなら良かった」

 残念がる瑠璃ちゃんの心の声を聞きつつ、私は外に出さないように溜息を吐いた。

 なんでこんなことになってしまったのか。

 瑠璃ちゃんの《声》がこんなにも聞こえるようになったのはつい最近のことだ。それまでもたまに《声》が聞こえてくるときもあったが一時的なもので、こんなにもずっと聞こえ続けるようなことは無かった。一番の問題は聞こえることよりもその内容だった。

 朝会えば《可愛い。好き》。授業中も《横顔可愛い。好き》。休み時間も《顔近い。まつげ長い。好き》。下校するときも《まだ一緒にいたいのに。好き》。毎日毎日会ったときから別れるときまでずっと好き好き言われ続ける。

 いやもう何の罰ゲームか。慣れるまでは顔が赤くなりっぱなしでまともに瑠璃ちゃんと会話も出来なかった。多少慣れた今でもまだ心臓の鼓動は大きくなっているけど、それでもどうしようもないときもある。

 お昼ごはんを食べているときに《唇可愛い。キスしたい》とか体育の着替えのときに《肌すべすべ。触ったら気持ち良さそう》なんて言われて平静を保てという方が無理だ。というか普段会話をしながら何を考えてるんだ。

 けれど心の声に対して注意することは出来ない。想像するのは自由という言葉があるように、心の中ではどんなことを言おうがやろうが構わない。だって普通の人たちには分からないのだから。私達のような存在がいるというのがレアケースなだけ。ヘタに指摘してサトリだとバレるのもまずい。

 ではこの状況をどうすれば改善出来るだろうか。

 案その一。瑠璃ちゃんにわざと嫌われる。そうすれば少なくとも好き好きと毎日言われなくなる。しかし本当に嫌われたら今度は毎日嫌いと言われ続けることになるかもしれない。好意より悪意の方が聞いててつらいし、私が瑠璃ちゃんに嫌われたくないので却下。

 案その二。瑠璃ちゃんをフる。そうすれば今よりも多少は好意の熱が冷めるだろう。けれど顔を合わす度に心の声が泣いていたら私の方が泣いてしまうかもしれない。第一告白もされていないのにどうやってフるのかという問題もある。よって却下。

 案その三。いっそ瑠璃ちゃんと付き合う。そうすれば……いやむしろ今よりも悪化しそうなので却下。第一告白もされていないのに以下略。

 案その四。私がサトリだと打ち明ける。信じてくれるかどうかはさておき、『瑠璃ちゃん、毎日毎日あなたが私に対して好きだ好きだと思いすぎるせいですごく恥ずかしいから思わないようにしてくれないかな?』とお願いしてみる。……うん、完全に私がおかしな人みたいだ。却下。

 結局有効な手立てなんて思いつかなかった。時間経過で気持ちが薄れるのを待つくらいしかない。私は半ば諦めて自分にそう言い聞かせていた。


「そろそろ体育祭だね」

 学校が終わり、自転車置き場に向かって二人で進んでいると瑠璃ちゃんが言った。

「そうだね。大縄跳びの練習やるって言ってたけどいつやるんだろ」

「わりかしみんな面倒くさがりが多いから直前までやらないんじゃない?」

 かもねと笑いながら私は自分の胸の鼓動が早くなっていくのを感じていた。

 瑠璃ちゃんが先程から《言うぞ言うぞ》と何かを決心したように繰り返している。

 これはまさか告白されるのでは、と私は気が気じゃなかった。まだどう返事をするか決めていない。

「あのさ、聡美ちゃん」

「な、なに?」

 身構えた私に瑠璃ちゃんが言い放ったのは。

「良かったらジョギングに付き合ってくれない?」

「……え?」

「ほら、私クラス対抗リレーに出るでしょ? さすがに何も準備しないのもアレだし家に帰ったあと河川敷あたりをジョギングしようかなって。ひとりで走るのも味気無いからさ、聡美ちゃんさえ良かったら一緒に走らない? あ、たいした距離じゃないしほんとに軽く流すだけだから」

「なんだ、ジョギングか……」

 ほっと胸を撫で下ろすと瑠璃ちゃんが不安そうに私を見た。

「やっぱり疲れるし、イヤかな?」

「え? あぁそんなことないよ! ジョギングくらいだったら全然大丈夫!」

 反射的に口走って『しまった』と思った。そりゃあ恋人になるかどうかを決めることに比べたらジョギングに付き合うくらいたいしたことはない。ないが、瑠璃ちゃんと一緒にいる時間が増えるということはつまり瑠璃ちゃんの《声》を聞く時間も増えるということだ。

