08 冒険者ギルドに行きました その3
お読み戴き有難うございます。
最近、夏バテが酷く、体が弱ってて辛いです。お読み戴いている皆様、お体にはおきをつけ下さい。
現在、私は冒険者ギルド直営販売所の携帯食料シリーズ販売窓口の前にいます。窓口前にいるのですが、いつも窓口にいるお姉さん達はおろか販売部の方が一人もいないんですが、どうなっているのでしょうか。
武器屋にはいつものおっちゃんがいるのですが、聞いてみた方が良いのでしょうか。
「すみませ~ん」
「おう。どうした。嬢ちゃん。装備が傷んだのかい」
「携帯食料シリーズ販売窓口の方に誰もいないんですが、何かあったのでしょうか?」
「う~む。わしもさっき来たばかりでな。すまんが分からんのだわ」
「そうですか。有難うございます。」
武器屋のおっちゃんも分からないらしく首をかしげている。武器屋のおっちゃんはつるりとした禿頭で筋肉質のムッキムッキマッチョさんで、豪快な感じな性格、ちょっと強面なお顔(馴れたら優しく感じますが、初めて遭遇すると大抵の方が恐怖感で腰を抜かすか気絶するかお漏らししてしまうらしいです。私の場合は父のお父さん、私のお祖父ちゃんに当たる方やそのお仲間の方達に強面の方が多く、物心つく前から交流があって馴れてしまいました。初めて武器屋のおっちゃんをギルドの職員の方から紹介された時、普通に会話出来た為、武器屋のおっちゃんに気に入られ、装備の相談とか色々話をしてます)。
ここで、じっと待っていても何時来るか分からないし、依頼受付側に戻って聞いてみることにした。
表の入り口の扉を開けようとしたら、モミジお姉さんが出てきたので聞いてみました。
「すみませ~ん。」
「あれ?ナルゥちゃんじゃない。お久ぶりね。どうしたの?カードの更新?」
「いえ。カードの更新を終えて携帯食料シリーズ販売窓口の方に回ったんですが、窓口に誰もいないんです。何かあったのでしょうか?」
「ちょっと待っててね。お姉さんが聞いてきてあげる。」
そういうとモミジお姉さんは裏口の横にある従業員専用扉から中に入っていった。入ってから数分、販売窓口のお姉さんと一緒に出てきた。
「お待たせしてごめんなさいねぇ。」
「いえ。大丈夫です。」
「ほら、ナルゥちゃんにいうことがあるでしょ。」
「・・・ごめん。」
・・・・・・・・・・・・。
・・・・。
窓口のお姉さんから聞いた話を要約すると、『携帯ビスケットを含む幾つかの商品に必要な素材が事故で入手出来なくなった。その為、冒険者ギルドの常時型緊急依頼に出したが生産を再開出来る程、素材が集まっていなく、他の村や街から送って貰うよう受注をしたが、早くても7日経る』とのこと。
「その依頼は私でも受けることは出来るでしょうか?」
「ちょっと待っててね。え~と・・・・。うん。ナルゥちゃんなら大丈夫。最低受注条件が正規冒険者Lv4以上ってことだから。薬草採取よりも依頼Lvが高いのは危険性からではなくて、数を必要なこと、品質を最低Bランク以上で揃えること、素材の知識があることの三点が重要だから。」
「何が足りないんですか?」
「ステビアって草と魔菓草の二つ。」
「ステビアってあの甘い葉っぱの?」
「そう。その甘い草。」
「え~と。ステビアなら家の畑にいっぱいあります。」
「えっ!ステビアって名もなき丘に行かないと手に入らないんじゃ。」
飴を作る為に家の畑で育てていることを言った。すると、お姉さん達は驚いた顔をして聞いてきた。
「いえ。ステビアは小さな虫が付くのを気をつけてさえいれば比較的簡単に育てられます。株を増やすのだって、挿し木などで結構簡単に増やすことが出来ます。」
「ごめんなさいねぇ。私ってそっち方面(栽培関係)の知識がてんでないのよぉ。身近なことなのに、達人級窓口担当なのにねぇ。はぁ~私ももっと勉強しないとねぇ。」
「いえ、大丈夫です。父様の一族の方にそういった薬草関係の栽培に詳しい方がいて先生して下さっていたので。」
「ナルゥちゃんは、本当にいい娘ねえ~。」
「・・・////」
一度家に帰ると籠いっぱいに、畑のステビアの茎葉を摘み、ギルドの素材清算窓口にステビアの入った籠ごと渡した。その際、忘れずにギルドカードも一緒に渡した。
「うわっ。凄っっ。これって品質ランクがSじゃない。しかも籠いっぱい全部。これだけのモノとなると・・・。」
数分後。清算を終えて空になった籠と納金されたギルドカードを返して貰いつつ、清算結果を聞いた。
「緊急依頼の上、大変貴重なステビアを籠いっぱい。しかも、全てSランク品質。占めてこれだけになります。」
そう言うと、お姉さんは買い取り受領証をくれた。買い取り合計金額は30万ptsになった。薬草S品質1つが5ptsだから、6万倍。うん。小金持ちになった気分。
ステビア・・・現実にも手に入るハーブに1種で、主に甘味料として利用されてます。詳細→別名アマハステビア。キク科ステビア属。低木化する多年草で暑さにはそこそこ強い反面、冬の寒さには弱く、寒さ対策が必須。原産地はパラグアイやブラジル。鉢物を取り扱っている花屋などで3号ポット苗98~120円位で入手可能。