表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ザ☆旅行記Ⅸ 南方探検記  作者: 小宮登志子
第6章 不思議な(変な)仲間
37/115

関西弁のリザードマン

 突如として現れた関西弁(及び大きなメガネ)のリザードマンは、わたしたちの前にスッと腰を下ろし、

「ほんまに、帝国の人がここまで来るんも、久しぶりやなぁ。何年ぶりやろな~。この前に来たんは、いつやったかなぁ……」

 と、しばらく頭に手を当てて考えた後、

「え~っと、いつやったか忘れてもた。しゃーないなぁ。でも、まあ、ええわ」

 なんだか、このリザードマンだけ、かなり、ノリからして異質のような気がする。

「それはそうと、あんたら、帝国のどの辺から来たん?」

 わたしとアンジェラは顔を見合わせた。関西弁のリザードマンは、あまりにもサプライズな出会いだけど、見ていると、邪悪な感じや悪者っぽい印象は受けない。

 わたしは、一応、居住まいを正してから、

「帝都からです。その後、南方大要塞で、昔知り合ったフサイン部隊長に会いまして……」

 すると、関西弁のリザードマンは、「へぇ!」と驚き、

「ほな、あんたら、フサイン部隊長のこと、知ってるんや。フサインさんも、ほんま、顔が広いわぁ」

「ということは、あなたもフサイン部隊長のことを御存知?」

「知ってるでぇ。いや、知ってるゆうか、友達やな。なんで友達になったんか、よう分からんけどな」

 関西弁のリザードマンは快活に「ハハハ」と笑った。一風変わった人(精確にはリザードマン)みたいだけど、酒宴で都合よく言葉が通じる(なぜ関西弁なのかは、この際、問うまい)リザードマンが現れて、しかも、フサイン部隊長の知り合いということは、いつものパターンからすれば……

「あの~、失礼ですが、御名前をお伺いできますか?」

「名前か? そんな、大したもんちゃうけどなぁ。一応、名乗っとこか。わしはザリーフ。王立研究所で、地誌学の研究やってるんや」

 やっぱり!? 最初に抱いていたイメージには合わないけど、この関西弁のリザードマンが、フサイン部隊長紹介のザリーフらしい。


 わたしは、フサイン部隊長が書いてくれた紹介状をザリーフに見せて、自己紹介。身分を隠す必要はなさそうなので、ウェルシー伯のカトリーナ・エマ・エリザベス・ブラッドウッドと、久々にフルネームで挨拶。なお、アンジェラはわたしの妹、隻眼の黒龍は、そのまま伝説の隻眼の黒龍として紹介した。

 ザリーフは、ずり落ちそうになった大きなメガネを押し上げ、

「へぇ~、そうやったんかぃ。と、ゆうことは……、そうや、ひょっとしたら、あんたら、この前の帝国との戦役の時に、うちらの助っ人になってくれたんちゃう?」

 言われてみれば、以前、トカゲ王国軍に「義によって助太刀」云々みたいなこともあって……、というわけで、わたしは肯定する意味でニッコリとうなずいた。

 すると、ザリーフはピョンと、飛び上がるようにして立ち上がり、「◆@#$……」と、(意味は分からないが)何やら大声で叫び始めた。その声を聞いたリザードマンは、なぜだか、次々と、わたしたちの間近にまで駆け寄ってくる。一体、なんなんだ???

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