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帝国宰相は超御機嫌

 わたしたちは、シャボン玉のような魔法の球体に乗り、南方からはるばる北を目指した……のではなく、ダーク・エルフの魔法の力によって、球体ごとテレポートを繰り返し、超特急で帝都まで戻った。そのため、南方を発ってから帝都に到着するまでは、ほんの数日しか、かからなかった。

 アンジェラは、なんだか少し物足りない様子。もっと多くの時間、空から帝国の様子を眺めていたかったのだろう。でも、その数日の間に、アンジェラとダーク・エルフたちは、すっかり打ち解け、「お友達」になることができたようだ。ただし、ダーク・エルフの非合法活動は、「言えないけど、とっても重要なお仕事」、アンジェラの出自(本当は先帝の御落胤ということ)は「よく分からない」ということにして、お互いに秘密を持ち合うような形。

 なお、南方を発つ直前に聞こえた「@@@」、あれは聞かなかったことにするか、さっさと忘れることにしよう。このまま戻るのは少し口惜しい気もするけど、これ以上トードウォリアーにかかわっていても、ロクなことにならないと思う。まさか、B級ホラーみたいに帝都まで追いかけてくることは……、多分、ないと思う。


 こうして、わたしたちは帝都に到着。平穏でも平凡でもないが、いつもの日常に戻ることになった。デスクワークが嫌いなわたしは、当分の間は(いつまで続くか分からないけど)ポット大臣とエレンがわたしの職務を正式に代行すべきとする命令書に署名してミーの町に送り、帝都の屋敷に留まることにした。成り行き上、アンジェラも、わたしの妹あるいは「妹分」として、屋敷に滞在。また、ダーク・エルフたちは、屋敷の地下を根城に、「すべてのエルフの母」を救出するという崇高な目的をもって、非合法活動を再開することになった。プチドラは、例によって、金貨の詰まった袋に潜り込み、金の肌触りを愉しんでいる。


 ちなみに、帝都の状況はというと、

「おお、我が娘よ、久しぶりじゃな。今まで、どこで何をしておったのじゃ?」

 帝国宰相は、なぜだか超御機嫌で、プチドラを抱いて宮殿に出向いたわたしを迎えてくれた。

「いえ、ちょっと…… 話し出すと、途方もなく長い話になってしまいますが……」

「そうか。おまえもいろいろと、苦労しておるようじゃな。まあ、それはそれとして…… これを見るがいい。どうじゃ? 立派なものであろう」

 帝国宰相が示したのは、1.5メートルくらいの高さの金色に輝くカエルの像。わたしは思わず目を見張った。プチドラは、象の表面をじっと見つめ、ペタと手を当てて感触を確認。そして、指を曲げてマルのサイン。ということは、すなわち、この像が純金ということ。

「これは、一体、なんでしょうか? なんというか、あまり、よい趣味とは……、いえ、そうじゃなく……」

「はっはっはっ! なんじゃ、知らなかったのか? 近頃、帝都では、この話で持ち切りじゃったぞ。これこぞゴールデンフロッグじゃよ。どうじゃ、この輝きは! 美しいとは思わんか。これぞ王者のしるしというものじゃ!!」

 これが、ゴールデンフロッグ!? でも、なぜ? どうして?

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