《やったぁぁっ!!》

 今更やっぱりやめたなんて言い出せないほど瑠璃ちゃんが喜んでいる。表情にはその喜びがほとんど現れていないのがちぐはぐ過ぎて少し面白い。

「ほんと? じゃあ今日からいい?」

 声に混ざって《声》が今日から走りたいすぐにでも走りたいと私に語りかけてくる。その圧力に屈して頷いた。

「あ、うん」

「わかった。それじゃあ集合場所は――」

 スマホで地図を見始めた瑠璃ちゃんの《声》が響く。

《やった! 聡美ちゃんと一緒にジョギング! ジョギングデート!》

「でっ――」

「ん? どうかした?」

 デートという単語に反応しそうになり、慌てて取り繕う。

「いや、なんでもないよ。うん、その辺なら行ったことあるからどこでも大丈夫」

「そうなんだ。えっと、確かここに自転車置けるとこあったから、ここでいい?」

「うん」

「じゃあ帰って準備出来たら連絡するね」

 瑠璃ちゃんはにこやかにそう言うと、自分の自転車に乗って颯爽と校門から出ていってしまった。遠ざかりながらもまだ喜ぶ《声》が聞こえてきて私は顔を押さえた。

 今自転車に乗ったら事故りそうだ。完全に聞こえなくなってから帰ろう。



 夕日が河川敷を茜色に染めている。歩道は広めに整備されており、ジョギングをしている人や犬の散歩をしている人、スポーツ用自転車に乗っている人たちの姿がちらほらと見える。

 体操服に着替えてきた私は河川敷で瑠璃ちゃんと合流した。瑠璃ちゃんも同じく体操服で腰にウエストバッグを巻いている。

「柔軟してから走ろっか。あ、スマホとか財布あったら私持っとくよ」

「ありがとう。そっか、私もそういうの持ってくれば良かったね」

「いや私も言わなくてごめんね」

《舞い上がりすぎてそこまで気が回らなかった》

 たかだか一緒に走るだけなのに大袈裟な、と思うがそれだけ瑠璃ちゃんが私のことを好きな証拠なのだろう。そう考えるとこそばゆい。

 私達は手足の柔軟を済ませてから夕日を背にしてジョギングを開始した。瑠璃ちゃんが得意そうに言う。

「こっち向きに走れば眩しくないでしょ。帰りはちょうど太陽が隠れるくらいになるから問題ないし」

「あー、なるほど。瑠璃ちゃんって結構走り慣れてる?」

「え? あぁ、たまーに走るくらい。ここに来るのも久しぶり」

《走るの好きだからわりと良く来るんだけど。最近はほぼ毎日走ってる》

 瑠璃ちゃんの《声》が本当のことを教えてくれた。別に嘘なんてつく必要ないのに、と思っているとまた聞えてくる。

《前から走ってるって言ったらなんで急に聡美ちゃんを誘ったのかって話になるかもだし。体育祭って理由がないと誘えなかったのは情けないよね》

「…………」

 これ以上深く追求しないようにしよう。それがお互いの為だ。

 学校のことやニュースの話題を話しながらジョギングは続いた。瑠璃ちゃんが『軽く』と言っていた通り本当にスローペースで走った。瑠璃ちゃんにしてみれば走ることより私とおしゃべりをすることの方がメインだったのだろう。《声》も楽しそうに弾んでいた。

 だいたい一時間ほどでスタート地点まで戻ってきた。太陽はすでに地平に隠れ、空にも夜が混じり始めている。汗ばんだ肌には夜の涼しさはありがたい。ベンチに座って額をぬぐう私に瑠璃ちゃんが尋ねてくる。

「なにか飲みたいのある? 私がおごるよ」

「いやそんな悪いし。自分で買うよ」

「いいから。付き合ってもらったお礼」

《そのくらい払わせて》

 瑠璃ちゃんにダブルで説得されて私は折れた。近くの赤い自販機を見て言う。

「じゃあ、アクエリで」

「わかった。買ってくるね」

 デートで男性が良い所を見せる為に食事等をおごるようなものだろうか。私としては別におごってもらっても申し訳なく思うだけで嬉しくはないのだけど。

「はい、お待たせ」

「ありがとう」

 瑠璃ちゃんから飲み物を受け取り、蓋を開けて口をつける。運動のあとのスポーツ飲料は美味しい。瑠璃ちゃんが私の隣に腰を降ろしてから同じものを飲み始めた。

「ジョギングどうだった? しんどくない?」

《走るのしんどいからもうやめるとか言わないよね》

「……うん、ちょっとは疲れたけどこのくらいなら全然平気」

「よかった」

《はぁー、よかったぁ……》

 たとえ本当に疲れていて走るのが嫌になったとしても《声》にこんなにお願いされては嫌だと言えるわけがない。

 とりあえず体育祭が終わるまではこのジョギングに付き合うことに決めた。もしかしたら体育祭後も走ろうと誘われるかもしれないけど、そうなったらそうなったときに考えよう。

