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「なあ、ディアナ」

「何でしょう、師匠」

俺は目の前の状況を見てどうしても言いたいことがあった。

「どうして、結局右に進んだんだよぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」

目の前には村への入り口であったであろうものがあった。しかし、すでにぼろぼろになっており、血の跡もついていた。

どうして、右に進んだのかというと、一にも二にもディアナのせいだった。

血のにおいがすると分かり、なおかつまだ新しい血のにおいだと分かると、ディアナは生存者がいる可能性を信じて、右に行くことを主張した。俺としては面倒ごとは避けたかったため、左に進みたかったのだが、ディアナが一歩も引かなかったため、最後には俺が折れるしかなかった。

「ごめんなさい、師匠。でもやっぱり心配で」

この優しさがメガミなのだろうと思った。俺一人であれば確実にここには来なかったはずだからこそ、そう思った。

「まあ、来てしまったものは仕方ないし、中に入りたいんだが・・・暗いな」

すでにこの村に来るまでの間に日は暮れてしまっていて、完全に真っ暗だった。

「あ、ちょっと待っていてください」

ディアナはそういうと、手のひらで光の球体を作り出し、その村に向かって投げた。するとその球体の効果なのか、村の中だけ明るくなったのが目にとって分かった。

「じゃあ、入るぞ」

「はい」

すでにこの時点でかなりの人の血のにおいを感じ取っていたが、実際に一歩中に入るだけど、複数の死体が転がっていた。武器、といってもどちらかというと農具、がそばに落ちていることからおそらく万人だったのだと予想できた。

そして、さらに中へ進むとそこには残酷な風景が広がっていた。

「・・・・・」

さすがのディアナも何も言えなかった。

村の中にはもう死体と壊れた家しかなかった。死体は、頭をつぶされた死体、腸を引きずり出されて、体に巻き付けられている死体、首から上が完全に切り離されている死体、服を引きちぎられ、裸の状態でまたの部分から何かがあふれている女性の死体などいろいろな種類などがあった。

特に女性に関しては、見るからに犯されてから殺されている死体ばかりで、中には大きさ的に5歳ごろの女の子の死体でさえ、犯されていた形跡が見て取れた。

家に関しても、外装はほぼ完全に壊されており、おそらく中のものも、金目のものはすべてとられているであろうと予想できた。

ただ、こんななど田舎の村であることを考えると、結局は金目のものより、女性の体の方が価値があったのかもしれない。

「師匠、この世界ではこれが普通なんですよね。いいえ、この世界と言うより、あの世界以外ではこれが普通なんですね」

あの世界というのがアースを指しているのは簡単に理解できた。

「いや、アースだって例外ではないさ。いまでは平和だが、昔は横領、強奪、陵辱、暗殺なんでもあった。こんな状況よりひどいことだってたくさんあったさ」

俺は自分の世界の過去のことを思い出していた。

「師匠、これからどうしましょう?」

ディアナの表情は覚悟を決めたような表情をしていた。おそらくは俺の世界を見過ぎていたため、平和ぼけしていたのであろう。

「さすがにこの場所に野宿は俺もいやだ。徹夜で近くにある町まで歩くか」

先ほど地図を開いていたとき、この村の隣にそれなりの大きさと町があったため、ここにとどまるよりはそれがよいだろうと俺は思った。

「でも、ここを襲った盗賊がついこの間来たのならば、その町への間にいる可能性が高いんじゃないですか?」

ディアナの言っていることは正論だった。血の乾き方や変色などを見ると、おそらくこの村がおそわれたのは昨日の確率が高かった。そして、ここの村からいけるのは、先ほどの森をのぞくと、俺たちが最初に向かおうとしていた村と、今から行こうとしている町だけだ。しかし、最初に行こうとした村の方向からは血のにおいがしなかった。つまりは、町への道の途中か、近くにいる可能性が極めて高かった。

「まあ、もし遭遇したら殺せばいい。暗かろうが何だろうが負けるわけはないんだし」

「それはそうですけど・・・」

それでもあまりディアナは気乗りしない様子だった。

「ディアナ、俺たちが何をしに来たか覚えているか?」

「この世界を統治する一つの国を作って、戦争をなくすことですか?」

「そうだ」

戦争をなくすために、この国にある国すべてを1つの国まとめる。

「じゃあ、その国をどうやって作るんだ」

「それは、それぞれの国が戦争をして・・・」

「どうやら気づいたようだな。戦争をして、負けた方が勝った方に服従するんだ。それを繰り返して1つになる」

そのためには戦争をする。戦争をなくすために戦争をする。まさに矛盾だろう。

「正直、こんな村の被害なんて比べられないほどの人が死ぬ。ディアナ、甘えを捨てろ。おまえは平和ぼけしすぎてるんだ」

俺の言葉に、ディアナは落ち込むしかなかった。

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