4歳になりました、魔法を試します
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昨日は、私の誕生日でめでたく4歳になりました。前世の記憶がある私は、比較的に手のかからない子だったが両親の考えで4歳になるまでは家から出られなかったのだ。
両親曰く、4歳位までは、領地内とその周辺の地理と領主から許しが無ければ入れない場所、そして危険があるので子供だけで行ってはいけない場所〔強い魔獣の生息する森の奥など〕について言い聞かせる期間との事だ。
(あと、日常的なマナーやしてはいけない事を教える期間でもあるらしい)
そしてとうとう4歳になった私は…
「やっと、思う存分魔法が使える……私は自由だー‼」
広い草原を前に歓喜の叫びを上げていた。
「家族と居るのは楽しいけど、外出禁止はな~まあそれももう終わり…フフフ」
前世で家族の時間なんて皆無だったから家で過ごすのは嬉しかった。けど魔法に関しては、家の中それも家族の前で使う分けにもいかず、皆が寝静まった夜中などに目立たない魔法限定でしか練習出来なかったのだ。
「まあ、時間はたくさんあったから火・風・水・土の属性も4歳までに覚えられたのはよかった」
地味な魔法しか練習出来なかったので4属性とも一緒に練習したのだ。
「さて、暗くなる前に練習と探索やりますか」
今回は森の行ってはいけない場所の少し手前まで探索しつつ狩りの予定だ。前世では飲食店や工事現場など様々なバイトをしていたが、あくまでもバイトなので給料は学費や家賃で殆ど消えた。
幸い住んでいた所は近くに山があり少し遠いが日帰りで海にも行けたのでそこで食料の調達していたのだ。
「魔法やスキルがあるから、前世の時みたいに食べれない物に当たらないのが嬉しいね~」
前世での狩りと調達を思い出しながら識別のスキルを使い薬草や木の実を袋に入れていく。
(ん、なんか来てる)
…ガサ…ガサ……ガサガサ…
「グルゥ…っグガアァァー‼」
グレーの毛色に濃い赤眼の狼が草むらから飛び出て、私にその鋭い牙で噛み付こうと襲ってきた。
「大きいねぇ、ん~確かウルフってまんまの名前だったかな?」
4歳までの教育期間に森や草原によくいる生き物として教えられた内の1種で魔獣ではないらしい。そんな事を考えながらウルフの攻撃を避けていると近くに隠れていたウルフたちも参戦してきた。
「ひーふーみ、と5匹か」
ウルフはこの5匹だけのようで周りを見回し、他にいないのを確認すると、右手を銃の形にして1番近くのウルフに人差し指を向けてた。
「それじゃあ反撃いくよ?【アクアバレット】‼」
指先にソフトボール程の水の玉が出現しビー玉サイズまで圧縮され放たれウルフの眉間を撃ち抜いた。残った4匹に動揺が走る。そして確実に私を仕留める為、4匹が同時に飛び掛かってきた。
「そう来るなら、【エアブレイド】っ」
本来エアブレイドは、剣や槍などに纏わせ風の刃を生み出し付与する魔法だが、それを手刀にした左手に付与する。
「うりゃっ、とっ、よいしょー‼」
「ギャウッ!」「キャウーン」
正面のウルフの顎を蹴り上げ右手で掴み後ろから迫る奴に投げつけると、左右からの攻撃を2・3歩前に出て回避する。
「…っ…セイ‼、【アースニードル】!」
振り返り際に左手の手刀で斬り付け、左右から来た内の片方の首を落とせたが、もう片方は草むらに隠れられてしまった。
投げ飛ばしたウルフは頭同士でぶつかったのか動きが鈍かったので、すかさず魔法を叩き込む。
「グウッ…ッガアァー‼」「…グ…ウ…ガア…ァ…」
「ふう、あと1匹だね…【ロックソード】」
岩の剣を作り隠れたウルフに集中する。神経を研ぎ澄まし周囲に意識を向ける、隙が出来るのを待っているのかなかなか攻撃が来ない。こちらを狙う気配はあるから逃げていないのは分かる。
ーピロンー
そんな状態が続く中、奇妙な音が頭に響く。
「今の音って何だったん…っ‼…」
謎の音に気が向いた瞬間にウルフが仕掛けてきた。ギリギリで何とか地面を転がり回避して振り返ったウルフの頭目掛けてロックソードを降り下ろした。
「はぁ~危なかった、今ので全部倒せたみたいだし今日はここまでかな」
討伐したウルフ解体して空間魔法で収納し終えたら結構いい時間だったので空間魔法で家の近くに転移して帰った。
ーーーーー
「実戦で攻撃魔法を初めて使ったけど、ほんと便利だよ♪」
家では水の玉を作るなど、そこまでの練習は出来てもそれ以上は危ないので、今日は記念すべき初攻撃魔法の日になった。
「さてと、あの音って何だったんだろ?」
とりあえず自分のステータスを確認すれば何か分かるかと思い識別を使用した。
「あれ?スキルが増えてる…てーことは、あの音ってスキル習得のお知らせなのか」
謎の音の正体が分かり、ステータスには【気配察知】が追加されたのだった。
次回も予定どうり1週間後の22時投稿になります。どうぞよろしくです。