 でもまぁ、瑠璃ちゃんとジョギングをしながらおしゃべりするのはそんなに悪くないかな、とは思う。《声》がうるさくて恥ずかしいことを除けば、だけど。



「ねぇ、聡美ちゃんって好きな人いるの?」

 ジョギングの後ベンチで休んでいるときに瑠璃ちゃんが聞いてきた。辺りには薄闇が広がりつつあり、歩道脇の外灯に明かりが点灯し始めている。

「急にどうしたの?」

 どうしたの、と聞きはするが理由なんて聞くまでもない。瑠璃ちゃんにとって私に想い人がいるかいないかは重要だ。

 私が見返すと瑠璃ちゃんは軽く笑ってみせた。

「別にどうもしないけどさ、やっぱり年頃の女の子としては恋バナくらいしたくない?」

《好きな人いませんように好きな人いませんように》

 建前と本音が見事に食い違っている。もしこれで好きな人がいると答えたらどうなるだろうか。きっとすごく落ち込んで、悲しい《声》をあげて、それでも態度は平静を装うんだろう。そんな瑠璃ちゃんは見たくない。

「恋バナって言われても、私好きな人とかいないから」

「あ、そうなんだ。意外」

《やった。でもそれって私に対しても何とも思ってないってことだよね。はぁ……》

 どっちみち落ち込む結果は変わらなかった。複雑な乙女心というやつか。それはさておきここからどうするべきかと考える。普通の女子高生の会話なら間違いなく『瑠璃ちゃんは?』と聞き返す場面だけど、話を広げたくない私は何も言えずにいた。

「…………」

「…………」

 数秒の沈黙の後、瑠璃ちゃんの《声》が聞えてきた。

《聡美ちゃん聞き返してこないのかな?》

「……瑠璃ちゃんはいるの?」

 耐え切れずに聞き返すと瑠璃ちゃんは「えっと、私は……」と少しはにかんでから答えた。

「いる、かな」

《目の前に》

 この会話の流れはまずい。このままでは『え、ホント? 瑠璃ちゃんの好きな人って誰?』『い、言えないよ』『いいじゃんいいじゃん。教えてよー』『……実は私――』というテンプレに乗ってしまう。だからと言ってここで会話を掘り下げないのは逆に怪しすぎる。

