プロローグ アブノーマルな普通の少年の過去
設定だけで温め続けていた作品を書いてみました。
無駄に設定ばかりな上に下手な文章で読みにくいかも知れませんが宜しくお願いします。
昔、彼は『神童』だった。
一歳の頃には文字を覚えて本を読み耽り、三歳の頃にはセンター試験を解かされて九百点中、六百点台を取って幼くして彼は神童の兆しを魅せていた。
四歳の時には大規模な爆発事故に巻き込まれたが、無事に生還。半年近い療養をする事となったが別状は無かった。
五歳の時には護身術として剣術・槍術・弓術・騎馬術・柔術などと言った様々な『武術』に加えて、今となっては一般にも公表されるようになった術である『魔術』と言ったありとあらゆる体術を会得していった。
この頃になると親の期待も半端なく、様々な習い事をさせられた。
書道もしたし、算盤もやった。それどころか英語やドイツ語、ラテン語などの学習もさせられた。
彼は教えられたその全てをまるでスポンジのごとく、瞬く間に習得していった。
だが、彼にその翳りが出始めたのは六歳、小学校に進学してからだった。
彼がやっていた習い事、その全てにおいて『限界』が見え始めたのだ。まず最初に現れたのは学術分野だった。彼にいくら教えて一般人には解けないような難題を出しても全く解けず、テストをやっても一般の勉強した高校生のような成績しか取れなくなったのだ。
そして、算盤でも段位を過ぎたあたりで止まり、外国語の習得も『喋れる程度』で終わった。
そう、彼は『何一つ』として『成長しなかった』のだ。
最初は教えたら、スポンジのように知識や技能を吸収したが、一般常識を超えるレベルになるとその吸収力も途端に落ちて無理難題には到底歯が立たなかった。
それは武術や魔術でも同じだった。その分野を会得している『人物にとっての普通』と言えるような実力まではすぐに到達したが、それ以降伸び悩んだのだ。
社会的に『普通』の能力しか持たない彼が何故神童と呼ばれたのか。
それはその才能に目覚めた時が『幼少期』だったからに他ならない。両親の彼に対する評価基準が低過ぎたのだ。
人の評価と言うのは年が増す毎に上がっていくものであるのは周知の事実。
中学生になった頃には両親も彼に期待していた想定能力を下回り始め、次第に彼と両親には軋轢を生じるようになった。
結果彼は『期待外れ』となり、落ち零れた。そして彼は期待される事を嫌って普通に遇する事を選ぼうとしていた。
ある時、彼は機械による外からの評価に頼った。
人の根本を表す『素質』。それを評価する機械『EB-04』は彼をこう評した。
『普通』と。
そんな『普通』の素質を持った彼、千藤悠歳にこれから様々な試練が降りかかる事となる。
無駄に説明がましい文章ですが、読んでお気に入りをして頂ければ、と思います。
感想・評価なども大歓迎です。