ほとんど騒音公害
トードウォリアーの「@@@」は延々と続いていた。いつもよりボリュームが大きく、ここまで来ると、ほとんど騒音公害。
アンジェラは、両手で耳を押さえ、
「お姉様、これは、一体……」
「なんだか知らないけど、カエルさんたち、今日はなぜか、特別に気合が入ってるみたいね」
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「ほんまに…… ええ加減にせえっちゅうの」
ザリーフは腹立たしげにつぶやいた。プチドラも、とうとう耐えられなくなったのか、舳先からピョンと飛び降り、頭を隠すように体を丸くして、小さな手を頭に回して耳を押さえた。
ナスル殿下を見ると、時折部下に細かい指示を出しているようだけど、その声は、トードウォリアーの「@@@」に阻まれ、わたしたちのいる舟にまで届いてこない。
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一体、なんなんだか…… 本当に、訳が分からない。
ところが、トードウォリアーの「@@@」は、なんの前触れもなく、突然、ピタリと止んでしまった。
そして……、密林は再び静寂に包まれていた。
ナスル殿下もリザードマンの精鋭も、まるで、キツネやタヌキに化かされていたかのように呆然としている。わたしたちは、しばらくの間、警戒態勢を緩めずに備えていたが、何事も起こらないし、起こりそうな感じもない。今まで「@@@」で騒がしかったのがウソのような静けさだ。
「一体、どないしたんやろな…… ほんま、大概にしてほしわ」
ザリーフはそう言うと、「ふぅ」とため息をついた。うんざりしているのだろう。意味ありげに大声で「@@@」を大合唱しておきながら、結局何事も起こらない。本当に何事もなしなら、トードウォリアーどもめ、わたしたちをおちょくっているとしか思えない。
やがて、密林にナスル殿下の号令が響いた。これ以上待っていても意味がないと判断したのだろう。殿下の号令を受け、舟は順番にゆっくりと動き出した。
こうして、物音一つしなくなった密林の中を、しばらく進んでいくと……
「ありゃ、こらぁ、なんや? どっち行ったら、ええんやろ……」
ザリーフが困ったような声を上げた。今までわたしたちがさかのぼってきた川は、目の前で二つに分かれていた(正確に言うと、わたしたちがいるところで二つの川(支流)が合流し、一つ川(支流)になっていた)。




