ちいさな芽
踏切の手前にある
ちいさな畑から
ちいさな芽が行儀よく
並んでふわりと開いていた
つめたい雨続きから
やっと降りた日差しを
諸手をあげて歓迎しているよう
ちいさくても生きている
ささやかでも開いている
希望はあちこちにある
寒さ増して
明日はまた雨だそうだ
けれど
あの芽は
めげずに日差しを待って
雨を腹いっぱいにのむだろう
その強かさを少し分けてもらえたら
なんて
厚手のコートを着ながら
願うことじゃないな
服を着るようになってから
人は弱くなった、という説が
耳に痛く感じた