 葛藤すること数瞬。私は会話の妥協点を探ることにした。

「全然気付かなかった。どういう感じの人なの?」

 誰? と名前を問うのではなく風貌や性格的なものをふわっと聞く作戦だ。あまりぐいぐい聞くのは失礼だから、という言い訳まで考えている。

「どういう感じかって聞かれたら――」

 ちら、と瑠璃ちゃんが一瞬私を見た。

《可愛い。優しい。抱き締めたい》

「うーん、まぁ可愛らしい人、みたいな」

「へぇ~」

 私は次に言うセリフを探した。薮をつつくような言葉ではなく、会話を終わらせられるような簡単なものが好ましい。

 人について詳しく聞くのはダメ。応援するよ系も墓穴を掘りかねないのでダメ。それより~と話題を急に変えるのも瑠璃ちゃんをおざなりにしているように思われるのでダメ。

 じゃあもう何も言えないじゃないか。

「…………」

 再びの沈黙に瑠璃ちゃんもさすがに訝しみ始めた。

《なんで聡美ちゃん黙ったままなんだろ。まさか私の気持ちに気付いたとかじゃないよね》

 これ以上はマズい。私はとりあえず瑠璃ちゃんに笑いかけて何とかその場をしのごうとする。

「ごめんごめん、どういう人かなーって考えこんじゃって」

「あぁそうなんだ」

 二人して愛想笑いで見合わせる。次の沈黙が訪れる前に私は先手を打った。

「あ、そういえばお母さんに買い物頼まれてるんだった。そろそろ帰るね」

 勿論嘘だけど解散できれば何でも良かった。ベンチから立ち上がり、置いてある自転車の方へと歩きだす。瑠璃ちゃんも後に続いた。

「じゃあ私も」

《もっと一緒にいたかったけど》

 瑠璃ちゃんの思考が逸れた。帰るなら今がチャンスだ。私は自転車に乗り、「また明日」とペダルを踏む足に力を入れようとした。そのとき。

「もし、私の好きな人が聡美ちゃんだって言ったら、どうする?」

「――――」

 私の全身が固まり、しまった、と内心で言い放った。

 心を読めるとはいえその能力は万能じゃない。まず反射行動は読むことが出来ない。まばたきのように無意識下で行われることに対してはどうやっても知りようがないのだ。そしてもう一つ、突発的な思いつきも読むことは出来ない。前を歩く人が忘れ物か何かを思い出して急に立ち止まるとき、思考から行動までの間が極端に短すぎるので事前に対応のしようがない。

 今回のことで言えば後者だった。《声》が聞こえたと思ったときにはすでに瑠璃ちゃんが喋り終わってしまっていた。

 しかしそれはもういい。瑠璃ちゃんが告白してくる可能性があることは前々から想定していた。私がやってしまったと思ったのは何も反応しなかったことだ。

『いきなり何? 私も瑠璃ちゃんのこと好きだよー』と冗談めかして言い返せばまだ本気で受け取っていないアピールも出来ただろう。けれど私は黙ったまま瑠璃ちゃんを見返してしまった。

「あ……」

 瑠璃ちゃんが一歩後ずさり、乾いた笑みを浮かべる。

「あはは、なんて、冗談冗談。変なこと言ってごめんね。私ももう帰ろっと。じゃあまたね」

《バレた! 絶対にバレた!! どうしようどうしようどうしよう!!》

 瑠璃ちゃんの《声》が叫びとなって私の頭に響く。それは瑠璃ちゃんが自転車で走り去って見えなくなってもしばらくの間消えることはなかった。

 結局私は、告白をされて承諾することも拒否することもなく、ただ突っ立っていただけだった。それは告白の返答としてはある意味最も最低だったかもしれない。

だって何も言わないってことは何も聞いていないことと変わらない。私は告白を受けたことにさえなっていないのだから。



 私の無言の返答を、瑠璃ちゃんは婉曲的な拒否と受け取ったようだ。翌日教室でいつものように挨拶をしていつも通り雑談をして表面上は変わりなかった瑠璃ちゃんだけど、《声》はずっと後悔を繰り返していた。

《あんなこと言わなければよかった》

《聡美ちゃんの驚いた顔が忘れられない》

《私の気持ちに気付かれずに済んだのに》

《聡美ちゃんは何も言ってこないけど内心引いてるんだ》

《消えてなくなりたい》

 その日瑠璃ちゃんからジョギングは一人でやるからもう付き合わなくていいよと言われた。少し寂しそうに笑った顔に隠された感情は、《声》を聞かなくても読み取ることが出来た。

『聡美ちゃんもその方がいいよね?』

 分かったとも嫌だとも言えず、私は曖昧に返事を返した。それ以上なんて声を掛ければ良かったのか。瑠璃ちゃんは昨日の告白のことを話題に出されることを怖がっていた。わざわざ蒸し返す必要はない。いっそ告白をなかったことにして今まで通りの友達でいられればそれが何よりじゃないのか。その為には私が普段通りに接していればいいんだ。時間が経てばまた元通りになれるはず。

 その考えは甘かった。

 私は《声》が聞こえることのつらさを十分に理解していなかった。毎日毎日隣の席から後悔と嘆きと自己嫌悪の《声》が聞こえてくるのだ。私の心的負担は《好き》のときの比ではない。害意や敵意よりはマシだけど、それでも学校が終わると疲労で倒れそうになる。感情というのはそれだけのパワーがあるのだ。

 植物の実験でこういうのがあるらしい。すくすく育てよ綺麗に咲けよと励まされながら育った植物は、罵詈雑言を吐きかけられながら育った植物よりもたくましく瑞々しく育つのだとか。

