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ザ☆旅行記Ⅸ 南方探検記  作者: 小宮登志子
第13章 とんでもないこと
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地上に降りてみよう

 やがて、ガイウスは、注意喚起のためであろう、おもむろに咳払いをして、

「え~っと……、いつまでもここで、ぼ~っとしていても仕方がない。地上に降りてみないか」

 地上に降りるって!? ファンタジー世界の住民だから知らないだろうけど(もちろん、わたしにも厳密に科学的な知識はないが)、今、地上では、恐ろしい放射能がウジャウジャとうごめいているはず。

 わたしは半分パニックになって、小さくジャンプしながら「はーい、はーい」と手を挙げ、

「それだけはダメ! 命にかかわる! 絶対にダメ!!!」

 すると、ガイウスは、「はぁ?」と目を点にして、

「すまないが、言ってることがよく……、いや、サッパリ分からないんだが……」

 クラウディアや他のダーク・エルフも、一斉にわたしの方を向き、首をひねり、一様に「???」という表情。もちろん、アンジェラやプチドラも同じ反応を示している。

 わたしは声を大にして、

「とにかく、地上は、え~っと……、早い話、目には見えないけど致命的に殺人的な、危険な粒子で一杯なの!」

「あ~……、ということは、つまり、地上には極めて有害な毒ガスが充満しているということかな。それなら、地上に降りて散策するわけにはいかんな」

 と、ガイウス。必死に訴えたかいあって(魔法でわたしの内心の恐怖感を読んだのだろうか)、意味が正確に伝わったとは言いがたいが、一応、地上は危険だということは理解してもらえたらしい。

 しかし、ガイウスは、ポンと手をたたき、

「だったら、地上に降りても、この魔法の球体から出なければ、何も問題はないということだろう」

 同時に、ダーク・エルフから大きな歓声が上がった。


 ガイウスが合図を送ると、20人くらいのダーク・エルフが、もう一度、輪になり、何やらブツブツと呪文の詠唱を始めた。魔法の球体はゆっくりと地上に向かって降下し、それにつれ、わたしの不安も大きくなっていく。重ね重ね言うようだけど、この魔法の球体は、本当にわたしたちを放射能から守ってくれるのだろうか。

 よくよく考えてみれば、エルフはヒューマンとは違う。もしかすると、エルフは放射能にも十分な耐性を持っているのかもしれない。ならば、魔法の球体に放射能への防御があろうがなかろうが、エルフにとっては関係がないことになる。

 だったら……、非常にまずい! ところが、わたしの不安をよそに、ダーク・エルフはキャッキャッと子供のようにはしゃいでいた。

 クラウディアは、背後からわたしに抱きつき、

「そんなに深刻に考えなくても大丈夫ですよ。毒ガスでも細菌でも、この球体の中にいれば安全です」

 毒ガスとか細菌って…… なんだか微妙なもの言いだけど……

 それはさておき、やがて、魔法の球体が地上に近づき、地上の状況がどのようなものか明らかになると、誰もが驚いて目を見開き、「おお!!!」と声を上げた。

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