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ザ☆旅行記Ⅸ 南方探検記  作者: 小宮登志子
第13章 とんでもないこと
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ゴールデンフロッグの意味

 地上は文字どおり一面の焼け野原だった。核爆発の巨大な熱量により、密林の木々は、一瞬にして燃え尽きてしまったに違いない。湖に浮かんでいた巨大なカエルや、その上に乗っかっていたリザードマンたちは、もはや影も形もない。湖のすぐ隣には、湖とつながるように、丸い形をした巨大なクレーターが出来上がっていて、その中に向かって湖から黒っぽい水が流れ込んでいる。

 魔法の球体の中では、みんな、あんぐりと口を開け、ただただ、この異様な光景を見つめるばかり。しばらく時間が流れ、最初に口を開いたのはガイウスだった。

「いやぁ~、なんというか…… 焼畑農業を始めるには、丁度いいかもしれないね」

「みんなでここに引っ越しますか?」

 と、クラウディア。

 わたしはビックリして、「それだけは止めて!」と言おうとしたら、彼女は「まあまあまあ」と、わたしをなだめるように、

「いえ、冗談ですよ、じょ……う……だ……ん。何はともあれ、『すべてのエルフの母』を救出しなければ」

「そうだな、『すべてのエルフの母』の救出こそ我々の悲願だからな。ともかくも地上が『とんでもないこと』になってたのは分かったし、カトリーナさんたちも無事だったのだから、そろそろ帝都に戻ることにしようか」

 すると、ダーク・エルフたちは、無言でうなずいた。


 こうして、ダーク・エルフたちは、帝都に戻ることになった。わたしとプチドラとアンジェラも、ついでに魔法の球体で帝都まで運んでいってくれるらしい。

 ゴールデンフロッグの正体は、結局、分からずじまい。あれは、なんだったのだろう。湖に出る前、二つの川が合流しているところで「@@@→→→」という怪しい看板があったけど、そこで、実際に進んだ方向とは反対に、右の方に行ってみたら、どうなっていただろう。今更確かめに行く気にはならないが、もしかすると、本当に本物のゴールデンフロッグを目にすることができたかもしれない。

 あるいは、核爆発に使われたのが、MIRV化されたFROGミサイルで、エルフの古い記録「巨大なカエルを屠れば、辺りは金色の光に包まれ、やがてすべてが滅び去るだろう」の「金色(=ゴールデン)」に引っかけて「ゴールデンフロッグ」という、落ち目になったマニアックな漫画家が使いそうな、分かる人なら眉をひそめかねないオチという可能性も無きにしも非ずだけど……、ザリーフでもあるまいし、さすがにそれはないだろう。

「カトリーナさん、何を考えこんでいるのですか? そろそろ出発しますよ」

 クラウディアは、わたしに顔を近づけて言った。やがて、魔法の球体は、ふわふわとシャボン玉のように、空に浮かび上がった。「これで南方ともお別れか」、そう思った時、


 @@@……………………… @@@……………………… @@@………………………


 ほんとにもう…… いい加減にしなさい!!!

 そして、辺りは静寂に包まれた。

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