 ずっと《好き》と言われ続けて私は元気をもらってたんだな、と今更ながらに思う。どんなに恥ずかしかろうがそんなのは些細な問題でしかなかった。

 また瑠璃ちゃんに《可愛い》と言って欲しい。《好き》と伝えて欲しい。もし時間が巻き戻るなら告白される前に戻りたい。

 …………。

 違う。あるじゃないか。瑠璃ちゃんの《声》を元に戻す方法が。でもそれをするには何よりも私の勇気がいる。

 私は目を閉じて想像した。これから先、高校を卒業して大学へ行って就職していくなかで、ずっと隣に瑠璃ちゃんがいてくれたら。ずっと隣で私に《声》を聞かせてくれたら。

 あぁ――それってなんて恥ずかしくて、幸せな毎日なんだろうか。

 私は現在時刻を確認し、部屋を飛び出した。


 いつもの河川敷。日はすっかり落ちきって辺りはほぼ暗くなっている。私はベンチに座ったまま目当ての人物が戻ってくるのを待っていた。

「聡美ちゃん……?」

 外灯の明かりの向こうから瑠璃ちゃんがやってきた。息はあがり前髪が汗でひっついている。私と一緒に走ったときとは大違いだ。それはリレーの為のトレーニングなのか、嫌な記憶を忘れる為に自分の体に鞭を打っているのか。

 瑠璃ちゃんの顔に動揺の色が浮かぶ。ベンチに座りもせずに数歩離れた場所から私に話しかけてくる。

「ど、どうしたの? 今日はもうこれから帰るとこなんだけど」

《なんで? なんで来たの? やだやだ、何も聞きたくない何も話したくない》

 悲痛な《声》に私の脳がゆさぶられた。ぎゅっと拳を握りしめて耐える。ここで怖じけづいては何の為に来たか分からない。

 小さく深呼吸をしてから私は口を開いた。

「瑠璃ちゃん。私、瑠璃ちゃんに隠してたことがあるの」

「……え?」

 お母さんからきつく言われ続けてきたことを、今私は破る。

「私、人の心が読めるんだ」

「……」

《聡美ちゃん何言ってるの? え? 私をからかってる?》

「からかってないよ。真面目に話してる」

 私が《声》に答えると瑠璃ちゃんは自分の口を押さえた。無意識に喋っていたのかと思ったらしい。私は気にせず先を続ける。

「私の家系が昔から人の心を読むことが出来る能力を持っててね、私もそれを受け継いでるの。でもいつも人の心を読んでるわけじゃないよ。普段は読まないように制御して生活してる。けど、最近になって瑠璃ちゃんの心だけ勝手に読んじゃう現象が起きるようになって私困ってたんだ。だって瑠璃ちゃんずっと私のことばっかり考えてたから」

 瑠璃ちゃんが息を呑む音が聞こえてきた。

《人の心を読む? そんなのフィクションじゃあるまいし、実際にありえる?》

「ありえるからこの前の告白のときもすぐに気付いたんだよ。気付いたっていうか知ってたんだけどね」

《――さっきから私の考えてることに反応してる。もしかして本当に……?》

「本当だよ。なんだったら瑠璃ちゃんがこれまで私に対して思ってたこと言ってこうか? 朝会ったらだいたい《可愛い。好き》から始まって、授業中もこっそり私の方見て《横顔可愛い》って思ったり、あぁそれと私の肌がすべすべで触り心地良さそうなんだっけ?」

「え、あ、ぅぇ――!?」

 冗談めかして言うと瑠璃ちゃんの顔がみるみる真っ赤になっていった。

《え、え、ウソ? 今までの私の心の声、全部聞かれて――わぁぁああっ! 待って待って! だって私ずっと聡美ちゃんと会う度に――あぅぁぁぁ、恥ずかしくて死ぬ!》

 悶え苦しむ瑠璃ちゃんを見て、ほんのちょっとだけ笑ってしまった。ずっと聞かされていた私だって恥ずかしかったんだから本人にしてみれば尚更だろう。

 しばらく待って瑠璃ちゃんが多少落ち着いた頃合いを見計らって話しかける。

「大丈夫、瑠璃ちゃん?」

「……うん、まぁ」

《全然大丈夫じゃないよ……》

 今も心を読まれているのを分かっているのかいないのか。表面上はなんとか取り繕う瑠璃ちゃん。

 いよいよ私は本題へと入ることにした。ベンチから立ち上がり一歩前へ進み、まっすぐに瑠璃ちゃんを見つめる。

「このまえの瑠璃ちゃんの告白の件なんだけど」

「あ……」

《そっか。返事をする為に来てくれたんだ》

「返事……うん、そうだね。でもあれって冗談だったんでしょ? じゃあ返事は必要ないんじゃないの?」

「それは、えっと……」

 すぐに返事を言わなかったのは私なりのちょっとした意地悪だったんだけど、同時にもっときちんとした言葉で伝えて欲しいと思ったからだ。一生に一度の初めての告白。冗談やごまかしを交えずに言って欲しい。

