最も大切なこと
一度事が起こったとき、絶対に従わなければならないモノ、接待に敵対してはならないモノ、何としてでも味方にしなければならないモノがあります。
それは事実です。危機にあって事実以上に恐ろしいモノは無いのです。危機は言い換えれば事実が敵対しているあるいは敵対しつつある状態です。
先ず、既存の事実には逆らわない(現状を客観的に俯瞰し受容れる)ことです。既存の事実には服従する必要があります。俯瞰した現状に対して謙虚に振舞えばこれ以上の敵対は回避できます。
次に自らの行動、即ち自ら生み出す新たな事実が敵対しないように振舞うことです。後々その行動が刃となって我が身に降りかかるような軽率な行為は避けなければなりません。
そして最後は事実を味方にすることです。表現は簡単ですが具体的に何をすれば良いのでしょうか? それが拙文全体の目的です。
今は事実に従い、決してこれ以上敵対しないことが重要である。
と言う事を覚えていて下さい。
さて、事実と同様に使われる言葉に真実があります。
事実と真実は似て非なるものと私は考えています。事実は客観的かつ価値観を伴わない純然たる事象の断片を意味する言葉として私は用いています。
逆に真実とは事実を一定の視点と立場(価値)の下でつなぎ合わせ租借したモノとして用います。真相と言う言葉は私が用いる真実に近い意味合いで良く使われていると思いますが、ここでは真実という用語一本で認めていくことにします。
重要なことは事実から如何に良い真実を構成し、それを必要な存在と共有することかであると考えています。所謂危機管理は、如何に早く、誰と、良き真実を、共有するか? と言う問題に帰着すると考えているのです。
注意するべきは事実は一つでも真実は(視点や価値観によって)無数に存在し得るモノだと言う事です。一つの事実に対してよき真実と悪しき真実の双方が同時に存在し得ることを忘れると全ての関係者が不幸になる結果もあり得るのです。
良き真実とは何か? 共有するべきは誰なのか?
以降具体例を交えてながら説明してゆきたいと思いますが、その前に一つ直近の事象について触れてみます。