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ザ☆旅行記Ⅸ 南方探検記  作者: 小宮登志子
第13章 とんでもないこと
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戦い終えて

 わたしたちは、実に都合よくダーク・エルフの助力を得たことで、どうにか5匹の巨大なカエルをやっつけることができた(わたしたち自身は、ほとんど何もしていないが)。いつの間にか、トードウォリアーの「@@@」も聞こえなくなっている。水中に隠れているのだろうか。あるいは、どこかに逃亡してしまったのだろうか。でも、もはやトードウォリアー側に戦力はないと思う。もしかすると、今度は何十匹もの巨大なカエルが団体さんで襲ってくることがあるかもしれないけど、そうならないことを祈ろう。わたしたちは「とりあえず勝利の記念に」ということで、みんなで、湖に浮かんでいる巨大なカエルの死体によじ登り、しばらく休憩。

「△♂∴◎♭#、■☆υ⊿≡□*⊆∟◆&、§¶¶∧○∑∬♂††?%+?#……(云々)……」

 意味は分からないが、ナスル殿下は気分よく長広舌を振るい、ダーク・エルフのリーダー、ガイウスは、苦笑しながら耳を傾けている。

 隻眼の黒龍は、「エネルギー消費が小さいから」とかなんとかで、子犬サイズに体を縮め、わたしの腕の中に収まった。アンジェラは、不安あるいは恐怖からようやく解放されたのか、背伸びをして深呼吸。

 ちなみに、もうひとり、忘れてはいけない人物と言えば、

「メガネ、メガネ…… わしのメガネは、どこへいってもたんやろ」

 ザリーフは、本気なのか冗談なのか知らないが、巨大なカエルの腹の上に腹ばいになって、トレードマークの大きなメガネを必死になって捜していた。


 こうしてくつろいでいると、ふと、アンジェラが顔を上げ、

「ところで、お姉様、『ゴールデンフロッグ』というのは、結局、なんだったのでしょう?」

「さあね。なんだったのかしら。でも……」

 わたしは、何気なく空を見上げた。空は、なんの脈絡もなく、スッキリと晴れ渡っていた。先刻まで雲が低く垂れ込み、生暖かい風まで吹いていたのに……

 この空を見ていると、なんだか、ゴールデンフロッグ探しも馬鹿馬鹿しくなってくる。もともと、仕事がイヤで逃げ出したのが今回の旅の発端だけど、それだけなら、帝都で屋敷の地下室に隠れていれば済む(と、今更ながら気がつく)。

 わたしはアンジェラに向き直り、

「そろそろ潮時かもしれないわね。ゴールデンフロッグは……、いわゆる青春の幻影ということにしておきましょう」

「え~っと、それでは、わたしたち、町に戻れるんですか!」

 アンジェラは、キャッと声を上げ、大喜び。冷静に考えてみれば、こんな年端もいかない子供が、今まで文句一つ言わずに着いてきたんだから、大したものだ。やはり、高貴な血筋、血は争えないというものだろうか。

 わたしは、もう一度、空を見上げた。「雲一つない」とは、この空のことを言うのだろう。でも、その時、(何やら意味ありげに)キラリと空(の彼方)に光るものが見えた。あれは、何?

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