《心が読めるなら冗談なんかじゃないって分かってるよね? え? どういうこと?》

 聞こえてきた《声》に私は助け舟を出してあげた。

「瑠璃ちゃんの気持ちをもう一度聞かせて欲しいってこと」

「気持ち……」

《私が聡美ちゃんを好きだってこと?》

 数日ぶりに聞いた言葉に私の胸がほのかにあたたかくなる。それが嬉しいという感情だと気付いて自然と頬が緩んだ。

 私の表情を見て瑠璃ちゃんが顔を再び赤くした。心が読まれたのが分かったのだろう。私はいたずらっぽく尋ねた。

「好き、だけでいいの?」

「あ、いや……」

《勿論付き合いたいよ。聡美ちゃんがイヤじゃないなら恋人になって欲しい、けど》

「イヤじゃないよ」

 待ち望んでいた問いかけを噛み締めるように私は微笑んだ。目をまんまるにした瑠璃ちゃんが私を見返している。よほど信じられないのか心の中でウソだウソだと繰り返している。

 私は一歩ずつ距離を縮めながら同じ言葉を口にした。

「イヤじゃ、ないよ」

「…………」

 瑠璃ちゃんが唇を震わせている。何度かぱくぱくと動かしていたが喋りたくても喋れなかったようで今にも泣き出しそうな顔を私に向けた。そして瑠璃ちゃんは初めて《声》で私に話しかけてきた。

《私と、付き合ってくれますか?》

 私の返事は決まっていた。

「はい」

 次の瞬間瑠璃ちゃんが泣き崩れた。しゃがみこんだ瑠璃ちゃんの背中をぽんぽんと叩きながら、こんなにも喜びの《声》に満ち溢れた涙があるんだ、と思った。泣き声がかき消されるほどの大きな《声》は、けれどまったくうるさいと感じずむしろ心地よいくらいだった。

 心が読めることで不快になることもあるし読めなければ良かったと思うこともある。でも私はサトリに生まれて良かった。瑠璃ちゃんの嬉し涙を見ながら《声》を聞き、改めてそう思った。

 ふと喜ぶ《声》に混じって違う《声》が聞こえてきた。

《私今汗くさいのに――》

 思わず小さく吹き出してしまった。こんなときでも女の子を忘れない瑠璃ちゃんの可愛さに目を細め、私はそっと肩を抱き寄せた。全然汗くさくないよと言う為に。



 何故瑠璃ちゃんの《声》だけが急に聞こえるようになったのかは分からなかった。

 瑠璃ちゃんが私を好きになったからかと思ったけど、中学のときからずっと私に片思いをしていたらしいので違った。

 あと考えられるのは私の制御がヘタなせいで《声》を完全にシャットアウト出来ていなかった、なんだけど瑠璃ちゃん以外ではそんなことは起こっていないのでそれも違う気がする。

 私はダメもとでお母さんに聞いてみた。お母さんも私と同じくサトリなので(というよりお母さんがサトリの家系だ)何かしら知っているかもしれない。

「《声》が勝手に聞こえる? 聡美が制御出来てないだけじゃないの?」

 リビングでくつろいでいたお母さんが冗談半分に言った。

「ちゃんと制御出来てるよ。急に友達の《声》が聞こえるようになったんだって」

「誰か特定の人の声が聞こえるってことね」

「そうそう」

 さすがに今の恋人だとは言えなかった。っと、あんまり瑠璃ちゃんのことを考えすぎるとお母さんに心を読まれたときにバレてしまう。なるべく考えないようにしよう。

 お母さんは特に悩むこともなくあっさりと答えた。

「それ原因は二つあるのよ」

「えっ、知ってるの?」

「当たり前じゃない。伊達に聡美の倍以上サトリやってないわよ」

「それで原因ってなに?」

「一つはその《声》の相手が聡美に対して並々ならない感情を抱いてる場合ね。感情が強すぎると私達じゃ止められないときがあるの」

 つまり瑠璃ちゃんの私に対する好意が強くなりすぎて《声》が強制的に送られてきていたということか。そういう言い方をされると好意を受ける側としてはちょっと照れくさい。

「で、もう一つは逆に聡美の方がその相手に強い感情を抱いた場合。そうすると無意識のうちに相手の《声》を拾っちゃうときがあるのよ。それがいきすぎると受信しっぱなしになっちゃうから注意が必要なんだけど――どうしたの聡美? 顔が赤いわよ?」

「な、なんでもないっ! ありがとうお母さん」

 その場から逃げ出そうとした私の腕がお母さんに掴まれた。

「あやしいな~。聡美、何があったの? 言わなくていいから思い浮かべなさい」

「待って! 心読んだら本気で怒るからね!!」

 手をほどこうと腕に力を入れる私を見てお母さんが何かに気付いた。すぐにニヤニヤと意味ありげな笑みを浮かべる。

「あ~、なるほどね~。そっかそっか、聡美ももうそんな年頃か~」

「よ、読んだの!?」

「読まなくたって分かるわよ。お母さんもお父さんと出会って同じような経験したから。いやぁ、懐かしいわね~。お父さんったら全然顔に出ないのに心の中じゃすごかったんだから」

 そのときお母さんが急に自分の口を押さえた。洗面所の方に視線を向けて私にひそひそ声で言う。

「お父さんに聞こえちゃってたみたい。恥ずかしいから聡美に話すな、だって。その気になったら聡美だってお父さんの心読めるんだから別にいいじゃないねぇ?」

 お母さんが手を緩めた隙に私はようやく離れることが出来た。

「私はお父さんに賛成。家族だってプライバシーはあるから。そういうのはどうぞ夫婦間だけで楽しんでください」

「ひどい……聡美はお父さんの味方なのね……私がお腹を痛めて産んだのに。くすん。――じゃあお父さんからかって遊んでこよっと」

 けろりと言い放ちお母さんがソファーから立ち上がって洗面所の方へ歩いていく。まったくこの人はタチが悪いことこの上ない。まぁお父さんなら慣れてるだろうから別にいいけど。夫婦仲が良好なのは良く知ってる。

「聡美もその子と仲良くしなさいよ」

 リビングを出ていく間際にお母さんが言った。

「――――」

 読まないでって言ったのに。

 上機嫌で去っていくお母さんの背中を睨みつける。睨んだところで知られた事実は消えないし、お母さんが反省することもないんだけど。

 リビングにひとりになってからソファーにどすんと腰を降ろした。

 でもまぁ、お母さんとお父さんみたいな関係になれたら良いなと実際思う。ずっと心が繋がっていて、それを苦にすることなくお互いに好意を隠さず伝え合える関係。

 私達もなれるかな?

《うん、なれるよ》

 瑠璃ちゃんの《声》が聞こえた気がした。なんとも自分に都合のいい幻聴だけど、おそらくきっと瑠璃ちゃんもそう言ってくれるだろう。

 それだけは《声》を聞かなくても断言できる。




〈おまけ〉


私の彼女のサトリちゃん



 私こと望月瑠璃には彼女がいる。最近付き合い始めたばかりのその彼女の名前は巫聡美。

 どこにでもいる普通の百合カップルの私達だが、彼女の聡美ちゃんには秘密があった。なんと聡美ちゃんはサトリだったのだ。

 そういう始まり方のアメリカのコメディドラマがあったのを思い出した。あっちはサトリではなく魔女だったが。何故私が生まれるよりかなり前のドラマを知っているかとかは考えてはいけない。まぁ有名な作品なのでテレビか動画で観たのだろう。多分。

 それはともかく。

 私の思考が常に筒抜けだということはかなり恥ずかしいし不用意なことを考えられないので不安な部分はあった。だが瑠璃ちゃんと付き合ううちにむしろ心を読まれるからこそ良いのだと分かってきた。

 例えばデートをしたとき。初めてのデートはやっぱり緊張する。うまく喋れなくて手を繋ぐことさえ出来ない人もいるだろう。でも私の場合《手を繋ぎたいな》と思うだけでいい。そうすると聡美ちゃんが少し恥ずかしそうにしながら私の手を握ってくれる。そうして手を繋げた喜びも自然と聡美ちゃんに伝わるのだ。

 気持ちを伝えるのに声を必要としないというのはかなり便利だと思う。

 周りに人がいようがどれだけ静かな場所だろうが関係ないのだ。授業中でも帰り道でもジョギングをしているときでも《好き》を伝えられる。

 私が聡美ちゃんへの恋慕の念を心に浮かべるだけで反応が返ってくるのはすごく楽しいし嬉しい。授業中にそっと《好き》と呼びかけると聡美ちゃんは最初無視をするのだが、何度も何度も呼びかけると恥辱に耐えるような表情で私を睨むのだ。その様子がすごく可愛くて抱きしめたくなる程いとおしくなる。

 そういうわけで聡美ちゃんと恋人になってからますます毎日楽しく過ごしているわけだが、仲良くなればなるほどどんどん欲が出てくるのが人間というもので。

 聡美ちゃんとキスがしたい。

 恋人ならその欲求を抱くのは当たり前ではないだろうか。もちろん付き合う前も聡美ちゃんとキスしたいと思ったことは何度もある。けれど叶うはずのない夢に想いを馳せることと、明確に目標として決意することは違うのだ。

 絶対に聡美ちゃんとキスをする。

 私の想いが本気であることを示すために、一日中ずっと心の中で言い続けてみた。

 朝会ってから授業中も休み時間もお昼ごはん中も下校で別れるときもジョギング中も絶えることなく思い続けた。

 聡美ちゃんから返事はない。聞こえていないということはないだろう。時折ぴくぴくと眉のあたりが震えているのを見た。

 ジョギングを終えていつものようにベンチで談笑しているとき、聡美ちゃんの我慢が限界に達した。

「あーもうっ!! 朝からずっとキスキス言い過ぎ!!」

 私はこのとき勝利を確信した。

「勝手に勝利を確信しないで……!」

 なんて聡美ちゃんは言っているが、本当に嫌なら話題に出さずに帰宅すればいいだけ。それをせずにここで切り出すということは、つまりそういうことだ。

「そういうことって何!?」

「え? キスしていいよってことじゃないの?」

「だ、誰もそんなこと言ってない!」

 私はサトリじゃないから聡美ちゃんが本当はどう思っているのか分からない。けど私から見ても聡美ちゃんが嫌がっているようには見えなかった。こうやって私が考えていても聡美ちゃんが何も言ってこないのがその証拠だ。

「そういうわけじゃ……」

 なかなか認めない聡美ちゃんに私は切り札を使うことにした。体を横に向けて聡美ちゃんに顔を近づける。

「聡美ちゃん、キスしよ?」

《聡美ちゃん、キスしよ?》と心の中でも同時にお願いする。聡美ちゃんは声と《声》の両方からアプローチされるのにすごく弱い。

「ぁ、ぅ、でも……」

 真っ赤な顔でしどろもどろになりながらそれでも最後の壁を守ろうとする聡美ちゃんに、私は有無を言わさずキスをした。

「――――」

 夢にまで見た聡美ちゃんの唇。あぁ、柔らかい。少ししょっぱいのは汗だろうか。多分私の唇も同じだ。私は唇を細かく動かしながら夢中で吸いついた。自分のものと違う唾液が私の唇を濡らす。そのぬるぬるした感触がさらに私の興奮を高めていく。

「――ん、んん」

 そのとき聡美ちゃんが小さく首を横に振っているのに気が付いた。私は唇を少し離して尋ねてみた。

「どうかした?」

 聡美ちゃんは「はぁはぁ」と短く呼吸を繰り返しながら力無く呟く。

「キスの、感想、流れ込んで……」

 どうやら私のキスの所感が聡美ちゃんに伝わり、言うなれば倍の濃度でキスをしているような感覚になっていたらしい。

 聡美ちゃんが頷いて肯定する。

 なるほど。つまりキスをすればするほど聡美ちゃんは堕ちていくのか。

「――っ!?」

 私の考えを読み取って聡美ちゃんが逃げようとするが、これだけ密着していて逃げられるわけもなく。

 暴れられないように両腕を掴み私は再び聡美ちゃんに唇を重ねた。そんなに感想を聞きたいというのなら口の中のことまでたっぷりと調べてレポートしてあげることにしよう。

「んん~~っ!!?」

 ひと気のない夜の河川敷に私の恋人の嬉しそうな悲鳴が消えていった。


 気持ちを声で表すのは難しい。

 頭の中で自分の感情を整理して言葉を選び、肺から空気を外へ送り声帯を震わせ、唇と舌を動かしてようやく気持ちは声となって外へ出ていく。

 声を出すっていうのはとてもエネルギーが必要なことだと思う。だから人はしばしば声に出すことを面倒くさがり、その結果家族や恋人同士でも喧嘩をしたりする。

 その点で言えば私はなんて恵まれているのだろうか。

 何も言わなくても理解してくれる。支えてくれる。一緒に歩いてくれる。

 お互いに恥ずかしくなるようなこともたくさんあるだろうけど、それ以上の幸せがあるのだと言い切れる。

 彼女がサトリであることが、今はこんなにも嬉しくて誇らしい。

 この気持ちもどうか目の前のあなたに届きますように。



            終

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんだかんだ受け入れちゃうのがなんかすっごいきゅんきゅん来ますね! [気になる点] 口の奥らへんが甘ったるくなってしまった点
[一言] エッセイ「なまこが紹介する、『お気に入り短編集』」の紹介でお邪魔しました。 滅茶苦茶ドストライクな百合でございました!!! 瑠璃ちゃんみたいな一見小動物的で可愛いらしいのに実はゴリゴリ肉食な…
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